PaintVoiceの「どうしてる?」ボーカルメモ
PaintVoiceに限らず、ソフトやアプリを使う上で、基本な使い方にプラスして個人的な使い方が加わる場面があると思います。
そんな感じで「ボーカルの調声のここ、どうしてる?」の私版をまとめていきます。
…の前にと言いますか、PaintVoiceをインストールしてからだいぶ経つので、現在のバージョンではどうか分かっていないのですが、最初から入っている音源には「女声」「男声」と『重音テト』がありますが、その『重音テト』の「を」が出ない音源は古いバージョンなので、『重音テト』公式サイトにて公開されている単独音をダウンロードし、インポートするのを是非オススメします。
声質もちょっと違います。
母音「あ、い、う、え、お」「ん」の「発声開始」の数値
私の場合はUTAUの「おま☆かせ」に搭載されている「母音結合」の要領で、前の声に「発声開始」を早くに大きく取って被せる事が多いです。
「発声開始」は早くに50ms以上「音量」も50以下で設定しています。
「ん」の場合は、今の流行りとか歌唱曲では「ん」は力強く言葉として歌いますが、合唱曲では「ん」は口を閉じて音量を落として歌うと聞いた事があり、後者の方が好みなので母音と同じく「音量」落として「発声開始」を早くに多く取っています。
「発声開始」は60ms前後で「音量」は30程。
そのバランスは曲によっても違いますし、中には「ん」が強い音源もあるので、聞きつつその時々で調声しています。
「拗音(ようおん)」の様々な扱い方
「きゃ」や「しゃ」等の「拗音」はUTAUでもそうですが、ノートが長くなると子音が伸びて母音の発声が遅くなります(「きゃ」であれば「ky - a」の「ky」の部分が子音、そこが長くなり後ろの「a」の出が遅めになる)
子音が引き伸ばされる感じです。
昔にUTAUで「にゃ」をUTAわせようとしたら、ノートが長くて、結果「にゃぁー」みたいになり、気を付けないといけない部分だな、と痛感しました。
PaintVoiceでも子音の若干の伸びが感じられ、そこは「発声開始」で発声を早くしても違和感が残るばかり。
解決方法としては「拗音」のノートを鳴らしたいギリギリまで短くして子音が短くなるようにする事(子音を引き伸ばさないようにする)、それが無理なら声を分解して1つの「拗音」のように作り直す作業をしています。
例えば「きゃ」であれば「き」と「や」を合わせて「きゃ」に聞こえるように調声しています。
これは子音の弱い「拗音」の子音部分を聞こえるように作り替える場合(「拗音」の代理)にも使えてます。
『補助声』については前の記事を参照ください。
「拗音」の代理として先に置く声(画像では「じ」)は声と言うより子音のみの扱いなので長さは「拗音」として聞こえる分の短さ(大抵128分音符の3つ分程)にしています。
この「じ」に続く「や」は「音量」少なく「発声開始」は母音の処理と同じように早く側に多く取っています(数値は曲や声によります)
また「拗音」の子音の音量が小さい場合。
他のボーカルトラックが空いていればそこを『声量ブーストトラック(呼称)』とし、まず分解せずにそのままの声を使って調声、続いて『声量ブーストトラック』にて同じ位置で同じ声を鳴らす事で音量を上げられる効果も得られます。
例えば「しゃ」が弱い場合『声量ブーストトラック』で同じタイミングで「しゃ」を鳴らす。
まだそれでも物足りない場合は『声量ブーストトラック』では「しゃ」ではなく「し」と、子音が類似で子音が強い方の声を設置(この場合の「し」は「しゃ」より長さは短く)すると強まる効果が得られる場合があります。
ただ「しゃ」と「し」の声の明るさや声質が違っていたら声が重ならず別の声を組み合わせている状態になり声量ブーストは出来ないので、この手法が出来ない場合があります。
他にも「『声量ブーストトラック』で気を付けたい点」や「促音(そくおん、小さい「っ」)」や「疑似ピッチカーブ」についても話したいのですが、長くなったので次でまとめます。