マス向けのデジタルファッション活用方法
近年急速にファッション業界でサスティナブルという概念が普及し始めた。
ただ、初めてサスティナブルという概念が取り上げられたのは、1987年まで遡り「環境と開発に関する世界委員会」において公表された報告書「Our Common Future」で発表された事が始まりと言われている。
特にアパレル業界は世界第2位の環境汚染産業として発表されており
生産過程や過剰在庫の処理による環境被害から生産における上流過程への労働搾取、動物の皮や毛を衣服に使用する事による生き物への被害までたくさんの懸念が考えられる。
上記の問題を解決するべくアパレル業界では様々な制作やビジネスモデルのシフトチェンジが行われている。
例えば生産過程で行われる染色では大量の水や排水のせいで環境に大きなダメージが与えられる為ヴィンテージ加工をレーザーで処理し水使用量最大99%削減したり、途上国で行われている生産業務で上代を抑える為適正な労働賃金が支払われていない事が多く、生産者へ適正な賃金が支払われる様に上代を上げ販売しているアパレルブランドも出てきている。
本題だが、そんな問題解決の中で徐々に脚光を浴び始めている中で
私が気になっている政策がデジタルファッションである。
デジタルファッションと聞いて具体的にイメージが湧く人は少ないだろう。
イメージされる方はメタバース(仮想空間)内でのアバターが着る服、や
デジタル上で行われるファッションショーなどがイメージされやすいかと思う。
だが、そんな今はまだメジャーではないデジタルファッションの中で今後より大衆向けに認知され需要を感じられるビジネスモデルを紹介する。
Tribute(トリビュート)
3Dモデリングやコーディング経験者たちが集まって2020年に立ち上げたデジタルファッションブランドであり、非接触型のサイバーファッションを提供しています。コロナ禍で外に出られず、SNSへアップするためだけに洋服を購入している若者が増えていることに気づき、実物を作らないサステナブルなファッションを始めました。
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実際SNS(特にInstagram)をよく利用する10代後〜20代は自身の写真を投稿する際一度投稿したことのある服は再度投稿しない事が多く、常に投稿する為新しい服を購入している事が多い。
中には店舗で大量に試着し、その際に写真を撮り溜めし購入には至らないケースもある。
写真投稿の為にほとんど着ない服を大量に購入するのではなく、手持ちの写真をブランドサイト内にアップロードし衣服を合成した方が合理的ではないだろうか。
このビジネスモデルをまだ日本で行っている企業は見受けられないが今後合成や3Dアパレルの精度が上がり、写真に違和感が無くなればマスに広がっていくのでは無いかと予想している。