春が来る
日曜日、美容院に行って髪の色を少し品のいいマットなカラーに染める。エアコンを止めて入り口を開け放したカフェのカウンターで白身魚とブロッコリーのスパゲティ(ソースはビアンコ)を食べる。
隣町で旅行用の小さなドライヤーと、春のデニムのワイドパンツ、コットン100パーセントのトレーナー、インポートのウッドビーズのネックレスを買って、バスに乗って帰る途中、知り合って半年の友達からの電話がくる。
電話のあと、うっかりしていてバス停ひとつ乗り越してしまう。夕方の陽が傾きはじめる中を洋服やさんの紙袋を持ってぷらぷらと歩いていたら、小学校の裏門の道の角で、強い花の香りがして思わず立ち止まる。
特撮ヒーローから伝統芸能、鉄塔まで、いろんなものにハマってきたミーハーな私ですが植物には過去一度もハマれたことがなく、花の名前は見当もつかないけれどとても甘ったるい香りだった。春の匂いだなぁーと思った。春は風は強いし花粉や虫は飛ぶし、好きな季節ではないんだけど、春だなぁーと思った。
生きている間に、あと何回こんな風に新しい季節を迎えるのだろう?
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