![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/121041932/rectangle_large_type_2_749dbcb9deca96ef4079bb0b3a2f3b49.jpeg?width=1200)
【J‐TREC出場】【JR東日本】E235系1000番台グリーン車(F-31編成) J-TREC横浜事業所出場 2023年10月3日
・中央快速線グリーン車に続き横須賀・総武快速線グリーン車も出場
10月3日未明、横須賀・総武快速線E235系グリーン車がJ-TREC横浜事業所を出場しました。
2023年6月27日以来の出場。
※前回の出場は以下のリンクよりご覧いただけます。
従来通り、同新津事業所まで甲種輸送され、新津で製造された普通車と繋ぎ所属先へ配給輸送される模様です。
なお、1編成のみの出場は2020年4月21日のF-01編成以来、約3年半振りとなる模様です。
・出場時
![](https://assets.st-note.com/img/1699331846779-sguxPlldCW.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1699331928776-eG79QEfd1G.jpg?width=1200)
完全に光の関係で隠れてしまっているが、検査表記は2023年11月と表記されている。
・甲種輸送
![](https://assets.st-note.com/img/1699332143349-KvL7URufzE.jpg?width=1200)
2両編成のグリーン車が通過する。
・甲種輸送時のちょっとした変化
2023年3月ダイヤ改正において、根岸線内の時刻パターンが少々変更になった関係で同線区を走る甲種輸送に少し変化が発生しております。
ダイヤ改正前までは影響なかった甲種輸送の時間ですが、ダイヤ改正後旅客列車と時刻が被ることが分かりました。
さて、通常であれば旅客列車を優先し、貨物列車等は後回しにされる傾向がありますが、複数路線に跨る場合、他路線の旅客列車に迷惑が掛かる可能性が高くなる故に貨物列車等の時刻を移動させるのは容易ではありません。
そして、閉塞区間(※)における信号システムも車両内の信号を採用している旅客列車と地上の信号機を採用している貨物列車が同じ線路を走る根岸線は日本の鉄道路線において特殊な事情を抱えている路線である為に、閉塞間隔に余裕を持たせているのが現状であり、同一線路で走る速度差のある列車間隔を詰める運転体系を採用するのは難しい所でもあります。
※列車同士の正面衝突や追突事故を防ぐため、線路を一定区間に区切り、区切られた区間に2列車以上進入させないようにして安全を確保する方法。
多くの日本の鉄道は信号機を使用した自動閉塞式が主流であるが、新幹線の様な高速で信号機の視認が困難な場合や地下等で地上信号機の設置が困難な場合は、車両に信号を表示して運転する方法もある。
近年はGPSを利用して各列車の位置情報を把握しながら列車の間隔を都度調整出来る移動閉塞式も一部の路線で採用されている。
ダイヤ改正後、根岸線内での時刻の重複が発生した甲種輸送。
旅客列車又は甲種輸送のどちらかを優先しなければなりませんが、どちらの列車を優先したのでしょうか?
