【本要約】ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門
気ままに書いているnoteだけど、まあネタがない。
というか、気まますぎたので、書くことに意識がいっていなかった。
べつに書かなくてもいいけど、よく本とかで書いている
書くこと(アウトプット)で自分にインプットできる
と、いうこともあるので、まったくアウトプットできず自己満足で終わっていた「本」たちをもう一度読み直して、まとめてみようと思います。
そして、時間がたって自分で読み返してもわかり易くなるように書いてみよう。
第一弾は
ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門
著:原田守弘
こちらにした理由は、最近読んだ本の中でダントツで良かったことです。
この本を読むきっかけ
クリエイティブ側の人間ではないのですが、クリエイティブ部門は会社にとって非常に重要だと思っています。
だけど、社内のクリエイティブの人たちが辞めていったり、評価が低かったりすることに悩んでいたとき(現在進行系)に、師匠のコンサルタントにオススメしてもらったのがきっかけでした。読んで思ったのは、
「あーーー確かに!クリエイティブってそんな感じ!!」
って納得しました!
デザインだけでなく、キャッチコピーや根本的な考えも勉強できます。
ちなみに僕が話す「クリエイティブの人員」の認識としては
①DTPデザイナー
②WEBデザイナー
③クリエイティブマネージャー
がいて、①②は実際手を動かして制作までする。③は全体のイメージを構成して、外部やデザイナーに依頼し全体のディレクションをする。
というイメージで話しています。
著者は③の人ですが、実際ほとんどの中小企業は①②の人が③も兼ねて制作するというのが現状ではないでしょうか?
著者について
著者の原野さんは、電通出身で独立した方(紹介粗いな…)
カンヌ国際広告祭などいろんな賞を受賞しているので、検索すれば作品はでてきます。
個人的には、大好きなOK GOのPVも作っていた方だったので、「おおアレを作った人!!!」ってテンションが上がりました。
その原田さんですが、最初からクリエイティブ畑ではなく、元々は広告枠を売る「営業」出身で10年ほど営業で働き、クリエイティブに転身した人。
なので「芸大出身」とか「ずっとクリエイティブやってました!」という訳ではなく、転職のように働きながら業種を変えた人なので営業、クリエイティブのどちらの知見もある人です。
そんな人がクリエイティブはずっと
・何をやっているかわからないけど、入っていけない「ブラックボックス」
と思っていたけど、実際やってわかったことは
人間が新しいものを作り出すときには、人間の習性の理解が必要
と気付き、そしてその人間の習性を教えてくれるのがこの本です。
感情に訴える
まず、大前提で抑えておきたいことは、広告と販促は違うということです。
日本人はすぐ広告=販促と捉えて、広告した商品がどのくらい売れたのか?ということを気にするのですが、その前提が間違っています。
だからカンヌ広告際など、権威ある賞で受賞した広告映像を見て
「カッコいいとは思うけど、あれで売れるのか?」
という意見がでてしまいます。
広告=ブランディング
販促=ものを売る
なのです。
例えば、有名な広告(ブランディング)といえば「appleの1984」です。
これは1984年当時、パソコンのシェアがIBMの一人勝ちになりそうだった時代に、appleがそれをぶっ壊す!ってイメージで作られた非常に有名な広告です。(後にFortniteがappleに対抗するためにパロったのですが、自分で調べて見てください。コレはこれで面白いです)
この広告には「Macはこんなにも便利です!」とか、「IBMよりもここが優れている!」などという比較やアピールはありません。
それどころか、商品であるMac自体出てこないのです。だけど、広告で表現される企業の精神感がカッコよく、Macを使ってみたくなる気持ちになります。
人間が行動する時は「理解」ではなく、「感情」が動いた時に行動する
これが人間の習性です。
マーケティング理論の1つに「ゴールデンサークル理論」というのがあり、それは、WhatやHowではなくWhyから訴えかけることが重要だというものがあります。(「何」を売るかとか、「どのように」売るか?ではなく、「なぜ」売るか?)
このWhy(なぜこのブランドをやっているのか?)ということが感情に訴えかけるというこです。
Whyに「共感」すると「好き」という感情がおきて、そのブランドのファンになります。
ちなみにこの「好き」という感情は言語を司る「大脳新皮質」ではなく、もっと動物的な脳「大脳辺縁系」で感じるので、言語化できず、「なんかよくわからんが、好き!」という感じの感情になるようです。
「好き」とは?
