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パートナービザ(永住権)申請時に用意したもの【オーストラリアのビザの話12】

オーストラリアでパートナービザ(一時滞在ビザ、永住ビザ)の取得にまつわる経緯や手続きについて書いてきたが、パンデミックやら何やらで時間が取れず事の顛末までたどり着いていなかった。2021年の話なので少し前のことになるが、せっかくなので永住ビザ申請手続きで提出した書類や、その時の悲喜こもごもを記しておこうと思う。事務作業が苦手な自分でも、周りに助けられながらどうにかこうにか永住ビザ申請まで漕ぎ着けることができた。


永住ビザ申請は2021年

2019年にパートナービザの第1ステージである「一時滞在ビザ(サブクラス820)を申請、その後、2021年に第2ステージである「永住ビザ(サブクラス801)」を申請した。この第2ステージ後にビザが発給されれば、パートナービザ取得は完了といえる。今回の話は、その「永住ビザ申請」の部分について。

なお、僕が申請したのは「Partner visa (Permanent)」というビザのうち、「Subclass 801」という種類のビザだ。この801ビザは、第1ステージである820ビザの「申請日から2年後」にやっと申請資格が得られるというもの(820ビザの「発給から2年後」ではない)。

ビザの手続きを少しでも早く済ませ、少しでも早く面倒な事務作業や不安から解放されたかったので、820ビザが発給されていた僕はぴったり2年後に801ビザを申請した。そのために、数カ月前から準備を進めておいた。

再び、提出書類が多い…

801ビザ申請に関する最新の公式情報は移民局のウェブサイトを参照してほしいが、僕の場合は次のような書類を用意した。提出方法は全てデジタルで、上のサイトが示す要請に従ってそれぞれの書類を揃えるに至った。

  • 事実婚の証明書(Registered relationship certificate)

  • オーストラリアの自動車免許証

  • パスポート

  • 宣誓供述書(Statutory Declarations)×2人分

  • パートナーによる宣誓供述書(Statutory Declarations)

  • 年金(スーパーアニュエーション)の受取人証明

  • 共同名義の銀行口座の明細

  • 不動産の契約書(連名契約)

  • 賃貸物件の支払い履歴(lease ledger)

  • 公共料金のインボイス(連名契約)

  • 民間保険(ファミリープラン)のステートメント

いわゆる書類以外だと、次のようなものを提出用に用意した。

  • 2人が一緒に写っている写真(前回のビザ申請〜今回までの期間のもの)

  • 旅行の航空券・宿代の領収書

  • 連名宛のEメール

  • 日常的なやりとりの記録(英語でのメッセンジャーのやり取り)

  • 互いに送ったクリスマスや誕生日のカード

  • 家財購入のインボイス(連名宛、共同口座からの支払い)

ちなみに、第1ステージの820ビザ申請の際に提出した書類については以前別の投稿で書いた。

上の投稿で書いたものと、今回の801ビザ申請のために用意した書類はほとんど似通っている。「また同じものを用意するのか…」という気持ちもありつつ、全て最新の書類を用意した。事実婚の証明書やパスポートなど、前回と内容が全く変わっていないもの・更新がなかったものについても、念のため再度提出した。

コロナ禍で…前回の申請との相違点

前回の820ビザ申請の時と違って、801ビザ申請前はコロナ禍。それもあって、「同じ種類の書類」とはいっても全く同じように準備が進んだわけではなかった。

旅行の記録、2人で写った写真

「旅行の記録」や「2人で写っている写真」については今回のほうがやっかいだった。というのも、対象期間がまさにパンデミックの最中で、申し込んでいた旅行はキャンセルとなり、ロックダウンが厳格だった時期は家庭から1人しか買い物に行けないなどの制約があったからだ。そこで、旅行のキャンセルを証明するメールや、家で2人で過ごしている写真などを提出することにした。

