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平社員がワーホリに行くなら会社の理解は必須
周りの支えがあってこそ、ということでまず家族の理解が大事だよね、という話をした前回。
今回は、「会社を絶対に辞めたくない!でも海外には行きたい!」という泣く子も苦笑いになるような要望を理解してもらい、結果的には研修というか、現地の情報収集とリモートワークをすることでワーホリに行けることになりました。
これらは会社の理解と懐深さが無ければ実現しないことだし、恵まれていることなのだと自覚しなくてはならないと思います。
同時に、逆にこうした働き方を推進できる会社が増えると、また新たな企業のカタチも見えてくるのではないかとも思うのです。
ただし、それは成果があってこそのこと。私が何もできないポンコツで終われば、この後で海外に行きたい人が居ても実現しなくなってしまうかもしれません。
今回は、私がワーホリに行くにあたって会社と約束したことと、そこから準備をするなかで気づいた様々なことについて、記録も兼ねて書いていきます。
会社への説明
前提として、今の仕事があまりに面白いすぎることと、この仕事を通して伝えていきたいことがあるので、会社を辞めないことは必須条件でした。
とはいえ会社としては半年間も居ない人間の席を遊ばせるわけにはいきません。とくに我が社は巨大企業ではなく、十数名でさせてもらっていますので、一人が欠けることの影響も少なくはない。そのため、どのように判断されるかどうかは未知の世界でした。
実は上司には、数年前から海外に行きたい旨の相談をしてはいたのですが、実際のところは保留というか、私自身が決定していないのだからと、判断も何もない状態。(そらそうよね)
そんななか、いよいよ2025年が年齢的なワーホリのラストイヤーでもあり、行くのなら本腰を入れて動かなくては…
というところで、現地にも足を運び、家族の許しも得たうえで、いざ参らん!と
会社に話を持っていきました。
「本気でフィンランドに行きたいのです…」と。
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会社の理解
最初に直属の上司に相談したところ、「ついに決めたのだね」という感じで話してもらえたことを思い出します。何かあるたびに相談しては前を向かせてくれる上司なので、思っていることや要望も含め、そのまま伝えました。
だとしても、社長含め検討しなければはっきり言えないということで、上に話してもらえることに。
そして待つこと数週間。
社長含め上司と再度話す機会が設けられました。
改めて自分の気持ちと、どのようにしたいのかを伝え、実現するためにはどうしたらいいのかについて、緊張感を抱えながら相談をしたところ…
社長「要はリモートワークの延長でしょ?行く前に一定以上の成果を上げるなら、いいんじゃない☆(意訳)」
と快諾。
スルッと受け入れてもらえたことに多少拍子抜けしながらも、これでなんとか前に進むことができるように思います。
きっと上司も根回しをしてくれていたのでしょう…感謝しかありません。
しかし何の条件もなく、「行っておいで!」ではなく一定以上の成果が必要になる。これについても考える必要がでてきました。
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課されたミッション
社長から課されたのはシンプルで、
「半年間で1年分の目標を達成すること」
でした。
私は営業社員ですから、会社を経営するために必要な資金として、私たちにしかできない価値(主に成果物)をクライアントに提供すること。その対価として料金をいただき、それらを積み上げて目標達成をしていくことが主な仕事です。
当然ながら毎年期首に目標を設定し、どのようにして達成するか計画していくのですが、半分の期間で1年分を達成するためにはかなり工夫が必要になります。
ただ、できなければ行けない。なら、できるようにどうすればいいか?を考えて実践するしかない。
ということで、量・率・額・時間を特に意識して勤めた結果、周りの支えもあってなんとか目標まで辿り着くことなでき、無事にフィンランド行きの許しを得ることができました。
その過程でビザ申請も無事完了。在留資格も届いてあとは準備をするだけの状態に。
※申請にあたっては、noteでわかりやすくまとめられている方の記事を参考にしました…めっちゃ助かりました。
そうして全社員にも私が半年居なくなるよ〜と通達。
正直このときが一番緊張したのですが、皆すんなりと受け入れてくれたというか、とても深く頷いてもらえたことを今でも思い出します。
