「ひぐらし」に見る進路と他者依存

今期のアニメで「ひぐらしのなく頃に業」にとてもハマってます。みんなかあいいですよねー

「進路」の話がとても興味深かったのでちょっと真面目な感想を書いてみます。

!以下ネタバレ注意!
だいぶ端折りますが…



ヒロインの梨花は、大量殺人が起きる昭和58年(12歳)の夏を累計100年以上に及ぶ時間ループにより皆が協力して回避する世界線にようやくたどり着き、昭和58年を乗り切ることに成功する。
梨花には同い年で共に暮らす沙都子という親友がいる。100年のループの中で集落を出たい気持ちが強くなっていた梨花は全寮制のお嬢様進学校(聖ルチーア学園)を受験し、無二の友人・沙都子を受験に誘い、共に故郷の雛見沢を出ることを決心する。
中学3年間の勉強の成果が実り、2人で聖ルチーア学園の合格を果たす。しかし、授業のレベルが高く育ちの良いお嬢様ばかりの高校生活になじめたのは梨花だけ。沙都子は勉強についていけず、クラスでも孤立し、梨花とも仲違いをするようになる。梨花の誘いに乗らなければよかった、梨花と一緒に雛見沢で暮らしたいだけなのに、と後悔した沙都子はループの力を得て梨花がループを繰り返して未来を勝ち取ろうとする心を挫こうとしていく。

ざっとこんなあらすじです。

よく中高生にある仲のいい○○ちゃんと一緒の高校受験しようねー、からのいざ高校に行けばかたやクラスの人気者、かたや弾かれ者。挙げ句は人気者の方の子が弾かれ者になった子のことを考えずに学校生活を楽しみ、弾かれ者の子はどんどん卑屈になっていく。そんな感じです。

ここから思うことは、進路は他者に依存せず自分で決めましょうということ。仲のいい友達が受けるから、親に勧められたから、そんな気持ちではすぐ挫けてしまう。そして行動に責任を持てずつい人のせいにしてし、恨みの感情に支配されていく。

沙都子は勉強が嫌いで、受験までは「梨花と高校生活を過ごしたい」というモチベーションで頑張れたものの、高校で梨花とすれ違う日々が続くと心が折れてしまいました。ループでは、自らが別の道に行くこと、ループの時間を活用して順応できる方法を探すことではなく梨花がルチーア受験を諦めること、雛見沢を出るのを諦めることを狙っていきます。あくまでも梨花がルチーアを受けて雛見沢を出るのが悪いという他者依存的なスタンスです。

こうなってしまうと依存する側もされる側も辛い。梨花は沙都子に夢の足を引っ張られ、沙都子はそれでも挫けない梨花に怨念を抱いていく泥沼です。

ループという不思議な力で沙都子の気持ちが顕在化されているものの、実際に進路決定を親や友人に依存して決めて失敗した結果モヤモヤしている人というのは一定数いるのではないでしょうか。こうならないためにも他者に自分の夢を押し付けたり、それに流されたりせず「自分」を持つことが大切なのでしょう。

沙都子と梨花がどうこの感情の泥沼に折り合いをつけるのか、結末が楽しみです。当事者はしんどいでしょうし、こうはなりたくないけれど。



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