ではこの「好き」はどうしたら沸き起こるのでしょう?
それは上記でも書いたように、「共感」したときです。
企業やブランドのWhyに個人が共感した時に「好き」という感情が沸き起こります。
そのために、企業がやることは好きを語ることです。
偉大なブランドは、自分自身ではなく、自分自身が愛するものを語る
では、自分の好きを単純に表現すればいいのかというと、それは違います。
よく企業であるのが、クリエイターが出してきた案を上部の人間が「個人的にしっくりこない」ということで修正を求めることがあるのですが、それは「半分正解、半分間違え」です。
もちろん、クリエイティブに関しては一般人である上部の人間が、「一般人が見たときの印象なのだから」という理由で修正するのは一理ありますが、プロは100万人の「好き」を考えて作ります。一方素人は個人的「好き」で判断するので、間違えが起こりやすいです。
ではこの「好き」のセンスは、先天的に個人に備わっていて、もう決まった人しかクリエイティブができないのか?というと、そうではありません。
センスは鍛える事ができます。
その方法は徹底的にいい作品を見て脳を鍛える!
ってことです。
今の時代インターネットでいくらでも作品は見れるので、賞など受賞した作品を見て、「自分の脳を鍛えていけばセンスは磨ける」と著者は話しています。
【参考】
クリエイティブ応用編
では、ここまで、いろんなクリエイティブを見たら
「いやいや、すごいけど、こんなクリエイティブは自分には出せない」
って思ってしまいがちですが、クリエイティブにコツがあります。
それはパクることです。
「ええ?パクるのは色々問題あるのでは?」
と、思うかもしれませんが、厳密には、パクるというかインスパイアーされるという感じです。本書では
あらゆるアートはファンアートである
と書いていて、あのパブロ・ピカソは
良い芸術家は真似をするが、偉大な芸術家は盗む
と言っています。
例えば、最初に紹介した、OK GOのミュージックビデオはアメリカ映画監督バズビーバークレーの作品からインスパイアーされたと書いています。
また、スターウォーズも黒澤明の「隠し砦の三悪党」からインスパイアーされていますし、男はつらいよシリーズはフランス喜劇のマルセイユ三部作にインスパイアーされています。
そういうことで、創造とは作品好きになり、好きを盗んで、その好きを世の中に返す作業だということです。
その「好き」が共感を生み出し、ブランディングを生み出します。
また企業ブランディングのコツは3つあり
①ちょっといい未来を語ること
②個人的に語ること
③地声で語ること
です。
①でホンダは、「みんながハイブリッドカーなどのエコカーを乗っている未来がいいよね?」っという意味を込めて「Honda Green Machine」というキャンペーンを打ち出しました。
②は「個人的に感じたことは、たぶん多くの人が心の片隅で感じていること」だと言うことです。
だれかが言うことが特別なことではなく、きっとみんな同じことを多少なりとも感じているのです、その違和感を形や声にできるか?ということです。例えば「履歴書に顔写真貼るのはおかしくないか?」とか、「義理チョコって文化おかしくない?」とか、という感じです。
③はこのブランディングは会社の色とあっているか?という感じです。
「義理チョコをやめよう」とブランディングで打ち出したのはGODIVAですが、これを義理チョコ価格の商品がメインの明治がやってもちょっと違和感ありますよね?
逆に、「ひと目で義理と分かるチョコ」で打ち出したブラックサンダーはそれはそれで、会社の色と合っていますね。
こうして人間は「好き」という感情でつながり、「共感」「連帯」を生んで拡散され、ブランディングされていきます。それが人間の習性でクリエイティブに活かしていきましょう!というのが本書です。
是非気になった方は買って読んでみてください。
最後に、僕が個人的に好きなクリエイティブを貼っておきます。
動画もありますが、まずはポスターやキャッチコピーなどでもインスピレーションをうけるとこあるのでは?と思います。
感情に訴えるので、言語化はしませんので、気になれば見てみてください。
余談
最後に余談として、ものづくりを成功に導く7原則が書かれているのですが、気になれば本書を読んでいただければと思います。ただ、特に共感したのが
「寝ろ!」
って書いていました。いやー、これは本当に個人的に思いますが、寝ずに仕事していたときの集中力のなさや、効率の悪さを感じるので、ほんとにそう思います。
みなさん、ちゃんと寝ましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?