先に行く人と会う
この1月の大阪行きの目的は、文楽以外にもあった。亡くなった父の友人で、幼稚園まで住んだ大阪では年頃が近かった娘さんともよく遊ばせてもらっていた古くからの知人がスキルス性の胃ガンで余命宣告を受け、今は自宅で療養中ということで、お見舞いに行ってきたのだ。
父が亡くなってから徐々にはじめた年賀状離脱がかなりうまく行きはじめて、今年は15通程度だった。代わりに、長く会ってない人と実際に会う、ということを目標にしようとしている。この歳になると20年も「今年は会いましょう」なんて書きながら会ってない人なんかがザラになってくるので、それを解消しようと思って。
父の葬儀以来に会うおじちゃまは、髪が真っ白になって一回り小柄に見えたけれど、幸いステント手術がうまくいって痛みもないというので、1時間ほど家族の写真を見せたりして楽しくお喋りしてきた。看病するおばちゃまも、わりとお元気そうでよかった。
もう少し若い頃だったらこんな風に会いにいって、小さい頃の思い出話ぐらいしかないのに話が続くものやら不安になったと思うんだけど、まあ行っちゃえばなんとかなるわと思えるようになったのが年の功かも知れない。
また次の文楽公演で大阪くるとき会いにくるから、それまできっとお元気でね、と話して別れた。もう無理ですよと笑っておられたけど、私は結構ちゃんと会えるつもりでいる。