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240710:この世界は優しいキミに優しくない

ヨルムンガンド」という古いアニメを見終わった。ついこの前までは「ブラック・ラグーン」を見てた。どちらと青年誌連載の漫画を原作とするガンアクションで、バンバン弾が飛び交いバンバン人が死ぬ。漫画は白黒だけどアニメなんか血まみれなので、ダメな人はもう徹底的にダメだと思う。

私は現実の暴力だと、例えばチンピラ同士がメンチきるような緊迫する気配だけでも「うわぁ!」って叫びたくなるぐらい嫌なんだけど、映画やアニメだと相当な暴力シーンでも見られる。たぶんある程度、乖離した状態で見てるんだと思う。思春期にベトナム戦争映画とか、エイリアンみたいな特撮系ホラー、キッチュなヨーロッパ映画とかハードSFも流行っていてあれこれ見漁っていたから、映像としてのグロには免疫があるのかも知れない。

でも最近「ブラックラグーン」「ヨルムンガンド」を連続して見ているのは、たぶん、これらのアニメに出てくる「めっぽう強い女」が見たいからなんだろうな…と思う。

ブラックラグーンで主人公ロックと行動を共にする二丁拳銃の殺し屋、レヴィ。ロシア系マフィアの女ボス、バラライカ。ヨルムンガンドで主人公の少年兵ヨナを傭兵にする若き武器商人のココ。この前見てきたフュリオサも入るかな。撃てば命中率高くて殺傷力あって頭もよくて、ピンチに動じず荒くれ男にも一目置かれる「よく切れる美しい刀」みたいな存在。

自分よりもずっとガタイのいい男たちを「できる限り逃げてみな、でねぇとブギーマンに食われるぞ」と言いながら二丁拳銃で追い詰めていくレヴィや、鼻持ちならない元KGBのエージェントを片手でねじ伏せ「弾にだけは当たらんよう、頭は低く生きていけ」と言い捨てるバラライカを「カッコいい…」とうっとりしながら繰り返し見てる。

現実世界の中では、私はどこを歩いててもなぜか道を聞かれるし(ふるってたのは、パリの街中でスーツケース転がして歩いている時に、フランス人のおばさんに道を聞かれたやつ。どっからどう見てもこちらは旅行者なのに、ポンピドーセンターの行き方かなんかを聞かれた)、たぶん舐められやすい

そして会社では「若い人には(自分はなぜダメなのかほんとはよくわかってないけど、今のご時世パワハラとかセクハラとかすぐ言われちゃうから)気を遣わなきゃいけないけど、そのぶんのストレスは、(どうせしぶといんだから)おばさんで発散していい」みたいな不文律があるような気がする。

リスクヘッジの提案を鼻で笑ったり根拠のない理由で採用せず、『それ、私が一年前に言ったじゃん…?』ってことを「やっぱりこうした方がよかった」とか初めて思いついたみたいに言い出す上司にも『だから言ったじゃないですか』とは言わずにニコニコ「ですよねー」とか言ってた。失敗から学んでくれればよい、プンスカしないで相手を立てる、それが大人の対応というものだろう、と。

でも本当は「カラシニコフを寄越せ、バカは皆殺しだとか言いたかったし、言うべきだったと思う。愛想笑いで自分の心を削っても、何の得にもならない。部下相手ならともかく、上司相手の「大人の対応」なんて、権力者にお得な呪いでしかない。こうやって二次元の強い女たちを見てるのも、必要なときに怒りを、舐められないオーラを表出するためのイメトレなんだろうなと思う。

【今日できたこと】
冬瓜を煮た。冷やすと美味しい。

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