懐の深い方々に囲まれて、楽しく働ける環境というのは本当に恵まれていることですし、その選択を尊重してもらえることにも感謝するばかり。
また、直接的に還元できる立場だからこそ、仕事で応え続けるしかないのだと、より一層気持ちも引き締まった瞬間でした。
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設定したテーマ
とはいえ、目標行ったからあとはフィンランドにいる間、好きに過ごせばいいかといえば、そういうわけでもございません。
ただ仕事や社会から開放されて自分探しに耽るモラトリアム的な発想ではなく、あくまでも近い将来で自らの領域で具体的に還元をするべく、情報収集または蓄積のために必要な時間だと考えています。ようは将来のためのインプットがざっくりとした目的。
ただ、私一人の頭ではどうしても偏りが生まれてしまいます。放っておけば、サウナとビールとインテリアの話ばかりになってしまうのは明白。(それはそれで面白いのかもしれないですが)
より鮮明に目的を持って行動する方が、具体的な結果に結びつくと考えた私は、経験豊富で相手や世の中との繋がりを創出する力に長けている心優しき諸先輩方に尋ねてみることにしました。
「私、フィンランドで何を見てきたらいいでしょうか?」
そんなもん知らんがな!とブチギレられる言われると思いましたが、私がしたいことと、現状で気になるテーマをいくつか抱えて相談したことが功を奏し、心優しくアイデアをほどいてもらえたのです。
その時にもらえたアイデアは大きく分けると、
「リアルな暮らし」と「導入可能性箇所の検討」。
フィンランドで暮らさなければ分からない暮らしのことと、生活をするなかで必ず見つかる「日本と異なるポイント」に着目し、日本で取り入れるならどのようなものがあるのか?について検討することでした。
まずはそれらにフォーカスを当てて行く方向性を決めたうえで、改めて社長含む上司と改めて相談し、
「日本との相違点と共通点の掘り起こし」
「会社にとって新たな事業の兆しを見つけること」
のテーマを設定しました。
現地での暮らしの中で自ら足を運び、コミュニケーションを通して調査をしていく。得られた情報を活用して、どのようにすれば新たな展開に結びつけられるのか。
そして主要顧客となる住宅業界と、情報を求める一般ユーザーと、ターゲットを分けて情報発信をしていく。
そのための情報収集ということで、明確にテーマが決まった私は、それに向けて下調べの準備をすることにしたわけです。
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準備したこと
まずはフィンランドってどんな国なのか、まずは自分が知っていることから考えてみることに。
幸福度が高い国
教育先進国
サウナ発祥の国
モルック発祥の国
アアルト建築をはじめとした優れた公共建築物が多い
Marimekko、Artek、Iittala、Finlaysonなどデザインが有名
森林資源に富んでいる
ロウリュ気持ちいい
独自の精神性が確立されている
サウナ行きたい
なんかちょっと湿度高い気もしますが、だいたいこんなイメージでした。
どちらかというとステレオタイプというか、日本においてフィンランドが注目されている表層の部分が多いようにも思います。
ただこれだけでは「新しい情報」ではないので、たとえ発信を続けたとしても差別化はしづらく、埋没する可能性も低くはない。
だとすればもっとその根底というか、「なんでそうなっているのか?」の部分に焦点を当てる必要がありそうにも思います。
と、いうことで、私が知らないフィンランドを調べるために様々な書籍やWebサイト、ChatGPTも活用して情報収集をしていくこと数週間。
これまでには見えていなかった(目も向けていなかった)部分がどんどんと見えてきたのです。
そして、もうフィンランドにゾッコンになりました。頭から離れません。
それだけではなく、日本との共通点・相違点についても目を向けるために調べていくと…
日本も負けず劣らず、めっちゃいい国やないか!!!
この国に生まれてよかった!!!
と今度は日本への認識もまたブラッシュアップされたのです。(私が単純な男であることは一旦抜きにしてください)
何にしても、目的を持った下調べをすることで、またひとつ見える世界が広がるということが改めてわかり、多方面に興味の方向が向いてきました。
これらを活かしてどうするかですが、今後はまずは渡航前に各項目ごとの仮説と推測についてもまとめて行きたいと思います。
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