2人が「共通の友達」を持つ証明

パートナービザ申請に求められる「証拠」の中には、「2人が共通の友達を持つ証明」などもある。前回は僕ら2人宛のパーティーの招待メールや、友人宅でのBBQの様子を撮った写真などを提出した。しかしコロナ禍にそんなものは皆無で、とりあえずの措置として「パンデミックが落ち着いたら一緒に食事を」と友達と約束をしたメールなどを証拠の品とした。

宣誓供述書(Statutory Declarations)

友人など身近な2人に書いてもらう宣誓供述書(Statutory Declarations)は前回もやったもので、再び書いてもらうのは気が引けた。しかし前回と同一の書類を提出してOKという記載は見当たらなかったため、友人に頼んでもう一度書いてもらった。これはコロナ禍とは関係がないが、色々考えて書かなければいけない内容なので、正直結構な手間がかかる。快く引き受けてくれた友人には本当に感謝しかない。

日常的なやりとりの記録

前回は、2人のコミュニケーションの記録として、日本語でのやり取りをNAATI翻訳者という専門家に依頼して英語にしたものを提出した。

翻訳を依頼するとコストがかかることを学んだので、今回は日頃から英語でやり取りをして、それをそのまま提出できるようにしておいた。たいていのメッセージアプリにはパソコンでデータをダウンロードできる機能が付いているので、ダウンロードしたファイルがそのまま提出書類になった。
なお、Facebookメッセンジャーのやりとりの履歴の書き出し(エクスポート)の方法は以下の投稿にまとめた。

2人の関係を証明する記述

提出書類という形ではないが、801ビザ申請フォームの中には次のような質問項目がある。

  1. Give details of the financial aspects of the relationship.(経済事情)

  2. Give details of the nature of the household.(家庭内の状況)

  3. Give details of the social aspects of the relationship.(社会的な出来事)

  4. Give details of the nature of the commitment the applicant and the sponsor have to each other.(コミットメント、関わり方)

この4つの質問は前回の820ビザ申請の際にも登場したもので、以下の投稿に詳しく書いた。

前回と全く同じ回答になるとは考えにくい質問項目なので、前回のビザ申請時と比較してこれら4つの状況がどう変わったか・変わらなかったかをしっかり説明すればいいだろうと解釈した(あくまで僕の個人的な解釈)。

前回のビザ申請フォームに書いた内容は後からでも確認でき、それをベースに必要な点を加筆・修正したという感じだ。特に意識して書いたのは次のような部分。

  • パンデミックで変化したライフスタイルに2人で対応してきたこと

  • 健康や社会情勢について2人が共通した価値観を持っていると確認できたこと

  • 2人の仕事の状況の変化に合わせて家計の見直しをしたこと

  • 前回のビザ申請後も、2人が良い関係を続けていること

いずれも、抽象的ではなく具体的に書くよう気をつけた。例えば、「家で過ごす時間が多くなり、2人で一緒にキッチンに立つようになった。生地から作るピザや2時間かかるカレー、ブラウニーにフルーツタルトなど、料理のレパートリーが増えた」といったイメージだ。2人が出す家計費の割合や金額、月々の貯金額、将来の計画なども正直に書いた。

いざ、申請

801ビザの申請手続きをする日は決めてあったので、書類や記述などの準備はおよそ2カ月前から始めた。それ以前から写真は意識的に撮りためておくようにしていて、提出用にまとめる作業はこの2カ月の間にやった。友人に宣誓供述書を書いてもらうお願いをしたり、年金の受取人の証明書を更新したりと、やることはそれなりにあったが第1ステージの820ビザの時に比べたら大したことはない。

さらに嬉しいのは、第2ステージの801ビザは申請料金が無料ということ。厳密には第1ステージ(820ビザ申請)の時にまとめて払っているだけで、7800ドルもかかったことを思えば当たり前かもしれない。今回はNATTI翻訳が必要なもの(英語以外のEメールなど)もないように気をつけていたので、手数料や翻訳依頼の手間は発生しなかった。オーストラリアのパートナービザの申請は、特に初期段階で大いにお金がかかる、と言ってもいいかもしれない。

その「初期段階」でかかったお金・時間の話は以下の投稿にまとめてある。


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