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忘れがたきエンドーチェーン盛岡中央店

自分は1970年代生まれで、多感な時期を盛岡で過ごし、しばらく東京にいた後、また盛岡に戻ってきました。そんな自分にとって、忘れがたい盛岡の思い出というと、エンドーチェーンです。


1. エンドーチェーンとは?

エンドーチェーンは、仙台に本社を置く企業です。従来はデパートなど小売業で良く知られていましたが、現在は、仙台駅前のイービーンズの運営など、不動産業が中心になっています。

残念ながら、現在の盛岡からは店舗が消えていますが、ピーク時には、中心である盛岡中央(肴町)店、飛島さんきょうプラザの1・2階に入居していた神明町店など5~6店舗あったと思います。

2. 子ども時代の思い出と言えばエンドーチェーン

子ども時代(1970年代終わり~1980年代)の自分は、岩舘電気や岩手川、石割桜のCMなどを見ながら育ち、愛のデパートというとサンビルでした。

そんな自分にとって、週末の楽しみは、家族で肴町に買い物に行くことでした。親世代は、肴町に行くことを「盛岡に行く」と言っていましたが、当時の盛岡市民にとって、それだけ肴町の存在は大きかったのです。そんな中でも、子ども心に印象に残っているのは、エンドーチェーンの思い出です。

2.1 エンドーチェーンのここがすごい1:豊富なイベント

この頃はデパート全盛の時代だっただけに、エンドーチェーンは豊富な資金力を背景にさまざまなイベントを開催していました。シーラカンスの化石に触ると証明書がもらえる「ザ・シーラカンス展」、同じく恐竜の化石に触ると「サウロタッチ証明書」がもらえる「大恐竜博覧会」、仙台開催ではありますが、「黄金のファラオ展」「バチカン市国展」「栄光のインカ帝国展」など、1デパートの枠を大きく超えた催しは子ども心に強く印象に残っています。この辺りの様子については、以下リンクの右上「エンドーチェーンの文化」に詳しく紹介されています。

また、大きいイベントがないときも、マスコットとのジャンケン大会(必ず後出しで負けてくれて賞品がもらえる)を開催しており、自分はもちろん、同世代の家族の憩いの場になっていたように思います。

2.2 エンドーチェーンのここがすごい2:充実した地下飲食店

エンドーチェーン盛岡中央店のもう一つの楽しみは、地下の飲食店街でした。ラーメンや定食のお店があったことも覚えていますが、特に印象に残っているのが「味の伊勢路」という屋号のお好み焼き・たこ焼き屋さんです。

これは、三重県のヤマゲンという企業が運営するチェーンで、買い物の後にここに寄ってお好み焼きを食べるのは本当に楽しみでした。当時は「大きくなって仕事をするようになったら、ここのお好み焼きを好きなだけ買ってお腹いっぱい食べたい」と思っていましたが、後のエンドーチェーン撤退とともに、その夢は残念ながら潰えることとなりました(泣)。

ヤマゲンさんは、冷凍たこ焼きを中心に、今でも操業していらっしゃるようですが、子ども時代の楽しい思い出へのお礼を伝えるために、いつか手紙を書きたいと思っています。

3.その後のエンドーチェーン

このように、一時は隆盛を極めたエンドーチェーンですが、西友やイトーヨーカドーなどの全国チェーン進出による競争激化などにより、1991年には盛岡中央店が閉店・撤退してしまいます。空き店舗は、しばらくWithというショッピングセンターになり、その後取り壊されて、周囲でひときわ目立つタワーマンションになりました。

右手前がエンドーチェーンの跡地に建つタワーマンション

4.エンドーチェーンがあるから今がある

盛岡の魅力として何を挙げるのかは、これまでこの街でどんな経験をしたかによるでしょう。もちろん、歴史的な古い街並みは魅力的であることに間違いありませんが、私にとってエンドーチェーンの思い出はかけがえのないものですし、おそらく同世代の方なら共感していただけるのではないかと思います。今の若い世代であれば、家族でイオンに行った思い出が同じような意味を持つかもしれませんね。

本店があった仙台市民を中心として、エンドーチェーンを愛する声は今でも見かけますし、最近も、サンドイッチマンさんともコラボしながら、エンドーチェーンTシャツが販売されています。当時のことを思い出した方はぜひお買い求めください!(エンドーチェーントートは私も欲しい)


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