松本清張氏『天才画の女』
銀座の画廊に売り込みに来た、新人女流画家。その斬新な手法と構成が有名コレクターの目に止まり、彼女は一躍人気画家に。でも、彼女の素性や制作過程は謎が多くて。
と、いうサスペンス小説。
実はこれ、子宮筋腫摘出手術で入院した際に病室のベッドで読んだのですが。
冒頭の数ページ読んで、「ヤバい、すごい」と語彙力の欠片もないことを、ベッドで寝転がりながら思いました。
画家と画商のやり取りとそれぞれが置かれている立場、画商の商算、美術評論家の欺瞞が、美術コレクターなるものの存在が、わかりやすく説明されているのです。
だから、その後の展開ド素人もついていけて、気が付けば引き込まれています。
入院前、私は和樂webで掲載された西洋画家小磯良平の原稿を、ひとまず書き上げました。写真借用や校正は退院後にしようと思って。
私が頭を抱えながら書いていた分野が、この作品ではすっきりとまとまっている。氏の知識の深さにただただ尊敬です。
ライターとしてもっと勉強が必要だと思いました。
サスペンスと書きましたが、殺人事件が起こるわけではないので、怖い話が苦手な方も読んでください。
↑シリーズにした、子宮筋腫摘出手術体験。入院中の話はこちらから。
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