0.はじめに
以前、一年間様々な出来事をまとめた記録を
『マイナスからプラスに』という題名にして私家版にしました。
こちらの資料を読んだ峯岸昌弘さん(群馬・小学校)から、
書評をいただいたので、この書評をもとに、
私のつぶやきも交えながら紹介をさせていただきます。
(書評を書いてくださった峯岸さんには掲載許可をもらっています。また今回noteに掲載するにあたり、中村が一部編集を行っています)
1.峯岸さんの書評より
●今までの本とは違ったおもむき
この本は,一年間で起こった様々な出来事をまとめたものです。
表現方法は,「出来事を文章の形で残す」というよりも,1ページにオチがつくようなマンガ資料を基本として,それらを集めた形で本になっています。
これは文さん独自の表現方法で,
これまでにも,いろいろなマンガ資料をまとめていますが,
いままでの本とは少し違ったおもむきが,この本にはあります。
それは,今回に限り,
ハッキリと〈年間のストーリー〉があるということが特徴でしょう。
基本的に文さんのマンガ資料は,
そのときに起きたステキな出来事を,読者にストレートに伝えるために編み出した,新しい〈資料の表現手法〉です。
それは,「その時々に起こることを切り取って見せること」だったと思うのですが,今回の資料には,1年間で描きためたものが1冊にまとまっているため,その特性はそのままにして,1年間の流れが見事に見て取れるよさがあります。
ですから,読者はすごく感情移入でき,
その後に起こる様々なトラブルに対して,
「自分だったらどうするか?」と自然に考えられ,いつの間にかトラブル対処のドリルができる本になっています。
(ご本人にその意図があったかどうかはわかりませんが・笑)
●とにかく泣けます!
僕はこの本を読みながら,ぼろ泣きしてしまいました。
どこに泣けるのかといえば,文さんが,この年ではなく,過去のトラウマと,向き合わざるを得なくなるシーンが出てくるからです。
それは本当に,自分自身に関わる問題で,周りがどうこうという問題ではありません。本のタイトルや表紙絵にもなっているように,〈自信のない自分〉との関わりがテーマになっているのです。
最終的に文さんが闘う〈ラスボス〉は,トラブルの絶えないクラス,そして厳しい保護者では決してなく,〈自分を責めてくる自分自身〉でした。
そんな自分に打ち勝つために,職場の仲間や家族,そして,研究会の先輩や,仲間たちを頼ります。
そのときの周りの対応に,本当に感心しきりです。マーカーで押さえながら読んでしまったら,ページ全部がカラフルになってしまうほど,学びにあふれています。
●マイナスに考えてしまうのも,大切な性格
マイナスに考えやすいのは,その人の性格です。
つい,そんな自分を責めてしまうことが多いものですが,マイナスに考えてしまうことはいけないことではありません。
それだけ慎重なことは,他の人にはない〈自分のスバラシサ〉でもあります。
ただ,考えすぎてしまうと,自分のエネルギーを際限なく消費してしまうリスクもあるので,「そのくらいパワーがある自分との付き合い方なのだ」と捉えて,自分でコントロールしていくすべを学ばなければなりません。
この本では,そんな自分自身という〈ラスボス〉を,どう乗り越えていったのか,文さん自身,正解のわからない中での〈手探りの闘い〉を,そのまま記録しています。
そこに見えてくるのは,周りの仲間たちの力を借りながら,最後まで弱い自分自身と向き合って,それを乗り越えていこうとする,勇者の姿でした。
マイナスになってしまうというのは,うまくいかないことを人のせいにせず,その矛先を自分に向けてしまうということです。
それは,文さんの持つ〈周りの人への優しさ〉だったりします。
周りの人たちは,そんな文さんを助けたくて,本当にいろいろと動いてくれました。だから,周りの仲間の力を引き出すことができたのは,やっぱり文さんの力なのだと思います。
ボロボロになりながらも,ラスボスをたおすことができた勇者。
その魔物は,また自分の中に封印されることになるのですが,今後は,そこまでガッチリと封印しなくても,ときどき顔を出してきたとしたって,大丈夫なんじゃないか。そんなふうに思えるくらい,さらにしなやかな強さを手に入れ,レベルアップした文さんに安心する内容になっています。
そういう意味で,いま現在悩み中という人にも,安心して紹介できる本です。
●マイナスに考えてしまう自分との付き合い方
この本を読ませてもらって気づくのは,
「〈マイナス思考の反対は,プラス思考〉…ではない」ということです。
