夢は変わっていくもの。
前回の投稿で、仕事を辞めて家族のありがたみを知った話をしたのですが、今回は、夢は変わっていくものだと気づいたお話をしようと思います。
私の幼少期からの夢はずっと「ケーキ屋さんになること。パティシエになること。」でした。お菓子作りが好きだった母の影響で幼稚園くらいからお手伝いをしていて、そのころから「ケーキ屋さんになりたい!」と言っていました。幼稚園のころの将来の夢って大体の女の子が「ケーキ屋さん」か「お花屋さん」って言っていた気がするのでその時からなりたいと思っているのは、全然珍しくないのですが、私はこのままパティシエとして就職するまで一度もこの夢が変わらなかったのです。これは結構珍しいよな、と思います。小学校、中学校では、お小遣いや誕生日プレゼントもお菓子作りの本だったり、ケーキやクッキーの型、自分ではなかなか買えない材料を買ってもらい、いつもお菓子を作っていた気がします。高校に上がると、知識も増え、技術も上がり、たくさんのお菓子を作れるようになっていました。とても忙しい部活に所属していながらも、合間を縫って部活のメンバーやクラスメイトにいつもお菓子を作っていました。ここまでくると、周りの人達からのイメージは「お菓子」でしか無くなっていました。
中学生の時から、高校を卒業したら専門学校に行ってパティシエになると決めていて、その通りの進路を歩んで、専門学校に入学しました。でもここで初めて自分の気持ちに少し変化がありました。今までどんなに疲れていてもお菓子を作ることは楽しくて仕方がなかったのに、専門学校でのお菓子作りを純粋に楽しめていない自分がいました。家では作れないようなお菓子を作ったり、特別な器具を使う実習はとても勉強になったし、専門学校に行ってよかったな、とも思います。楽しい瞬間ももちろんあったし、お菓子をたくさん食べれて幸せでもありました。パティシエとして就職することもほぼ約束されていて、小さいころから夢見ていた世界です。でも毎日の実習内容にも文句を言ったり、先生のやり方が嫌で愚痴を言ったり、周りの人たちとの温度差を感じて無意識に見下すような行動を取ったり、この頃の自分は本当に、ひねくれていて文句ばかりなのにプライドだけは高くて性格の悪いやつだったな、と今思い出しても嫌になります。ずっと純粋にお菓子作りが好きでそれだけを目指してきたはずなのに、専門学校に入ってからは、周りとは自分は違う、自分ならできる、自分はレベルが高いところに行く、自分の価値はほかの人より上だとか、そんなことばかり考えて本当の夢だったり、本当に好きなことを忘れていたのです。
そんな気持ちで就職し、色々あって退職をしてたくさん自分と向き合いました。私が本当に好きなのって、自分が作ったお菓子で誰かが喜んでくれる姿を見ることなんです。高級で美しいお菓子も素晴らしいとは思うけど、それを目指したいとは思わなくて、私はただ、自分のお菓子をいいと思ってくれる人に喜んでもらう。それが自分が一番やりたいこと、なりたい自分、夢なのです。自分のためにだけ作るお菓子って作っていてもわくわくしないのです。誰かのことを思いながら、食べてくれる相手を考えながら作るのは本当に楽しくて、わくわくもするし、ドキドキもします。食べてくれる相手の喜ぶ顔を見る瞬間までがセットで大好きなのです。
絶対に変わることがないと思っていた「パティシエになりたい」という夢。でもそれは変わりました。パティシエというものに縛られずにどんな形でもいいからお菓子を作って生きていきたい。そう思えるようになりました。人は変わっていくので、夢も変わって当たり前だと思います。でもその中にも変えられない夢だったり信念があって、それを大切に生きていくことが大事なんじゃないかな、と思えるようになりました。
パティシエは辞めたけど、まだ何もあきらめたくないなって思っています。漠然とではありますがここに決意表明をしておこうと思います。
たくさん夢語りしてしまいましたが、この辺りで終わろうと思います。未熟で読みにくい文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。これからもまっすぐ生きていきたいと思います!
またどこかでお会いできたらうれしいです。
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