「フリー」になるなら、1年分の蓄えを!
サラリーマンを長年やっていると、「辞めたい、辞めよう」と思うことは、正直なところ、一度や二度ならず、何度もあります。
大体において、「宮仕え」というものは、いろいろと周囲に翻弄されて、いささかいやになることがある(多い!)ものです。
そういうときに、このところ、はやり始めているのが、「フリーランス(フリー)」、つまり、自営業として、腕一本で食っていく生き方です。
格好いいなと思いますが、正直、生活は大丈夫なのかな、とも感じます。
私も、CFPを取得の後、社会保険労務士資格を取得したときは、就業環境があまりに悪く、体調も悪かったので、心から辞めてやろうかと思いました。
そのときは、少々、お休みをいただき、頭と身体に休息を与えてから、職場に戻ると(配置転換してもらいました。)、身体の疲れもなくなり、ウソのように、仕事が進むようになりました。
そんなとき、気持ちの支えになったのが、「いくらかの蓄えと、若干の不労所得の存在」でした。
これくらいの蓄えがあるから、辞めても何とかなる、という安全・安心感は、やはり、替え難いものでしょう。
よく、蓄えもないのに、エイヤッとばかりに、職場を離脱してしまうような人がいますが、「よくやれますね、蛮勇ではないですか。」と感じることも、正直、ままあります。
人生は、死なない限り、何とかなるものですから(特に、日本においては)、きっと何とかなるものなんだろうとは思いますが、どのように何とかなるのかは、その人次第です。
フリーになるとしても、せめて、仕事が安定すると見込まれる1年間(~半年間)の生活費くらいの蓄えがないと、決して夢見心地がいいものではないと想像します。
漫画やアニメの主人公は、ピンチに陥ると、「ぬぉぉぉっ!」とか言って、火事場の馬鹿力を出すシーンがありますが、普通の人間には、多少はできても、持続可能なものではありません。
逆にですよ、それくらいの蓄えがあると、不思議なものなんですが、「いつでも辞められるから、もうちょっと頑張ろう。」などとも、考えるようになるから面白いものです。
で、もう一つ言うと、フリーでできる仕事は、この副業解禁の時代にあっては、職場で働きながらでも、それなりに、試しの形で、できるということです。
むしろ、そのようにして、自分に才能はあるのか、市場環境はどのようなのか、下調べをしてから、フリーになるのが、一般的に、正解だろうと思います。
社会保険労務士でも、自営の場合の平均年収は、200~300万円と言いますし、CFP(FPの上級資格)だって、実態は、クライアントより、儲かっていないケース(端的に言うと、貧乏である)がほとんどである、という実態を聞くと、私も、頭を冷静にした結果、フリーになるのは、思い留まりました。
私は、就業しながら、執筆で、少々のお金をいただいていたこともあったのですが、執筆は得意な方であるものの、要するに「少々」なんです。
で、どうしても、フリーになりたいというのなら、1年分(~半年分)くらいの生活費相当の蓄えと、できれば、なにがしかの不労所得(株式等の配当金や、私的年金、あるいは不動産所得など)もあると、なおいいです。
※不労所得を決してバカにしてはいけません。少額でもあると、心の支えになります。不労所得は、肉体は使っていませんが、頭脳は使っていますから、「頭脳所得」です。
フリーになりたいなら、とりあえず、勤務しながらやってみる、また、退職するなら、1年分の蓄え+不労所得の準備がお勧めです。
その気持ちがあるならば、要検討ですよ。