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【印刷 #5】オフセット印刷って何?

私 「あ、これ。オフセットで印刷した方がいいですねぇ。」
客 「え?」

いきなり専門用語を使うのが、私の悪いクセである。

印刷物は、製造物の大原則『たくさん作れば安くなる』に則っています。
一般ユーザーがプリントする枚数は10~30枚程度。本なら1~3冊。
こういった物は、オンデマンド印刷(※後述)で取り扱います。

一方、商店やビジネスユーザーの印刷は「広告宣伝」が主な目的。
チラシなら200~2,000枚、パンフレット等は10~100冊と膨れ上がります。
これらは、オフセット印刷で行えば断然費用が安くなります。

それでは、両者の特徴を整理して見ましょう。

■オフセット印刷

ほとんど凹凸がない版に、油と水が反発する特性を利用して絵柄部分のみにインキをのせて印刷する方式です。

まず印刷の際に、一度ゴム胴にインキを転写します。
このことを「オフ」といいます。
そして、そのオフされたインキを材料に転写します。
このことを「セット」といいます。

よって、この印刷方式を「オフセット印刷」と呼びます。
オフセット印刷は「」から直接印刷しない為、1,000部を超える部数であっても高い品質のまま安定して印刷ができます。

オフセット印刷

■オンデマンド印刷

オンデマンド(On Demand)印刷とは、「要求があり次第」迅速に印刷する、注文印刷のことです。オフセットでは「版」を作る必要があるので印刷に時間が掛かりますが、オンデマンドはデジタル印刷機を用いるため、少部数・短納期の印刷が可能となります。
大まかな種類として、レーザー光線でトナーを吹き付ける「レーザー方式」と、インクに圧力や熱を加えて紙に吹き付ける「インクジェット方式」があります。

オンデマンド印刷

■印刷方式の使い分け

・オンデマンド印刷
 一般名刺、POP、ポスター、事務書類、少部数のパンフレット、など
・オフセット印刷
 高級名刺、折り込みチラシ、写真集、大部数の雑誌、など

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■その他

ご参考までに、その他の印刷方式を紹介します。
キコ キコ ...

印刷方式

凸版印刷(活版印刷・フレキソ印刷)
凹凸の凸部分にインキをつけて材料に直接印刷を行います。
ハンコや版画と同じ原理です。
例)名刺、新聞雑誌、段ボール、など

凹版印刷(グラビア印刷)
凹凸の凹部分にインクを流し込んで直接印刷します。
インクに光沢があり高度な表現もできることから、有価証券やフィルムにも印刷可能。
例)写真集、美術書、紙幣、など

平版印刷(オフセット印刷)
凹凸のない版からインクを一旦ゴムのブラケットに転写し、そこから紙に刷る方法。
例)チラシ、雑誌、包装紙、など

孔版印刷(スクリーン印刷)
版に開けたインキが通る孔(あな)に、通過したインキを材料に直接印刷する方式。
例)Tシャツ、ステッカー、プリント回路、など

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