240707:遅ればせのフュリオサ
朝一番で都知事選の投票に行く。七時の段階ですでに暑い。殺人的。でもこの日が終わればあの恥ずかしさで死ねるゴミのようなポスター群がようやく燃えるゴミになるのだと思うと、なんだか清々しい。
暑いし週末だし表参道のギャラリーにキーファー見に行くのは諦め、映画「マッドマックス フュリオサ」を遅ればせながら観に行くことにする。この前、配信で胸糞映画「市子」(杉咲花は天才すぎたが)を見てぐったりし、「アンゼルム」ではせっかく高い3D観に行ったのに途中で何度か意識が飛んでしまったので、こういう時は、なんかよくわからなくても勢いのあるものを見たほうが良いのでは、と思って選んだ。
「怒りのデスロード」は終始疾走感がすごかったけど、「フュリオサ」はチャプターも分かれていて、えらくじっくりゆっくりやるのだな…と思いながら見た。割引券持ってたのでIMAXにしてよかった。こういうのは大画面で見る意味がある。意識もとばさず最後まで見た。劇場も駅近だったし、帰ってから疲れて寝込むということもなかったので良かった。
見ると「怒りのデスロード」再見したくなる映画なので、二本立てでやればいいのに…と思う。ユナイテッドのシネコンで見たけど、映画館はガラガラで「会議やイベント目的での映画館の貸切利用」に関するプロモーションをやってたりして少し寂しい。映画をどう見せるかにもっと力入れたらいいのにな…
同じシネコンでも、立川のシネマシティあたりは、ラインナップや音響で勝負し続けていて、そんなによい条件の新しい建物でもないけど、ある程度の固定客を掴んでいる感がある。大手チェーンは逆に独自企画を館ごとに立てるのが簡単じゃないという話もわかるんだけど、でもお客さん目線でいえば、映画館で会議やるよりは会議室でやると思うの…それより本業でなんとかすることを考えてほしいなぁ。大変なのはわかるんだけど。
映画の話に戻ると、フュリオサは、いろんな場面で何度も選択を誤っている。見ててもハラハラするほど何度も、自分だけが生き延びるためにはよくない方に向かう判断をする。なんども振り返り、迷い、舞い戻って傷つく。あんなに美しく能力があって、思いやりもリーダーシップもあるハイスペックな女性ですら、そうやってピンチや屈辱的な待遇をみずから引き寄せてしまう。だけど彼女は「希望の人」であり、諦めないんだよなぁ。
「怒りのデスロード」の中でもフュリオサは迷い、選び、間違い、失敗し、運にも裏切られ続けるけど、前に進むことはやめない。若い女の子たちを希望ある場所に連れて行こうとすることもやめない。マックスが「今の状況を生きのびることに特化した孤独な風来坊」であることに対して、フュリオサは「理想を掲げて今ある支配にあらがい、種を植えて耕し実りを他人に手渡す人」だ。だから私はマックスよりもフュリオサに憧れるんだろうな、と思う。
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