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ただ

私は嘘が嫌いだ。でも自分に嘘をつき続けている。

1年前に曲をリリースした。誰にも聞いてもらえないかもしれない。何もない壁にただ打ちつけてるような、切なくて辛くて行く宛のない感情が彷徨っていた。

数ヶ月経つとその曲は凄く狭く広がり、そんな聞く人が少ない中でも、少しだけ嬉しい気持ちなれた。

そんな出来事もあり、今回作る曲は自分の中でも間違いなく大切なものになると思い、「絶対いい曲にするぞ!」と意気込んで7月から作り始めた。音も歌詞も悩んで悩んで悩み抜いて、やっと出来上がり、やっとレコーディングをした。

曲を作ってる中でも、今お金をもらってる別の仕事は続いていた。その仕事は始めて6年にもなる。でもダメダメだ。精一杯やってるつもりなのに、自分の「社会人として」の出来の悪さに毎日嫌気がさす。

よくよく考えてみれば小さなの頃から周りと足を揃えるのが苦手で、周りと違うことをしようしたり、言おうとすることで、悪目立ちしたり嫌われたりすることばかりだった。自分は意地悪してやろうとしてるわけではないのに、意図が誤って伝わることが多かった。今もそうである。

小学生の頃に「サラリーマンになる」という夢を書くあたり、斜に構えていたのがまるわかりだ。「野球選手になる」と書くより痛い話だ。

自分は「周りから普通と思われる存在」になりたかったんだと思う。小学生のときから既に普通じゃないと思っていたのかもしれない。ここでいう普通は「多数派」のことである。この世に普通なんてないと大人になってから思うようにはなった。

自分の中で普通の定義が変わってからは「サラリーマンなんて普通じゃない」と思うようになった。私の中にある普通は「好きなことをやって生きていくこと」だ。社会に出てから「好きなことだけやっては生きていけない」と散々言われた。そんなのおかしい。

俺は好きなことやって生きていく。好きなことならば、嫌なことも乗り越えていけるから。

ただそう思いながら、曲のリリース準備を進めている。

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