ユーリ！!！on ICEみた。
今さらながら、Amazonプライムビデオに去年話題だったアニメ、ユーリ!!! on ICEがのってたので、一気見してしまった。スケヲタクラスタとBLクラスタが盛り上がってるのは知ってたけど、スケートあんまり詳しくないしなー、とか思って見てなかったのです。
結果、1日で全部みちゃった。面白かった。
一言で言えば尊かった。友情とも恋とも呼ばず「愛」と言い切ったところが尊かったなぁ。そして絶妙な寸止め感、素晴らしいなと思った。
第2期を、という声も多いようだけど、私はこの完成度のまま終わらせるのがベストだと思ったな。作るなら、せいぜいスピンオフで他の脇役選手の話とかでしょうか。あるいは一気に数年とばして次世代メインの話にしちゃうとか。勇利、ヴィクトル目線でこれ以上のストーリーは、もう必要ないんじゃないかと。
実在のスケーターをモデルにしたと言われる脇役含めた各キャラクターの造形も素晴らしかったし、もっとネチネチやろうと思えばいくらでも掘り下げたり引きのばしたり出来たと思うし、出来るとも思う。
でも、この全12回の疾走感、それが全てじゃないだろうか。なんだかスポーツそのものをみてるような清々しさがありました。
細部を省略しつつも、それが『確かに存在した』と思わせる物語の発展性こそ「もっとこの物語をみていたい」「好きだ」という人の思いを掻き立てるカギなんじゃないかな。そこを全部ギッチギチに埋めてしまったら、それで終わりになってしまう。そう思うと寸止め最強です。
トップ選手がいきなりコーチに…という一番最初の設定はぶっ飛んでてアニメ的だったけど、スケートみたいな個人競技って、コーチ変えて急に化けたみたいなの実際にもあるので、その後の展開については意外と腑に落ちる感じ。
フィギュアスケートというのが、20代前半でピークを迎えてしまい引退か現役続行かを迫られる、短い季節に全てを注ぎこむようなスポーツであることも、この清らかさを強調するんだろうなーとも思いました。スポ根嫌いな私でもグッとくるとこあったなー。
私はリアルではどっちかというと早熟天才系の浅田真央ちゃんやゆづ様より、鈴木明子ちゃんとか高橋大輔くんみたいな、表現力勝負で長く現役やった人たちが好きだったので、遅咲きエースの勇利くん好きになりやすかったのかも。
検索してみた感じでは、BLクラスタに受けていることに対する反感も多いようですが、そもそもBL愛好家という人種は男子が二人並んでるだけでなんでも好きな方面に妄想できちゃうんであって、ぶっちゃけネタはなんでもいいという人が大半という気がするし、この作品が特別にホモホモしいかというと言われるほどではないような気がする。
そう受け止めたい人には受け止められるような思わせぶりの一方で、『BL？何言ってんですか、あなたこれ見てそう思うの？』とシラを切り通せる逃げ道が十二分に用意されているのが上手いなと思った。何に萌え、または燃えるかを、うまい具合に視聴者に委ねているのだ。こういう作り方なら、どの方面のファンとも好みに応じて「イイよね」を共有できる。そういう意味でも寸止め最強である。
その上でなお「実在のスケーターをモデルにしながらゲイ的な表現をすることに嫌悪感を覚える、失礼だ」というホモフォビアなご意見には、正直「うっわ…」と思った。
モデルとされる選手自身による意思表示なら尊重されるべきだろうけど、赤の他人にすぎないあなた方は、その人たちのセクシュアリティについてどんだけ知ってるのか？という…（別に知らなくていいんだけど）。
子供もすぐに見られる動画サイトにエロ動画をあげるような輩はジャンル問わず自重しろと思いますが、アニメネタでの同人趣味妄想と、実在のスポーツ選手に対する「健全なスポーツ選手はヘテロ恋愛しかしないはず」という価値観の押し付けと、どっちが大衆として暴力的なのだろうと思う。他人に自重を求めるなら自分のそういうホモフォビア的な発言にも慎重になって欲しいのう…と思った。
ま、何はともあれ、いいアニメでした。解説まとめサイトのお陰で、テレビで大会とかみるときの「…で、どこが難しいの、何がすごいの、どうしてお手つきばっかしてる子が順位が上なの？」みたいな諸々の素人の疑問シリーズがいろいろ解消されたので、次にフィギュアスケート見るときはもっと楽しめそうです。
こんな風に並んで何かを見つめながら色んなものを超えて行ける仲間が持てたらいいよね。
エンディングの「輝きながら 君が教えてくれた」っていう歌詞はヴィクトル目線でもあり、仲間を知りライバルを知り、1人じゃないと知ったみんなの気持ちなんだなぁ。と最終滑走で思いました。
海外のスケーターの滑ってみた動画とかもあがってるので、そのうちほんとのプロによる犯行が見られたりして。個人的には宇野昌磨くんに南くんのフリー滑って欲しい。きっと可愛い。
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