散髪への苦手意識

　ここ数十年、私はショートボブを貫いている。伸びた分を数ヶ月に一度散髪に行くことにしているのは、子育て中は個人的に長い髪の手入れが大変なことと、逆に短すぎる髪型だと整えるのに朝時間がかかるため、髪質と相談してここ数年はずっとショートボブなのだ。

　以前住んでいた場所では「予約不要で空いていたらすぐ切ってくれる格安美容院」というのがあって重宝していた。外から待機人数がおおよそわかるので、空いてそうと思ったら入るなど融通が利いたことと、お値段がおよそ2000円と格安だったことも私の中でポイントが高かった。美容院（美容室）には、これまであまり良い思い出が無い私は、行きつけの店がないのだった。

　個人の髪質を知ってくれる行きつけの美容院がほしいと何度か思い、新規で割引がある店を予約して行きつけになれば…と淡い期待を持つのだが、いつも「なんか違うな…」という気持ちになり、結局継続せずに終わってしまうのだった。まず、なぜ続かないかというと、「新規で髪質やクセなどを説明して、思い通りの髪型になることが少ない」ことが挙げられる。いや、実際のところ美容師さんの技術は素晴らしく、「指定通りの髪型にはなっている」のだが、それが自分に似合っていないことが問題なのだ。ヘアカタログなども用いて、事前に入念なすり合わせを行うのだが、モデルさんでは素敵でも、実際それが自分の顔に適用されたときのちょっとした残念感がどうしても拭えない。
　
　それもそのはず、ファッション誌でも同様かもしれないが、モデルさんが着ている服は素敵でも、それを自分が着るとなったときのギャップ（コレジャナイ感）がすごくて、ファッション誌は最近では全く見なくなった。参考にできる代物ではないと気づいてしまったからだ。
　これは美容師さんの問題というより、自分がしたい髪型と自分の理想の髪型とが合致していない私自身の問題なのだろうと思う。
　また、美容院を予約する手間や、思い通りにならないこの思いを抱えたまま、そこそこ高い金額を払うことに対するネガティブ感情とが重なり、結果的に今は近所のQBハウスで長さを短くするだけのオーダーに落ち着いている今日このごろである。QBハウスさん、いつもありがとうございます。