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先々週末に車が事故に遭遇し、そろそろどうするかを決断しなければならないことになっていた。

先週いっぱい、保険会社、ディーラーと修理見積と、中古と新車でどのような条件になるかを検討する週となった。

今の車は、ニミバンだ。次女がスポーツをしていて遠征も多く、荷物も人も運ばねばならなかったこともあり、否応なしのところはあったが、私のお気に入りの車で、家内や私を含めた家族の命を本当によく守ってくれた。いわば戦友のようなものだ。

その長女も大学生となり私達親が出て行く機会はほぼ無い。ましてチームのために車を出すなどということは、全く無くなったのである。

家内は、毎日、車通勤である。使用頻度は圧倒的に家内で、必然的に家内の意見がほぼ決定権を握っている。

家内の要望は単純である。

①燃費がいい

②足回りが良い

③コンパクトカー

ただ、③を全うすると必然的に①と②はついてくるだろう。

私の好みは、何時でもみんなが乗れるゆったりした大きなワンボックスカーだ。そこだけでも、家内とは全く方向が正反対だと言ってもよい。

私は、実は、せめて今のミニバンのまんま乗り終えようと考えていた。そこに、先日のアクシデントだ。何事も無ければ……と、何度も思ったが、今さら仕方が無い。

もはや私の意見が通る可能性は皆無だった。

色々な要素を考えた。本当に、考えに考えた。家内とも何度もやりとりをした。だが、最後には以下の3点を考えて、新しいコンパクトカーを購入することに決めた。

①コンパクトカー

②安全性能、事故回避性能を保つ

③シニア層にもフィットする車種

ローン額は、少し高くなり少し長く払い続ける必要がある。この不安定な時代に、何とも贅沢な話だ。

今の若者は、我が家の長男を含めて、車なんて必要ないという人が多いと聞く。時間と空間とエネルギーの使う方向が、私の年代とは違うのだろう。

色々なことを考える。車が本当に必要なのかと。ただ、家内が通勤に車を使っていることからして、車の所持は不可避だ。しかもほどほどの田舎に住んでいるし、家族みんながほどほどの遠距離でバラバラに暮らしており私と家内お互いの実家も少し遠いことを考えると、やはり、車が無いという選択肢は、今の私達には無かった。

コンパクトカー購入決定の話を家族にすると、長女の反応は冴えていた。

なぜ、レクサスではないの?

いやいや。それはそもそも念頭にないぞ、長女よ。買えないよ、そんな高価な車は。

次女は、一言、

狭い

長男は、

全員でマイカー遠出は出来なくなったな

だった。

だが、みんなが口を揃えて言ったのは、

家族に何の相談もなしになぜ、決めたの?

だった。

みんな、貴重な意見をありがとう。払うのは、私だ。コンパクトカーになり、ローンも長くなることで、少なからず落ち込んでいる父に、励ましの言葉をありがとう。

必要書類のやりとりは、本日、すべて終了した。納車は、7月の末になるとのことだ。今の保険を使った代車は、ギリギリのところだろう。もしもレンタル期間がはみ出すようならば、ディーラーが新たな代車を準備してくれるという。

昼過ぎ、昨晩からの雨は、ほぼ上がった。だが、荷物の入れ替えは、新しい車の納車に合わせてしようということになった。

私の大志朗(だいしろう=今の車に、私は、名前をつけている)は、きっと、雨に濡れているのだろうと思いながら、店を後にした。



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