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創作模型のこと2

今回はその1の「幻操艇ラディオック」よりもさらに前に作成した模型をネタに、アップデートはすべきか否かという思いも少しだけ混ぜた内容になります。
この模型、コンペと名の付く場所への初参加作品で何年も前に作成した物になります。載せられる画像がブログ用の物しか残っておらず見え難かったらごめんなさい。

まず友人の平米屋平兵衞さんから、作って出してみない?と誘いを受けたのがPLASTIC CHAMBERさんの1/16コンペで、今思えば凄い所に飛び込んでいったなと。
スケール固定の物はまだ作った事がなく、色々平米屋さんに聞いて最終的にレギュレーションと締め切り守れば自由と解り、フィギュアを使うとサイズ感が掴みやすいので作りやすいとか色塗りとかのコツ等少し教えてもらい色々勉強になったのが良い思い出。
しかも平米屋さん芯材に丁度良い物をくれたのでそれをベースとし、さらにPLASTIC CHAMBERさんのサイトで作品を見てコンペに似合う様なイメージを描く所から始めました。それがこちら。

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ふと和風の物を作ってみたくなり、花魁、妖怪とモチーフになりやすい物で思いつくまま絵にしたのがこのラフ描き、これを元にベースのフィギュアから作り始めました。私には珍しく苦手なポリパテも使っています、芯はグレーの部分になり色々切っては繋ぎを繰り返していますがきちんと人体らしいパーツ作っています。

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個人的な考えですが、絵に描ければ立体もいけると私は考えておりこれも概ね絵と近い状態にできています。せめて横や背面も描けばもっと精度が高くなるんでしょうけどそれを面倒がってやらないのが詰めの甘い所なんでしょうね、わかっていてもやらない…

この造形中、若かりし日に当時まだ無かったヴァンパイア(ゲーム)・モリガンのフィギュアがとても欲しくて、ガチャフィギュアを芯材に一心不乱に作った事を思い出しつつ作業していました。
何年経っても変わらない事をしているのは我ながら凄いと苦笑しますが、過去を引き出してその記憶を原動力に新しくしていくのも悪くない気がします、そういう自己アップデートはあっても良いかなと。
ところでこの先の作業写真データが本当に無いのでいきなり完成写真です。塗りはラッカーでパールとか混ぜて筆塗りしています、髪飾りはビーズのパーツを幾つか使用。

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絵に描いた反物のような尾がどうしても作れず、夫に余っているガンプラのビームサーベルを貰い尾に加工。時間も無くなってきていたので台座も煙管から変更、あきらめる事が多かった割には綺麗で奇妙な妖怪作品を無事完成させ、オリジナルで造り上げたフィギュアはかなり満足のいく物になりました。
それから少し経ち、展示会の出し物にと考えた時に困ったことが発覚。写真を提出するコンペだったので実は台座がとても不安定、二日間展示するには無理があり直さなくてはならず色々考えきちんと台座を作る事に。
この頃の私は模型以外もですが、一度出来上がった作品は変えるくらいなら新たに作り直しました。思考や記憶した物事はアップデート気にならないのに、不思議と作る描くなどした物は修復する以外やりたくなかったのです。しかしこの時は反物部分の出来なかった話を平米屋さんにした事があり、これで出来るかもしれないよと新しい材料を頂いたのがきっかけで、初めて作品自体も手直ししてみようと思いました。
作業写真のデータが無くなっているので手直し後の写真よりいくつか。

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頂いたのは「水に濡らして形を変え乾くとそのままになる紙」
プラペーパー的な硬さですが紙、正式名称は聞いた気もするけれど覚えていないです。これを細く切って水に濡らしながら形を整え乾かし文字を書きます、紙なので書きやすく汚しも色が染みていくので自然な感じ、特に艶消しなどせず反物っぽい印象になりました。重みで多少下がってしまうのですがそれでもここまで恰好がつきます、とても面白い素材です。

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他にも鳥居を作り台座に追加するなど、一部直してしまうとあれこれ追加し始めたわけですが普段こうしないのは多分、終わりが見えなくなるからではないかと思います。記憶は新しく書き換えても、作品には何かしらの区切りが欲しいのかもしれません。

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元絵に近いのは改修後で、出来にも満足なのに最初の満点気分がどこかへ行ってしまった気がしてアップデートして良かったのか…という思いが湧いた作品でもあります。いち趣味の事ですが人それぞれでもあるし、難しいものですね。

最後に、彼女の事を少し。
「白面九尾狐」
美しい花魁姿の背を追ううち、気付けば古びた鳥居の朱が目に入る。
はてここはと、かの花魁はと見回すも闇色の葉がかさこそいうばかり。
やがて頬を温い風が撫で、月明かりが薄らと差し、頭上から何やら大きな布のはためく音が聞こえ顔を上げてみるとそこには追うてきた花魁だったもの。
誰ぞと問うても返しは無く、白い反物がうねり近づく。目に入る白に墨が滲むのを捉え、しかと見れば文字現る。

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我 白面九尾也

残ったものは破れ提灯と煌びやかな着物のみ。


おしまい。

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