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大学デビュー、失敗してきた僕たちへ。

一個前の記事で僕が夢を諦めたのは、ずばり金がないからだ。

みたいなことを言い訳にしただけじゃないか!

と思った人は何人かはいるだろう。

半分正解。50点!

もちろんそれもある。

極貧でボロッボロのサッカーボールで遊んでいた少年が今や世界で活躍するトップアスリートになっている様な世界だ。

“金がなかったから夢を追えなかった”

という言い訳はほとんど通用しない。

理論立てて筋が通っていても、血反吐を吐くほどの努力が是とされるこの世の中、多くの人はそんな戯言否定したくて仕方がないはずだ。

僕はその言い訳を、全力で肯定してあげたい。

なのでこれからは僕の様な人だけ見てくれれば良い。

金がある人は夢に向かってただ一つのことだけ頑張れば良い。

あればあるほど夢に向かって近道はできる。

大手のテーマパークにはファストパスがあったりするでしょ?

そんな感じ。

具体的に僕の場合、学費と自分のためにバイトをしていた間、裕福な同期たちは自主制作映画を作り、多くの刺激をもらえる人々と出会っていた。

奨学金を借りていなければ学生の頃の将来への不安はそこまで大きいものではなかったはずだ。

まぁ僕の自堕落が原因で夢を追えなかった部分はもちろんある。あって然るべきもの。

なので元々の僕自身の憧れ、やる気、熱意がそこまでのものでなかったというのを指摘されたらそれまでだが。

まぁ過去のこと、自分の現状についてうじうじ言い訳するのも見苦しいのでお金がどうとかっていうのは今日はここまでにしよう。

以下、今日の本題

大学入学した4月当初、僕は女々しくも承認欲求に飢えて飢えてどうかしていた。

と、いうのもその1ヶ月前の3月にずっとお付き合いをしていた恋人に浮気をされて別れていたからだと思っている。

バイトでレジカウンターで接客している時も本棚を整理している時も、その浮気相手と元恋人が交わり合っている光景が、勝手に脳を支配してそこから数ヶ月は立ち直れなかった。

浮気をされたということは、僕では足りなかったということ。

人間性を受け入れられなかったということ。

僕の上位互換が存在していたということ。

など、自分を悲劇のヒロイン像に当てはめてはどんよりした気分になっていた。

そんなことしたっていいことないのにね。

ということで僕の入学当初の承認欲求は凄まじかった。

大学では恋人でなくとも自分の承認欲求を満たしてくれる人に出会いたいがために自分を大きく、大袈裟に見せるために必死だった。

自分のアイデンティティをオーバーに表現して過激な発言をかなりしていたし。

自分が好きなものをわかってもらおうとお気に入りの漫画を強引に人に貸したりとおかしなキャラだった。

いわゆる大学デビュー。

中学高校では人望がなく、特別好かれたりされることはあまりなかった気がする。それもあってのことだろう。

まぁそのデビューが成功することもなく。(そもそも大学デビューが成功する例はあまりないと思うが。。。)

前回も軽く触れた“とりあえず友達”の中にJ太郎という男がいた。

↑J太郎

一見した感じなんでもできるスポーツマン、学問に対する興味とやる気は人一倍。

友人、恋人、出会いを大事にし約束は絶対守る。

本人曰く、『ワイスピ』シリーズを見て仲間の大切さを学んだとか。

学部の最上位カーストになるのはこのJ太郎だと踏んだ僕は無理やりそいつと関わる様にした。

そいつに飯誘われたりするのが嬉しかった思い出がある。

まぁつるんで1、2ヶ月はそんな印象だった。

だが、夏前くらいになると平然とつるんでた一味の一人をハブにしたり、人格に惚れて言い寄ってきた女の子に対しては裏で「めんどくさいやつ」と言いふらしていた。遊びに行く約束をして2時間の遅刻をしたり。初見の印象とは真逆の人間だった。

まぁハブにされたのは僕なんだけどね。

学問や授業に対しても人一倍のやる気を見せていた彼だったが、他学部のパリピ集団に仲間入りしてからは授業はさぼり(出席は他人に出させて)、単位は落とし、散々なやつに成り下がった。

彼は嫌われに嫌われて気づけば代わりに出席カードを出してくれる様な友達もいなくなっていた。

ぜひドウェインジョンソンに謝ってきて欲しい。

今でも気に食わない。

だが彼が入学当初見せた姿は本当はそうなりたい彼の姿だったことは確かなんだろうなあ。

僕も大学デビューをしようとして変われることはなかった、どころか承認欲求を満たそうとしたあまり周りの人間を遠ざけることにもなっていたのかも。

J太郎も僕とそんな違いはない、寂しく悲しい人間だなぁ。

彼はそのせいもあったり、レポートのコピペがばれたりで多くの単位を落とし、今も大学生らしく。

今は同年代に信頼をおける友人がいるわけでもなく後輩を手下にお山の大将をやってるという。

大学デビューをしたくなる気持ちは間違っていないが、中身はいつかバレる。

バレなくてもずっと偽り続けるのもJ太郎みたいにしんどいんだと思う。

しょっぱなから本音で振る舞ってもついてきてくれる人はついてくる。

その方が偽り続けるよりも幸福じゃないか?

僕がそれに気づいたのは社会人になってからなんだけどね。

まぁ今日は大学にそんな奴がいたってだけの話。

大学一年生編 中編 終