2016年のマイベスト
2016年のお出かけ記録を振り返って、マイベストを決めてみた。
◆ライブ部門
f(x) ファーストコンサート DIMENSION 4 - Docking Station in JAPAN @有明
見てこのサブカルホイホイ感。
SEVENTEENのファーストミニライブ@中野サンプラザの、初々しいながらもとても新人とは思えない手堅い驚きのステージとか、Perfumeのコズミック…の完成度の高いプロによるおもてなしとかも捨てがたく迷ったんだけど、でもやっぱり、本当に本当に単コンを待ち続けてきた、混じりっけなしのf(x)のファンと、奇跡のような美少女たちと、時間と空間を共有できたあの感動を、第一位に挙げたいと思いました。(※リンク先は旧ブログでのレポ)
物販開始から30分足らずでペンラ売り切れとか、ふっざけんなこちとら推しに貢ぐの何年待たされたと思ってんだ…!って感じで、運営への不満は多々ありますが、でも日本活動開始を予告してのファンミがチケット販売されてからの突然の中止、活動期真っ最中のソルリの脱退や事務所による後輩グループ推しという逆風、「もうダメなのか…」と何度も諦めかけた本格単独コンサートが日本で観られる。それだけでも幸せで、またステージがまた想像以上にハイクオリティだった。
デビューからこれまでの、「ああこれをライブでみたい、聴きたい」と思ってた曲ほぼ網羅してたし、踊りっぱなしのステージカッコよかった。姫たちのオーラ、機会があれば是非多くの方に体感して欲しいです。
◆演劇部門
文楽東京12月公演 仮名手本忠臣蔵
演劇部門は迷った…今年は正直、文句のある舞台はいろいろあったんだけど、もう完全に撃ち抜かれた…!っていうステージが浮かばないし、アングラとか小劇場演劇はもうダメなのかなーなんて少し悲観的にもなったりして。
RENTの20周年記念公演、あと妹背山娘庭訓の通しとで迷った上で、こちらにしました。フルマラソン走りきった感で、少し点が甘くなってるかも知れない。妹背山も妹背山で通しでみたのでフルマラソンでしたが、総上演時間は忠臣蔵のほうが長いですね。国立劇場で休憩時間に大劇場のトイレまで解放されるの初経験でした。
簑助さんのおかるを観られたのはほんとにラッキーだったし、直前にイベントに行ってたり部分的には以前観たこともある演目で、話や見所が頭に入ってた分、余裕をもって舞台を楽しめたのがよかったのかも。
ただ正直、今の文楽の人数や層でこの演目通しでやるのってかなりキツいのではないかと思う。まだまだ声がなぁ…と思う若手太夫さんも多かった。でも役や場が多くて、若い技芸員さんたちが出演するチャンスが増えることは大事だと思うんだ…人気の太夫や人形遣いに頼りきりだと層が薄くなっちゃうもの。
文楽鑑賞歴も足掛け4年目かな。観たことのある演目が増えてきて、ようやくお話の筋以外の部分を楽しむ余裕が出てきた。大阪遠征は大変だけど、とにかくお膝下でなかなかお客さんが入らないので今年も頑張って通います。ちなみに私の推し太夫は文字久太夫さん、千歳太夫さん。文楽の世界には若いイケメンもいっぱいいるのですが、推しはハゲのおじさんばっかです(笑)。
◆映画部門
新作「シン・ゴジラ」
再映「ある精肉店のはなし」
振り返ると年の前半に洋画をみて、後半に邦画をみるみたいな年になってました。
シンゴジと「この世界の片隅に」「永い言い訳」の三つ巴でものすごく悩んだんですが、「新世紀」の幕開けにふさわしい、旧作ファンから小学生まで楽しめるエンターテイメント作品をオタクが作り上げたことに敬意を表したい、という感じで庵野監督に軍配。
