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あの百合作品もすごい!

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私選百合作品年間ベストのまとめ
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あの百合作品もすごい! 2024上半期

原則として2024年上半期に発売された作品を対象とする。 (サムネイルは『Sugar,sugar,sugarcoat』〈pankuzufactory〉よりお借りしました) 前回はこっち。 【小説・随筆】 『かなたのif』 真にすぐれた構成の、ダイナミックな転換点がつらなる作品はどこを切りとってもネタバレになってしまうもので、『かなたのif』〈村上雅郁〉は語りたい場面が多数あるにもかかわらず、どこまで語ってよいのか迷わせる児童文学だ。 たとえば、今まで話していた友人が

あの百合作品もすごい! 2023下半期

原則として、2023年下半期に発売された作品を対象とする。 書籍であれば、続刊がかさねられていないもの(5巻以内を目安)を優先的にあげていく。 各小見出しのほかに、大見出しの下に気になった作品を書きとめてある。そちらも参考のほど。 (サムネイルは『Little Goody Two Shoes』〈AstralShift〉よりお借りしました) 上半期からレイアウトを改良しました。 来年の2024年はこっち↓ 【小説】 『神に愛されていた』 「推し活/オタ活」はいまの百

あの百合作品もすごい! 2023上半期

原則として、2023年下半期に発売された作品を対象とする。 書籍であれば、続刊がかさねられていないもの(5巻以内を目安)を優先的にあげていく。 (サムネイルは『火山の娘』〈Gamera Games〉よりお借りしました) 下半期はこっち。 『百合小説コレクション wiz』 『零合 百合総合文芸誌』 「百合」とはなにか。 1970年代に男性同性愛専門雑誌『薔薇族』を創刊した伊藤文學は、女性同性愛にたいし「ナルシシズム」の意味あいで「百合族」と名づけた。 しかし氏が想定

あの百合作品もすごい! 2022

原則として(単行本が)2022年内に発売された作品を対象とする。 うち、続刊が重ねられていないものを優先的にあげていく(おおよそ3巻以内)。 (記事のカバーイラストはなかでもお気に入りの『イルミラージュ・ソーダ ~終わる世界と夏の夢~』より借用) 『彼女。 百合小説アンソロジー』/「百合である値打ちもない」 百合とは窃視の文化だ。 それは対象を一方的に鑑賞するよこしまな眼差しで構成されている。 フィクションにおいて美男美女しか描かれない問題は百合にかぎる話ではないものの