夏目漱石の「個人主義」と「功利主義」を人権の観点から分析・考察する
―はじめに― キリスト教の「聖書」には、現代の人権思想の起源の多くを見出すことができます。後述します通り人権には四つの本質がありますが、このうちに「個人の権利(個人主義)」の本質が含まれます。その個人主義に対立するのが「全体主義」です。本記事では、夏目漱石の個人主義的思考と功利主義の関連から両者を人権の観点から考察してみます。少し長いですがお付き合いください⛰
1.夏目漱石の個人主義とは…? まず、夏目は、大学卒業後に英語教師として働き、英国に留学するまでの自らの経験から、