死にたい今日が 疲れる明日のために 寝ようとしています 無駄な抵抗なのです あの 関わらないでください とても気持ち悪いです すごく気色悪いです 本当に 世界が気持ち悪いです
世界が捲し立ててくる。 あの人は早口で話すことが、賢い人の証だと思っている。 私が私の中にその言葉を入れる時間すら与えられない。 あの人の言葉は行き場を失い、私の目の前を浮遊している。 私はただニヤけて、ただ頷き、ただ搾取されていく。 今日もたくさん搾取されたなあ。 時間。 言葉。 喜怒哀楽。 睡眠。 食事。 空気。 水。 衣食住。 私。 明日は何を搾取するんだろうなあ。 声。 色。 味。 匂い。 痛み。 明日。 捲し立てて、捲し立てて。 巻き込んで、巻き込んで。 奪っ
冷蔵庫はものが入りすぎると、冷えなくなります。 扉が開きます。 水滴が垂れます。 中のものが腐ります。 腐敗臭がします。 死にます。 今日はとても辛かったです。 今日が辛いのではなくて、明日以降を思うと、ただただ辛いのです。 今日も辛かったけど、明日以降はもっともっと辛いが更新されます。 今日の辛いが熟成されて、どんどんどんどん蓄積します。 お金がないと生きていけません。 お金を稼ぐために仕事をします。 仕事をすると死にたくなります。 死ぬと生きていけません。 では、何
私のことを信頼してくれていて、私も信頼している人の言葉は、響く。 傷もつかずに、苦しみもなく、真っ直ぐに突き刺さる。 きれいに刺さった矢のように。 それは、何度も頭の中に木霊する。 そして、私はその人からじゃなくて、私から傷つけられる。 とても、愚かな、私から。 大体そういう人は、何もなかったかのように、もう終わったように笑う。 それが、とても響く。 私の中で、その顔が木霊する。 私はよかった。 あの人からそれを言われる人間で。 私はよかった。 それを言われた後で、あの人
仕事でムシャクシャしていた。 とてもとても。 月曜日はヨガの日だから、ヨガすれば少しは落ち着くかなって。 そう思っていた。 いいや、そんな事思っていない。 私は3〜40代向けの女性誌に出てくる、オフィスカジュアルを風に靡かせて、ギラギラとクレドポーが輝くミラーボールみたいな顔で、カバンの中を晒して気持ちよくなるような露出狂の読者モデルじゃない。 ヨガとピラティスとパーソナルジムという大人のおもちゃを使って自慰行為していることを他人に主張したりしない。 私はパンツの中が濡れてい
今日は素敵だなと思う食器屋さんに行った。 相変わらず素敵だった。 1人でやっているそのお店は、その人の好きだけが詰まっている。 そこには、なんの嘘も、意図も、策もない。 私は、嘘や、意図や、策に、搾取されて生きている。 そしてまた、私も、命を搾取している。 死にながら、私を殺しながら、私を殺されながら。 私も溢れ出る「好き」だけの空間で生きていたいものだ。 難しいことや傷つくこともあると思う。 でもあんな空間で生きるという営みをできたら。 自分の好きに「仕える事」を私はした
「…」 また沈黙だ…どうしよう…。 初対面やまだ慣れていない人との会話。 私はしばしば沈黙する。 何か話したいし、何か質問だってしたい。 でも、人見知りであまり人と話すのが得意でない私はなかなか言葉が出てこないのだ。 これを聞いたら失礼じゃないかな。 今の話のここをもっと詳しく聞いてもいいかな。 私のあの話したいけど、迷惑じゃないかな。 そんなことを考えていると、私は沈黙し、静かな時間を作ってしまう。 こんな時、ひょっとしたら、眉間に皺を寄せて難しい顔をしているかもしれ
初対面の人や慣れていない人との会話。 人見知りな私はとてもしんどい。 何を話せばいいか分からなかったら、とりあえず天気の話をしろ。とよく言われている。 「今日は雨ですね…」 「明日は雨でしょうかね…」 もはや、天気の話は「私はあなたと何を話せばいいのか分からなくなってます」と同義である。 相手も人見知りだとこれは困難を極める。 「今日は雨ですね…」 「あ…そうですよね、ごめんなさい…」 私は神でもないのに、雨であることを詫びてしまう。 天照大神以外、謝罪してはいけない謝罪
