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世界遺産検定 2024年下半期の時事ニュースをまとめてみました

世界遺産検定マイスターの試験が近づいてきました。
マイスター試験の題材になりそうな話題や、1級までの時事問題で使われそうなニュースを取り上げてみましたので、「あれ?」と思ったニュースがあればググってくださいませ。
※かなり散文的なものですが悪しからず・・・


①入場料の二重価格

【概要】
 姫路城の入場料が市民・市民以外(外国人を含めて)によって異なる金額設定をするもの。旅行者が特定の観光地に集中し市民生活の質が低下するなどの問題を引き起こすオーバーツーリズムが問題視される中での取り組みで、海外でも一般的に行われる。
【マイスター試験に向けて】
 入場料が引き上げられる要因として、「修理に必要な資材・人員確保」などが挙げられる。ただ二重価格を設定するなら、高い金額を設定する「意味づけ」を旅行者に正しく伝える必要がある。
 例えば「多言語化対応するために、英語ガイドを行う民間人を登用する」とか「観光客によるごみ問題の対策のために、ゴミ箱の設置とゴミ収集を行う人たちの人件費を確保する」といった目的があり、その予算と観光客の人数から勘案して、二重価格を設定するといったアナウンスは必要である。
 また市民と市民以外、外国人と日本人と区別する場合に何で確認するかをあらかじめ決めておくべきである。たとえばマイナンバーや免許証などによる身分証の提示や、インターネットによる事前の予約の際の確認などを行うべきである。取り逃しや二重取りのようなミスが起きない仕組みを整備すべきかと思われる。
 世界遺産の価値向上と保護強化のための方策として、入場料の設定や二重価格の設定を行うことも提案に含められるのでは?観光税とともに議論されることとして、コストがかかりにくく、取りはぐりを生み出さないお金の取り方の議論が出てくるだろう。
 例えばベネチアや厳島神社のように、観光客のアクセス手段やルートが限定的であれば限られた場所にゲートを作ればよいが、街全体でオーバーツーリズム対策を行う場合、ホテルやレストランでどのような税金を設定するのかという課題も出てくる。持続可能な観光のための税金や入場料の設定については一度考えて見るのもよいだろう。以下に参考になりそうな話題を挙げておく。

(日本交通公社の観光税に関する論文)
https://jtb.or.jp/wp-content/uploads/2014/12/report2006_2-1.pdf

(宮島訪問税の設定経緯となる原因者課税の論文)https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/uploaded/attachment/72244.pdf


②外来種対策

【概要】
 アマミノクロウサギの天敵であるマングースが奄美大島に持ち込まれたことで駆除を行っていたが、根絶宣言が出されている。
 マングースは毒蛇・ハブの天敵として持ち込まれていたが、アマミノクロウサギなどの在来種や農畜産物に被害を及ぼしていたため2000年から駆除が開始した。
 ちなみに日本でも駆除対策の取り組みが行われているところがある。
(小笠原諸島におけるグリーンアノール)https://www.env.go.jp/content/900492894.pdf

【世界遺産検定の時事問題では】
 時事問題でこうした取り組みを行っている出題があるかもしれないので、地域と駆除対象の動物、在来種の動物などは整理しておこう。(特に日本の自然遺産を中心に)
【マイスター試験に向けて】
 在来種の保護の必要性は自然遺産のOUVに大きく影響を与える(特に登録基準(ix)生物の生態系や進化を示す見本 で認められている世界遺産は特に)そのための取り組みは見ておくべきである。
 一方でオーバーツーリズムなどで旅行者の靴から外来種が持ち込まれる事例があるので、駆除対策を行う前の水際対策に注視すべきである。

 生態系を保護することや文化財を保全すること等、世界遺産の持つ価値を維持するためには住民やNGOなどの民間の力が重要である。そのためにどのような仕組みや体制を作ればよいか?ということはマイスター試験の意見で書けるようにしておきたい。一方で、世界遺産の観光地化の負の側面として外来種問題のトピックを引用することも可能であるので参考事案として書けるようにしておいてもよいと思う。
 参考として、NHKで外来種問題に取り組むレポートを取り上げているので読んでみるとよい。

③世界遺産の新規登録の動き

【概要】
 2026年のユネスコ総会に向けて「飛鳥・藤原の宮都」の登録を進めようとしているもの。登録基準は(ii)と(iii)が想定される。来年の1月末までに推薦書を提出し、最短でも2026年の第48回世界遺産委員会で登録可否が決まる予定である。

他にも10月に暫定リスト入りしている彦根城について、諮問機関のイコモスが文化遺産への登録の可能性があると声明を出している。これはプレリミナリーアセスメントを受けた内容で、彦根城が登録されるかは今後の世界遺産委員会の動きを注視する必要がありそうだ。

【世界遺産検定の時事問題では】
 暫定リストに含まれている物件は一読しておくべきである。

【マイスター試験に向けて】
 同様に世界遺産の登録を目指していた「彦根城」はプレリミナリー・アセスメントによる推薦・登録の予定でだったが、「飛鳥・藤原の宮都」はこうした手続きを経ずに登録を進める。こうした世界遺産の登録への動きの違いは今後の動きを見ていくうえで重要かもしれない。
他にも暫定リスト・世界遺産登録に向けた物件についてはヒトネタ用意しておいてもいいかもしれない。こうした内容については過去にも問題で書いているのでこちらもチェックしてみてください。↓↓↓

最後に

公開会場での試験が近づいております。あと少しです!皆様の目標達成に少しでもお役に立つ記事となれば幸いです。皆様の健闘を祈ります。

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