答えは…
甲種輸送を優先した。
まさかの甲種輸送を優先し旅客列車の時刻を一部変更する事で時刻重複の課題を解決することになりました。
京浜東北・根岸線の旅客列車は原則他路線を跨ぐ場面はなく独立している路線ですが、逗子駅を出発した甲種輸送は横須賀線・根岸線・高島線・東海道貨物線と複数路線を跨ぐ形で走ります。
そして、根岸線以外の横須賀線及び東海道貨物線は貨物列車だけでなく、相鉄・JR直通線を含む各線の旅客列車が走っております。
この様な理由により、どちらが迷惑を掛けるリスクが低いのかと考えると、前者の方が低いと判断したと思われます。
![](https://assets.st-note.com/img/1697016494467-WEfhfaZaq3.jpg?width=1200)
根岸線はATOS導入線区である為、時刻が状況に応じて変えることが出来る。
所定の下段の快速大宮行きは14:14である。
この為に、甲種輸送の後続列車は通常の時刻より数分繰り下げた時刻で走ることになりました。※入場時の甲種輸送に時刻の変更はありません。
時刻が変わる為に今日が甲種輸送かなと容易に判断できる様になりましたが、列車間隔が広がり待ち時間の増加に繋がりますが、この状況が改善されるのは最短でも次のダイヤ改正後かと思われます。
・Y_TREport 再びスローペースの製造となる可能性が高くなった横須賀・総武快速線用グリーン車
今年度は比較的高頻度で出場していた横須賀・総武快速線用グリーン車ですが、今回の出場状況により再びスローペースとなる公算が高くなってきました。
今回のY_TREportでは再びスローペースの公算が高くなった理由を考察してみます。
・過去にも発生したグリーン車出場がピタッと止まっていた時期
2020年4月21未明、初めて横須賀・総武快速線用E235系グリーン車が工場を出場しました。
その後は2編成及び3編成同時に出場し、従来車のE217系の置き換えに拍車が掛かると思われました。
しかし、2022年4月20日の出場を最後に約1年間出場機会が無かった時期がありました。
何故、出場機会が無かったのか以下の点が考えられます。
他線区向けの車両の置換急務による新津事業所のキャパオーバー
出場機会の無かった空白の1年間。
横須賀•総武快速線用E235系、グリーン車は横浜事業所で製造されますが、普通車は新津事業所で製造されます。
しかし、この頃の新津事業所では他線区向けの新型車両の製造が急務となっておりました。
その路線というのが…
相模線と宇都宮・日光線
この2つの路線は205系という車両が走っていました。
相模線が電化開業時に登場した500番台、宇都宮・日光線は京葉線及び埼京線から転属した600番台が活躍していました。
![](https://assets.st-note.com/img/1697278872432-UAikwgTrOu.jpg?width=1200)
同線の電化開業時から活躍した車両であり、営業運転終了後もイベント時に活用されていたが、2023年2月に最後の編成が解体場へ運ばれた。
![](https://assets.st-note.com/img/1697278583113-5qmVt7LKLr.jpg?width=1200)
営業運転終了後は休車扱いとなりイベント等に使用されたが、2023年3月に最後の編成が解体場へ運ばれた。
こちらは京葉線全線開業時に登場した205系を宇都宮・日光線用に改造した車両である。
一部編成は画像の様に観光列車となった。
通勤電車の観光列車化は青梅・五日市線用201系「四季彩」に続いて2例目となる。
しかし、どちらの車両も製造から30年以上が経っており、更新時期と重なっていたと同時に両線のワンマン運転が計画されていました。
JR東日本は、この2路線の車両更新を同時期に行うことを発表。
両線の新型車両を一気に製造することになりました。
ここで疑問に思うことが一つあります。
一気に置き換えなくても良いのでは?
