破棄された宇宙ステーションに住む人々
『カウボーイビバップ』をご存じですか?
1998年に放送された日本のSFアニメで、スタイリッシュな映像とジャズが特徴の作品です。2001年には劇場版も公開され、今なお世界中にファンを持つ名作です。
好きなエピソードの一つにSession #14「ボヘミアン・ラプソディ」があります。この話には、破棄された宇宙ステーションに流れ者たちが集まり、社会から取り残された人々が生きる姿が描かれていました。25分ほどの短い話ですが、良い映画を観たような満足感を得られます。
無法地帯での共存
その宇宙ステーションでは空気が存在し、犬や猫が無重力の空間を漂う様子が見られます。法や秩序はなく、警察も税金もありませんが、人々はリサイクルされた物資や技術を活用しながら自給自足で生活しています。
エネルギー源についての詳細は明らかにされていませんが、何らかの高度な技術が生活を支えていると考えられます。また、農業スペースで野菜が育てられるなど、生活基盤を支える取り組みも存在しているのかもしれません。この環境の中、人々は余裕を持ちながら自由を謳歌しています。
自由の代償
このステーションでは、他人から干渉されることなく好きなように生きられる一方で、法や秩序がないため、自由の重さがそのまま責任の重さとしてのしかかります。人々はお互いを尊重し、助け合いながらも適度な距離を保つことで平和を維持しています。ここでは、自由が単なる放任ではなく、自己管理を伴うものとして機能しているのです。
進化としての理想郷
完全な自由と安全が共存する社会は、理想として描かれることが多いですが、それが現実に成立するには人間の本質が変化する必要があるのかもしれません。この変化は、人類種そのものの「進化」と言えるのではないでしょうか。より良い共存を目指す意識の成熟が、その「進化」を象徴するのかもしれません。
法も規範もないのに争いが起きない世界。それは人類が到達するべき目標なのか、それとも遠い夢物語のままなのでしょうか?