というのも、私は日本のオールド特撮(着ぐるみ、模型)の空気がわりと好きな特撮ファンで、その点では特ヲタとしての庵野監督への信頼感はあったんだけど、エヴァをテレビシリーズからみてきて、かつ「巨神兵東京にあらわる」を劇場でみてしまった人として、ストーリーテラーとしての庵野監督のことは完全になめてた、っていうか「やりたいことはあるけど言いたいことは特にない」人だとばかり思っていて、まあそれでもいいよ、こっちはハリウッド系じゃない特撮観たいだけんだから、そこをとことんやり尽くしてくれれば満足するよ、という大変な上から目線で劇場にいったのです。
そういうつもりで観にいってみて、終わってから「庵野監督ゴメン!なめててゴメン!あなたがこんな老若男女が楽しめるエンターテイメント作品を破綻させずに作れるなんて思ってなかった…!」ってなったんですよね。失礼だけどほんとに意外だった。
こんな風に満席の客席でゴジラみて、みんなが「面白かったー」って言いながら出て行くことが、こんなにも素晴らしい、幸せなことだとは。どうにもこうにも納得いかないハリウッド版でのフラストレーションが一気に吹っ飛んだ感じ。
間違いなく日本の特撮史に歴史を刻む作品で、これの公開時に劇場で観られたことはほんとに幸せだし、これをわけもわからず観た子供たちが30年後ぐらいにどんな作品を作ってるのかな、と思うとそれも楽しみ。
次点の「この世界…」もまた、アニメ映画史に名を残す名作だと思う。よほど一位にしようかと思ったんですが、原作漫画の素晴らしさに助けられてる部分が大きいので、そこを少し割り引きました。
「永い言い訳」はマンガ原作ばかりのこのご時世にオリジナル脚本で、しかも一作たりとも外すことのない西川美和監督の新作。モッくんという屈折した役者を使うことで相乗効果が生まれて、監督自身による原作小説とはまた少し色合いの違う作品に仕上がった。
パンフレットのおまけDVDも一つの作品としてものすごく興味深い。優しくサディスティックな監督と、「めんどくさい人」モッくんのやり取りには単なるメイキングにはない、ドキュメンタリー作品としての凄みがある。DVD化されるときには初回限定とかで収録されるのかなぁ。
是枝監督が近頃、ヌルくなったというか同じ役者を使って似たような作品ばかり撮ってる感じで安定はしてるけどピリッとしないのに比べると、明らかに独特の作風を持ちながら「それっぽさ」だけに終わらない西川監督はバケモンだなと思います、いい意味で。毎回新作が楽しみな監督が同時代にいてくれるの幸せ。
再映だけど入れずにはいられなかった「ある精肉店のはなし」が、実をいうと今年のマイベスト映画でした。こんなに満足したドキュメンタリーは久しぶり。
ちなみに、今年のワースト映画は「秘密THE TOP SECRET」がダントツ一位。何もかもが最悪だったが松坂桃李くんだけはよかった、という映画。近頃そういう邦画多すぎ。松坂桃李くんはダメな映画セイバーじゃないぞ…!
◆美術部門
豊島美術館
これはもう、文句なしの一位。ベネッセが金にあかせてアート開発した瀬戸内海の島にある美術館です。犬島の精錬所跡をみたくて計画した旅でしたが、ついでに寄る程度のつもりでいた豊島が思いの外よかった。
中でも、この豊島美術館のなんとも言えない方舟感は、ちょっと他の場所では味わえないと思う。半日でもいられると思った。船の時間があって、一時間足らずしか滞在できなかったのが残念。瀬戸内海はすごく気に入ったし、今年、できればひとり旅で行こうかなと思ってます。
美術館は悪くないんだけど、とにかく芋洗いで誘導もあまりよくない金沢21世紀美術館は、正直一度でいいかな…と思っちゃったんだけど、豊島美術館は一生の間に何度かものすごく行きたくなると思うし、病院じゃなくてここで死にたい、というレベルで好きです。
とりあえずこんな感じで選んでみたマイベスト作品。今年は来週の新春文楽鑑賞が新年最初のお出かけです。1年間、どんな作品に出会えるか、楽しみ♪
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