私は今、どこにいるのだろうか。 よく、どこにいるのか分からなくなることがある。 仕事中に怒りを込めて、力強くExcelのセルを見つめると、3Dのように浮かび上がってきた。 その時私は、ずっと刑務所の中にいたことを初めて知った。 月曜日から動けない私に火曜日が迎えに来てくれるはずはなかった。 そんな都合のいい話がある訳ない。 火曜日の方から来てくれるなんて。 そんなことを考えていると、一瞬火曜日が見えた気がした。 気のせいだろう。 ところで私はなんの罪を犯したのだったか
日曜の朝、目が覚めると、冷気がなかった。 冬が冬眠に入ったようだった。 嗚呼、そうだ、死のうと思った。 とりあえず外に出てみる。 桜共は皆飛び降りた後だった。 どこを探しても私がいない。 そりゃそうだ。 この世に私なんていないのだから。 とりあえず家に帰ってみた。 薄らと腐敗の匂いが漂っていた。 どこもかしこも私だった。 そりゃそうだ。 この世に私なんていないのだから。 外は暗くなる。 中は明るくなる。 なぜに人間はそんなにも光を浴びたいのか。 私は人間ではないので、
私は一年に一度、錦糸町に行く。 いつも必ずとても寒い。 錦糸町はいつ行っても人が多い。 治安が悪いと言われがちだが、今のところ私は錦糸町で危険な目にあったことはない。 植え込みと歩道の間にあるガードレールの小鳥がかわいい。 小鳥が「ここは安全な街ですよ」と言っているようだ。 ガードレールの小鳥に見入って歩いていると、本来小鳥がいるべき場所に穴の開いたガードレールが出現した。 私、は、錦糸町で危険な目にあったことはない。 今年もまた冷え切った空の半分がグレーな錦糸町を歩
「フグの毒ってフグ自身が持ってるんじゃなくて、摂食から毒を蓄えるんだぜ。」 田中のいつものやつが始まった。 田中は、Twitterだかなんだかで仕入れた病院食位薄味な情報を鼻息荒く専門家気取りに毎日発表してくれる。 「じゃあさ、なんでフグは死なねーの?」 はーとか、そーとか、へーとか、言って済ませればいいものを鈴木は掘り下げ出した。 「それはさ…例えば、俺がお前に「口元から生えてくる白い毛は幸運の毛だから抜かない!とかマジこえーし引くし、キモいわー」って毒吐いたら、お前は
金魚すくいで逃げ回る金魚を救ってやりたいと思っただけなんだ。 綿菓子を又貸しするのは犯罪だろ? ヨーヨーの動きのどこがヨーヨーなんだよ。 焼きそばは蕎麦なんかじゃないから気をつけろ。 なんなら風船も船じゃないから気をつけろよ。 ベビーカステラに至ってはベビーでもカステラでもない。 風呂上がりに着るのが浴衣なのではないか? それを脱がすために存在するものが浴衣なのではないか? 花火が打ち上がる。 この嘘に塗れた世界のど真ん中を夏祭りが行く。 煙が空を覆う。 神様ごめんなさい、
汚い10円玉が落ちていたんだ。 私は見て見ぬふりをしたんだ。 疲れ切っていたんだ。 同じ匂いがしてきたんだ。 頭痛がしたんだ。 吐き気がしたんだ。 埃にまみれた光る気力もない平等院鳳凰堂。 便所の後の靴底よりも落ちぶれて。 私を睨む。 私だけを睨む。 体調不良に感謝した。 もっともっと不良になってくれ。 いっそ家出してくれ。 2度と戻って来ないでくれ。 EXILEに憧れてくれ。 クレカくれ。 あ。 頭痛なんて幻覚だった。 吐き気なんて妄想だった。 ただ臭いだけだった。
差別を無くそう 個性を尊重しよう マイノリティを受け入れよう しかし 悪い奴は排除しよう 悪い思想は潰そう 悪い意見は炎上させよう 謝罪しろ 謝罪しろ 謝罪しろ したか?したのか? ダメだダメだ。 その謝罪なんだよ。 謝罪の謝罪しろ。 謝罪の謝罪の謝罪しろ。 謝罪の謝罪の謝罪の謝罪しろ。 しろ? くろだ。 グレーは黒だ。 綺麗な水に一滴でも汚水を入れたら汚水だろ。 謝罪するくらいなら居なくなれ。 居なくなれば許されると思うなよ。 許してもらうために謝罪するなよ。 謝
心地良い眠りについて考え込むといつの間にか不眠症になっていた。 もはや眠れないではなくて眠らないことを選択しているとどんぶらこどんぶらこと桃が流れてきたので爺さんと婆さんと桃太郎は川の字になって寝ることにした。 桃から出てきた桃太郎は少しベタつきながら「25度」とのたまうので、はて今日は夏日かと思ったが鬼暑いから猛暑日やろと突っ込んだところで、桃太郎を汗拭きシートでサラサラにした。 いやちゃうねん糖度の話やねん、と桃太郎が言ったとか言わなかったとか。 「それなら我、鬼暑いの