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強みに一点集中〜サンクコストとオポチュニティコスト〜

「人生詰んだ」状態をリセットする魔法

第5章 価値の生み出され方
・三年間コツコツやれば誰でもソコソコ軌道に乗る
・現状維持から飛躍させる「パレートの法則」
・強みに一点集中〜サンクコストとオポチュニティコスト〜
・慈善事業は行政の仕事
・常に投資せよ!〜貯金はお金を腐らせる〜

・強みに一点集中〜サンクコストとオポチュニティコスト〜

過去の支出で、回収することが不可能な費用をサンクコスト(埋没費用)と言う。
最初にお店や商品を手に入れるために時間やお金を投資するが、その支払ったコストや費やした時間は戻ってこない。

イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機コンコルドは1970年代に4000億円の赤字を出した。
しかし、それまでにかけたコストを回収するために運用し続け、最終的に負債は数兆円に膨らみ、ついには破綻した。

サンクコストの呪縛から中止しなかった結果、最悪な事態を招くことを「コンコルド効果」「コンコルドの誤謬」と言う。
「諦めるな!」といった精神論は現状維持には心地良いが、少なくとも現実社会では逆効果となる。

努力や根性で何とかなるなら世の中の頑固親父は全員成功している。
費用対効果が悪ければ、早く撤退すべきであるし、投資回収率が悪いビジネスならそもそも最初からやるべきではない。

また、「複数ある選択肢の内、同一期間中に最大利益を生む選択肢とそれ以外の選択肢との利益の差」を機会費用と言う。
「最大利益を生む選択をしていれば手に入れられたのに、他の選択をしたためにそれを手に入れることができなかった」がまさにオポチュニティコスト(機会費用)の考え方だ。

経営者には移動にヘリコプターを使用する人がいるが、移動時間が長くなるとその時間中に稼げる金額が減ってしまうため、ヘリコプターで最短で移動するのが最も費用対効果が良い。
「Time is money」という言葉があるが、「時は金なり」はオポチュニティコストを表現した言葉だ。

もっと身近な例を見てみよう。
Aさんは1年間、ただ勉強だけをして過ごした。

その期間を使って、学習した内容を実行や発信していれば、今頃、プロとして仕事ができたかもしれない。
しかし、Aさんは何もしなかった。これもオポチュニティコストである

簡単に言ったが、今の選択肢のうち、最善のことを選んで行動するのは至難の業である。
そのためにも、新しい世界や次世代の技術革新に眼を向け、最適な選択ができるように判断力を磨いていきたい。

まとめると、サンクコストとは「過去の無駄」、オポチュニティコストとは「現在の無駄」である。
人間は思っている以上に無駄なことに引っ張られているので、常に、

1、今やっていることを見直す
2、代替手段を比較検討する

という意識が必要となる。

2割の重要と8割の無駄があれば、8割の無駄を見直し、2割の価値に一点集中しよう。
強みに一点集中することで、他のプロジェクトに資源を分散せず、サンクコストを最小限に抑えることができ、深い独自性を構築できるため、分散した場合よりもオポチュニティコストも最小化できる。

無駄を省くことで得られる価値が最大化する。
売上や収入など得られる方ばかりを気にしがちだが、失うものを最小にする発想から、結果的に多くのものを得る視点も持ち合わせたい。

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