マイナス思考になっているときほど,その真逆の〈プラス思考〉のアドバイスは,あまり役に立ちません。
夢物語に聞こえてしまって頭に入ってこないのだ,ということがわかります。
安易な解決策にすがるのではなく,「その日に何ができるのか,自分が一歩動き出せる,具体的な選択肢を得ること」。
それこそが大切だ,ということがわかります。
マイナス思考になればなるほど,予想してしまうのは絶望的な未来で,選択肢などということは思いつきもせず,トラブルに自分の対応が追いつかず,エネルギーだけをどんどん消費してしまいます。
しかし,そこに「明日,すぐに試すことができる選択肢」がいくつかでもあれば,そこから選んで進むことができ,絶望することがなくなります。
たとえ上手くいかなかったとしても,「別の方法を選んでいたら,うまくいったかもしれなかったなぁ」と思えるようになるからです。
そして,その選択肢は,自分で思いつく必要はありません。
当事者よりも,冷静な第三者に頼んで,出してもらえばよいのです。
今回の場合は,中一夫さん(東京・中学校)が,その役割を見事に担ってくれていました。
そこで出される選択肢は,決して突拍子のないものではなく,堅実に反応を確かめていける道筋を示しているだけともいえるのですが,一歩踏み出せることがわかるだけの安心感で,不思議と〈ほんの少しだけど,明るい未来像〉が見えてくるのだということがわかります。
●文さんを支えた人たち
そして,最後に押さえておきたいのは,文さんには,「常にエネルギーを共有している,頼もしい仲間がいる」ということです。
本編には2ページしか登場しませんが(笑),文さんは毎日のように,たのしかったことや大変だったことを研究会のLINE仲間に発信していました。それに対して,仲間たちは本当に親身になってうなずいてくれる,ということが重要です。
それは,辛いさなかにいた文さんに,どれだけのエネルギーを充填してくれていたかわかりません。
マイナス思考に沈んでしまって,エネルギーがどんどん抜けていく状態になってしまったら,中さんにだって,メールができていたかどうかわからないのです。
いつでも本当に気兼ねせずに話せる仲間が,この上なく大切だということも,決して見逃せない本書のポイントじゃないかな,と思いました。
●おわりに
どんな人でも,きっと「自分のマイナスな面」を持っています。
それが暴走してしまいそうになるとき,この本は,自分を支えてくれるものになるに違いないと思います。
そして,文さんを支えた仲間みたいに,僕自身もそんな仲間のひとりでいたい,と強く思える本です。
人は,支え合ってはじめて教育に携われる。
そんな,当たり前の大切さを,思い出させてくれる本だと思います。
ぜひ,みなさんも手にとって,読んでみてください。オススメします!
2.荒木さんの感想
この資料を仮説社・荒木三奈さんも読んでくださいまして、
その時感想を送ってくれました!
ありがとうございます。めっちゃうれしいです。
こうやって自分の経験が、誰かの役に立てるのであれば…
とってもありがたいなと思っています♪
荒木さんありがとうございました。
3.自分を守るためのアドバイス
資料の中に「自分を守るための5つのアドバイス」を掲載しています。
これは、どの人にも当てはまる「悩みのパターン」ではないかな?と思います。ですから、とにかく「自分を守る」ということを相当気を付けていたと思います。
この時はこんな感じでした。
今も、落ち込みそうなときや、しんどいな と思った時は、
この5つのアドバイスを率先してやっている気がしています。
あとがきは、中一夫さん(東京・当時中学校)が書いてくれています。
中さんのあとがきにはこのように書かれています。
今も、もがきながら生きていますが、
どんな自分でも自分なんだ それを受け入れていこう と書き終えて思いました。
しーかーしー‥
未だに仙人になりたい…と思っている自分もいます笑。
さてさて、私が相談していた中一夫さんの本(監修も含む)を紹介します。
学校だけでなく、幅広く生き方も学べると思います!
自分を守る5つのアドバイスが掲載されています。
ぜひ手に取って読んでほしい本です♪
Instagramに投稿した時につけた曲はこちら。
落ち込みそうになるとすぐにこの曲を聴いて自分を奮い立たせています。
♪失恋も失業も君の莫大な経験に
めっちゃステキな歌詞です💛ほんとに。
これより下は、資料『マイナスからプラスに』入手について と
なっています。
メンバーシップ限定の記事となります。ご了承ください。