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アラフィフに感慨深い『更級日記』
好きな作家紹介から、好きな本へ。
1回目は、いきなり平安時代の『更級日記』です(写真見切れた↓)。
先日和樂webで「平安日記文学まとめ」記事を書いたので。
古典文学、好きなんです。とはいえ、大学は国文学科ではなく歴史学科なので、専門領域ではありませんが。
2020年9月、購読している日本経済新聞でこんな記事がありました。
「更級日記 東国知る史料に」
作者の菅原孝標女は、国司(今の県知事)である父と一緒に東国(今の関東地方)で3年程暮らします。平安時代が、京が中心。東国の様子は分からないことが多いのですが、日記にから地名などを知ることができます。
これがきっかけで興味を持ったのですが、もう1つ。
作者が、日記を書き始めたのがアラフィフ。今の私と同世代。これも何かの縁と思い、読んでみることに。
『更級日記』でよく言われるのが「平凡な女性の人生」「侘しい晩年」「源氏物語オタク」
「人の人生勝手に言わんといて。失礼やろ!」と私は思いました。
実際読んでみると、「良いことも悪いことも受け止めて、自分の人生を客観的に見られる人」という印象を受けました。
当時のアラフィフは、人生の終焉期。だからこそ、来世に向けて人生を振り返る必要があるのです。
対して今のアラフィフは、人生これから。明るい未来のために、やっぱりここで人生振り返る必要があるのです。
そして悲しい終わり方なのは、夫と死別したから。作者も「可もなく不可もなく」の結婚と書いていますが、微笑ましいエピソードもあるし、死別の場面はとても切ないです。
一部を切り取って「侘しい人生」と言わんといて、という感じです。
そんなわけで、私には「これからの生き方」を考えさせられる作品です。
現代語訳がついているので、アラフィフには読んでいただきたいです。そんなに長くないし。