轟く
さっきまで晴れていた空が稲光りを放ち、あり得ないほど雨が降っている。
いま、友人のイベントにおじゃましながら書いている。
外は雨。それも普通の雨ではなく豪雨だ。
今日のイベントは物販があったり、フードやドリンクを楽しんだりもできて、さらにアーティストライブもある。
ものすごい雨と雷の轟音の中、歌を歌っているのは愉快な気持ちになる。
私も去年から楽曲配信を始めて、音楽家としての活動をスタートした。とはいえどこかの事務所に所属してるわけでもなければ、ライブをしてるわけでもないから、なんだか気持ち半ばと言ったところだ。
自分では「音楽家」と名乗り始めてはいるが、お金が発生してるのは会社員として働いているSESの業務だし、周りから見ればただの会社員だ。
ここから抜け出すには売れるしかない。
世の中にある膨大な音楽の中には、私の耳に届かない曲もある。そのままでは周りから「音楽家」と言われることはないだろう。
“自他共に認める音楽家にならなければな”
と思いながら、雨に打たれた窓ガラスを内側から眺めて、酸味のあるコーヒーを飲んだ。