神通力
家内の職場の同僚に、Y子ちゃんは、いる。以前、「フィーバー」という記事を書いた。その記事の主人公である。
嘘か誠は分からないが、なんでも、携帯を2台所持していて、色々なチャットや掲示板を確認しているという。そこでアンケートや抽選などで得られる無料クーポンの情報を掴んでいるらしい。そして、そのホットな情報を、自分だけで利用するのではなく、家内を含めた同僚達に送ってくれる。
家内には、アルコール飲料や清涼飲料水系のものを提供してくれていて、これの当選確率が、格段に高い。正確に計算したわけではないが、我が家全体で見れば、恐らく70%は下らないだろう。
前の記事でも書いたが、私は、極端にくじ運が悪い。最初は、その、Y子ちゃんからの神通力による情報を持ってしても、なかなか抽選に当たらなかった。ところが、夏休み前ぐらいから家内よりも当たるようになったりした時期もあり、最近では高確率で家内も私も、両方とも当たるようになってきた。
つい先日も、Y子ちゃんからのフィーバー情報があり、その時には、推薦のコンビニ選択だけで無く、性別、年齢、銘柄まで指定があり、この条件でエントリーすると高確率で当たるという詳細情報が流れてきた。そして、私も、家内も、抽選に当選した。
考えてみれば、企業側は、こうしたアンケートなりで情報をとろうとしているわけであろう。ただ、それには企業側の思惑や操作がある。しかしそれは、ネットの中ではたくさんの試行者によって見破られる。そして企業の思惑や操作の裏をゆくような知恵とか経験が瞬時に共有されていく。凄い時代になったものだと、つくづく思う。
家内も、私も、そうしたIT次元での攻防には全く足を突っ込まずに、二次情報あるいは三次情報を共有してもらいつつ、月に何度か、新作の飲み物の試飲の御相伴にあずかっているのである。
家内も、私も。お互いの勝率がどうのこうのという争いの時代は、終わった。二人で、毎週のごとくY子ちゃんからのフィーバー情報に乗っかり、ちょっとした週末の楽しみを得ている。
世の中には、情報をきちんと扱って、それによって神通力を得ている、本物のITハンターがいる、ということだけは、なんとなく分かった。
そして、無料クーポンというものは、その商品を気に入ったら引き続き購入したり、コンビニ店に入店すると何らかの他の商品を購入してしまうので、結果的には企業の思うツボの部分もある。だが、小市民には、少しの期待と希望と満足感があれば、それでいいのだ。
さぁ、今度は、どんなフィーバー情報が、流れてくるだろうか。ちょっとした、楽しみだ。