婚活パーティーの際,男性が選ぶ女性はなぜ集中するのか?
(2021.03.02に書いたブログ記事を転記したものです)
コロナが流行する前,スタッフ(お手伝い)として婚活パーティーによく参加していました。
傍から見ていて興味深かったのは,男性が第一印象で選ぶ女性が極端に集中することです。だいたい6~7割,ときには9割くらい,特定の女性に集中します。しかも,さらに興味深いのは,どの女性に集中するのか,傍から見ておおよそ見当がつきます。つまり,「あの女性を第一印象で“関心がある”と選ぶ男性は多いであろうな」という女性がわかってしまいます。別の角度から言えば,婚活パーティーにおいて男性が好む女性は似ているということです。
なぜそういうことになるのか少し考えてみたいと思いますが,結論から言えば,「お見合い回転寿司のせいではないか?」ということです。以下,具体的に書いていきます。
婚活パーティーの主催者さんに話を窺うと,「若い女性が人気」「かわいらしい女性に集中する」ということがよく聞かれました。そして,実際に,外見的特徴だけで考えるとそれはその通りです。「これだから男ってやつは…」と思いたくなる気持ちもわかりますし,実際にそういう嘆きを主催者さんからも女性参加者さんからも聞くこともありました。が,しかし,個人的には,男性が「若さ」や「かわいらしさ」だけで女性を選んでいるのではないと思います。むしろ,そうではない部分の方が大事なのに,それが疎かにされているから,結果として「若さ」や「かわいらしさ」に過剰に頼ることになるのではないかと考えています。
どういうことかと言いますと,男性は「覚えている人」を選んでいるのではないかということです。婚活パーティーにご参加したことのある人ならご存知だと思いますが,婚活パーティーはだいたい以下のような構成で進められます。
お見合い回転寿司 →フリートーク → マッチング
お見合い回転寿司とは,自己紹介を兼ねて1対1(ないしはグループ)で参加者全員と話す時間です。だいたい数分です。その後に「第一印象の評価」をして,互いに良い印象であった場合は,フリートークのときに1対1で話す時間を設けられたりします。そのようなペアを作れなかった人たちは完全にフリートークで自ら相手を探しにいかなければなりません(スタッフからの援助があるパターンもあります)。その後,時間になったらマッチングをして終了です。パーティーによって細かなパターンの違いはあると思いますが,おおまかな一連の流れはこのような感じです。
ここで重要なのは,「第一印象の評価」をする前に,選ぶ相手(女性)と男性がほとんど話していないということです(女性側から見ても同じことが言えますが,とりあえず今回は男性視点で考えていきます)。お見合い回転寿司は,だいたい2~3分,長くても5分くらいが一般的です。そして,パーティーの参加者数によっては10~20人と話さなければなりません。当然ですが,そのときに深い会話をすることにはならないので,よっぽど内容的に惹きつけられるものがない限り,相手のことを覚えるのは難しいです。
そのような中,第一印象で相手を選んでくださいと言われたら,誰とどのような話をしたか覚えていないので,話した内容で選ぶことはできません。そうするとどうなるかと言うと,見えるもの,すなわち外見で選ぶしかなくなります。だから,男性は「若く」「かわいらしい」女性に,選択が集中してしまうわけです。
「誰が誰だか覚えられない」という男性参加者からの話はよく聞きましたし,「第一印象の評価」の際に,参加者の数字を書く人が結構いることも覚えていないためなのかなと思います。どういうことかというと,参加者には,名札の横に各自数字が割り振られているので(たとえば「①ツナシ」みたいな名札),その数字を「第一印象の評価」シートに書くわけです。たとえば,「①ヒロコ」がいたとしたら,「フリートークのときにお話してみたい人はだれですか?」という第一印象評価シートに「①」と書くわけです(「ヒロコさん」でも,「①ヒロコさん」でもなく)。
そして,運良く人気の高い女性から「第一印象の評価」で選ばれた男性は,そのまま頑張り続けるのでマッチング段階でもその女性を選び,人気の高い女性から「第一印象の評価」で選ばれなかった男性は,諦めて別の人を探そうとする人もいますが,(第一印象の際に自分で選んでしまったためなのか)なんとかその人と話すチャンスを作ろうと頑張る人もいます(頑張ることがスタッフから奨励されるということもあるかもしれません)。その結果,マッチングにおいても,第一印象の評価のときほどではないにしろ,最初に人気の高かった女性は多くの男性から選ばれやすいという状況になります。そして,これも興味深いことに,人気の高い女性がどの男性も選ばないというケースもわりとあります(が,これについてはまたいずれ)。
まとめると,男性は「若い」「かわいらしい」女性が好きだから,何をおいても婚活パーティーにおいてそのような女性を選ぼうとしているわけではなく,選ぶ女性がどのような人なのか「覚えることができない状況」なので,「若い」「かわいらしい」女性を選ぶしかないのでは?ということです。
逆に言えば,現状のお見合い回転寿司をやめて,「覚える時間」を作れるような形式を導入すれば,男性の目が向く女性も多様化すると思いますし,結果的に良縁が増えるのではないかと思います。ただし,話を難しくしているのは,「お見合い回転寿司」を好む男性参加者が結構存在するという点です。「せっかく参加したらから全員と話したい」という気持ちがあって,「お見合い回転寿司」を支持する声もありますし,「お見合い回転寿司」以外に,限られた時間を利用して全員と適度に話す方法があまりないということもあります。
しかし,個人的には,良縁を増やすためには,「お見合い回転寿司」に代わる方法を模索する必要があると思っています。そして,それを検討中です…(が,思いつかず頭を悩ませています)。