切り絵→版画
以前、スペース内切り絵トーナメント戦が開催され数々の大人の本気作品を見て笑って感心して、座布団と紙吹雪が脳内で舞い踊るフィナーレを飾ったという読み物を書いたのも束の間、同スペース内にて再び「普段全くやらない芸術」を披露する大会開催が決まりました。
以前にも使った写真ですがこちらの彫刻刀を新調しました、なんと次は版画です。
必ず手彫りである事と最大サイズが決まっている以外はゴム版でも木版でもOK、多色刷りなども可という優しい(?)レギュレーションでした。
ですが版画など小学生以来で、何をどう教わったかなんて記憶の端に薄ら残像のように思い出せる程度。まずは版画の動画を探すところから始め、あれこれ観たのですが基本的な彫刻刀の使い方は結局小学生向けの動画が1番わかりやすかったです。同じ頃、今より力が足りなせいか刃物の扱いというか手元が危なかった記憶があり、怪我しない持ち方の再確認も含めなかなか良い動画でした。それにしても探せば大抵の事が調べられるし、スマホだけでも動画が作れて配信されているのは便利でありがたい事です。
という訳で私の版画下絵です。
最初は来年の干支にしようと考えました、笹藪に虎の下絵まで描いて数日置いてからじっくり見直した時、これは誰かと題材(虎)がカブるぞと。版画の画像検索すると年賀状に使う事もあるのか白黒が美しいのか、虎は結構多く出てきたためどうせならカブらない方向が良いと絵柄の変更して上記の鷹をモチーフにしつつ縁起良さげな……といえば一富士二鷹三茄子。それプラス日の出、おめでたいじゃないですか。
下絵を板木へ写すのはけっこうな苦難でした、100均のカーボン紙が全く転写できずボールペンの力強い凹み跡が木に少々付いたくらい。仕方ないと直に下絵を描いたその後、夫(同じく版画に参加している)が色々試したところカーボンが効かないのではなく、切り絵などの紙へ転写しやすい方のカーボン紙ではないかと。なので古くから変わらぬパッケージのカーボン紙を改めて購入、夫(ゴム版)が試した所きちんと写りそれぞれ適した役割があるのねと納得しました。
そして動画のおかげで順調に彫り進み無事版下は完成、ハガキ版にしたので早かったです。空いた下の部分にはフリーハンドで北斎モチーフを、刷った時にわざと反転するようにして入れました、きちんと出るかはわからないですけども。
アクリル絵の具もあったのですが、弾かれると大変かもと心配になり版画用絵の具を購入。黒は粘度が高くもったりしたもの、金はアクリル絵の具よりもゆるくおや?と思いつつ刷り始めたら……まぁ失敗でした、黒はおそらく使う版や素材によって粘度調整必要なようです。
夫と2人、水でインクをのばし再挑戦しましたがこれも難しいわ紙はどんどん少なくなるわで悪戦苦闘でした。しかも金と同じくらいの濃度にすると紙にのらないんですよ、実際一からやってみて小学生時代は全て上手くいくように準備されていたんだなと、ありがとう顔を忘れてしまった担任の先生。
ちなみに完成作品の文字はMがNになってしまいましたが初回にはきちんとMで刷られていたんです、インクと格闘している間に目詰まりしたものがどうやら固まってしまい、紙が尽きた頃に気付きましたね。あと本当ナメてた、子供の頃よりもできるでしょなんて版画に申し訳ないです。
版画の残骸、夫はこの1番上の濃いのを出したら?と言ってくれましたがもうかなり潰れてて鷹の羽部分が納得いきませんでした。文字も読めないし。
上手い下手と他人の評は二の次で、何事も自分の作った物は納得と自信を持って発表したらいいんです。頑張っても上手くいなかった点は言葉にしていいと思います、誰かが見聞した感想にヒントがあるかもしれない。そして褒めてくれる人がいたなら照れはあるかもですが素直に受け取る、自身が作ったものを自身が下げては意味がないので謙遜はほどほどに。下手なのでと言いながら出されたら見てくれる人が楽しく無いじゃない、という持論のもとに提出した作品がこちら。
反省点はせめて茄子と他の版くらい分けたら良かった、紙は全面刷るなら版よりデカい方が良い、の2点です。本当私は来年から真面目に横着的な行程を無意識にやらないよう見直しなさいという現実を目の当たりにし、他の方の作品を見て自分には丁寧さが足らないわと感じ、これが一年の締めくくり作品となりました。
さて、12月26日は待ちに待った開票日でした。
此度唐揚げはありませんが飲み物とお菓子に画面大きく見られるようにとiPadを準備、今回の発表の仕方はどうだろうと楽しみながら視聴。あれはなんでしょう不思議ですね、ホスト含め数人しか話していないのにまるで開場に皆でいるような雰囲気でした、あの空気感はとても好きです。
下位票とのボーダーライン、同票数のかたまり方、まさかの1位が2人という神がかった発表や作品と作者のギャップなど、台本があるの?!というくらいの結果でした。そしてやはり皆物作りに本気でくる猛者強者達です、どれも素晴らしい作品で題材や色、彫り方構図と感心とともに自分もこうしたかったと思うばかりでした。
私の結果は下位順位でしたがあの作品群を見たら納得するしかないです。いや本当に素晴らしかった。もしどこかでフォロワーさんが突然版画の画像を上げていた時に、この話を思い出して頂ければなるほどと膝打つはずです。
ところでよく考えてみると、一般人のスペースでコンテスト開催はともかく賞品が出るというのが凄いんですけど、どこかの企業なの?レベルの提供に驚きです。商品作品グッズに食品とバラエティ豊富すぎ、その中で私が釘付けになったのが美味しそうなタコしゃぶセット。
なんとそれはゼロ票のから選出、人数によっては抽選……こういう時私の人生振り返ると1票とか入って終わるパターンか抽選外れだなと、ガサゴソ抽選箱を探る音を聞いていましたが当たりの作品名が初夢と聞こえました。
「初夢」私の作品、夫と顔見合わせて両手上げ
ヤッターーーーー!タコしゃぶーー!!!!!
タイトルは「初夢」
富士は蝦夷富士(羊蹄山)かもしれないし主催者である友人がいつも撮影する利尻富士かもしれない。黄金の茄子をガッチリ掴んだ鷹が初日の出と共に海を行くイメージで彫りました。そして版画レベルは小学生から進化していませんでした笑
今年も記事を読んで下さった皆様ありがとうございます、来年も少しずつですが何かしら書けるように頑張ります。皆様が来年おめでたい初夢を見られて健やかに楽しく過ごせますように。
おしまい。