人口の増加と豊作、および土地の環境収容力のあいだには、目に見えない微妙な均衡関係が保たれています。
(幸運な時代と不運な時代とでは、土地の環境収容力が違います。この簡単な算数を人類は理解しようとしません。)
人はほぼいつの時代でも、限界近くまで土地を耕作し、ときには限界を超えてしまうこともあります。冬になればしばしば、村人は飢え、死人がでました。
移動生活が、定住生活に変わるにつれて、環境と共存して保ってきた均衡関係は変わりはじめました。
中世の歴史家『ヨハン・ホイジンガ』
「悲しみと喜びの違いも、幸運と不運の差も、われわれが感じるより大きかったようだ・・・冬の身を切るような寒さや陰鬱な暗さは、実際に悪いものとして感じられた。」
人は、つねに(土地の環境収容力に対する)自給農業の規模を小さく見積もろうとしています。