地方私鉄の新造車両は、数年掛け車両更新を行う場面を多く見かけます。
資金力の都合もありますが、一気に置き換える理由があります。
それは…
検査期限の統一
相模線や日光線は東海道線や横須賀線等に長い距離を走る路線とは異なり、比較的短距離を走る路線となります。それ故に高頻度の間隔で走る路線ではない為、所有する車両の編成も必然的に少なくなります。
鉄道車両は自動車同様に新造後は定期的に検査を受けなければなりません。
特に約4年毎検査は大きな工場にて各箇所の部品を細かくチェックします。
独自に車両工場がある小さな地方私鉄であれば大きな影響はありませんが、様々な線区の車両を検査するJR東日本の工場は所有編成が少ない車両はとある時期に集中して検査をした方が作業員の負担を減らせるだけでなく管理も容易になります。
特にJR東日本では編成数が少ない車両はある時期に来ると一斉に検査している傾向が強い様です。
これらの理由により、新津では相模線及び宇都宮・日光線の新型車両製造を集中して行ったものと思われます。
恐らく、E217系より205系の方がこれ以上走らせることも難しい状態であったと同時に、ワンマン運転をいち早く行いたかったという思惑もあるものと思われます。
この様な理由によりE235系の製造が一旦ストップ。
2路線の車両更新が落ち着いた2023年3月以降再び製造が再開されました。
・再び製造がストップとなる可能性が高くなる理由を考察
2020年4月21日以来、1編成のみの出場となった今回、再びストップの予兆が至る所で見えてきましたので今回はこの考察をしてみようと思います。
・考察その①:中央快速線グリーン車の製造
現在、横須賀・総武快速線用グリーン車と並行して製造されているのが2024年度末営業開始予定である中央快速線用グリーン車。
全57編成の導入が予定されている中、2023年9月末現在で出場しているのは4編成のみ。
過去記事でも述べた通り、現在二階建てグリーン車を製造できる工場は、この横浜事業所と兵庫県にある川崎車両の2ヶ所のみとなります。
営業開始までの約1年半の間に53編成の登場しなければならず、急ピッチで製造が行われている状況です。
この為に、横須賀・総武快速線用グリーン車の製造が一時的ストップ状態になると考えられます。
・考察その②:鶴見線用新型車両を最優先に製造する新津事業所
最初の考察は横浜事業所内での考察ですが、今回は新津事業所内の考察。
前述した通り、現在E235系の普通車は全車両新津事業所にて製造されています。
しかし、その新津に2年前同様に新たな車両を早急に製造しなければならない状況が発生しました。
鶴見線E131系の登場
2023年7月下旬、鶴見線に新型車両E131系が導入されると発表されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1699332588788-AHPQZsU1et.jpg?width=1200)
相模線及び日光•宇都宮線同様、E131系が製造されているのは全車両新津事業所での製造となります。
鶴見線は鶴見駅から扇町駅へ向かう本線。
途中の浅野駅から海が間近に見え、関係者以外は出口に出ることが出来ない駅として有名な海芝浦駅(駅前の公園は誰でも出入り可能)へ向かう海芝浦支線。
安善駅から武蔵白石駅の横を通り大川駅へ向かうが、朝と夕方ラッシュしか走らない大川支線という路線がありますが。
3路線全て合わせても9.7kmの小さな路線であるために、車両導入も前述した通り検査期限を統一するため一斉導入が予想されます。
したがって、2年前同様に鶴見線用新型車両の製造を最優先するために横須賀•総武快速線用の新型車両の製造が一旦ストップするのではないかと考えられます。
現に鶴見線用新型車両は、10月3日第一編成が新津事業所を出場。
試運転を行い新潟車両センターへ入庫後の10月5日、新潟車両センターから国府津車両センターへ配給輸送されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1699332343283-Lemk5RHILH.jpg?width=1200)
鶴見線の世代交代もここ半年の間で急速に進む模様である。
現在は営業運転に向けての調整がされている中、着々と新津事業所を出場している鶴見線用E131系。
全8編成が予定されている同系の半分が完成し試運転に向けての準備が行われている模様です。
![](https://assets.st-note.com/img/1699332492357-We8wEVT7jC.jpg?width=1200)
施行日によって牽引機関車が変わる様だ。
この理由により、今回のグリーン車出場が1編成のみであり、今後のグリーン車出場が一時的にストップすると考察されます。
ただし、これも一時的な措置であること、鶴見線用の新造車の編成数が少ないことから、2023年11月頃~2024年初め頃にかけて再びグリーン車の出場が再開されると筆者は予想しています。
2度も他線区の新型車両製造を最優先にされ、翻弄されている横須賀•総武快速線用の新型車両ですが、30編成を越えていることから年明けから来年度に掛けて従来車のE217系の置換えもラストスパートに差し掛かるものと思われます。
いいなと思ったら応援しよう!
![Y_TREport](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49586560/profile_d0ea888f72e0876779097b9a0eddb7d8.jpg?width=600&crop=1:1,smart)