Nob Koi

岩手県盛岡市の河南地区(盛岡城跡公園の川を挟んだ対岸)に住む筆者がこの辺りの暮らしについて綴ります。

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岩手県盛岡市の河南地区(盛岡城跡公園の川を挟んだ対岸)に住む筆者がこの辺りの暮らしについて綴ります。

マガジン

  • 盛岡市紺屋町マンション建設計画

    ニューヨークタイムズ「52の行くべき都市」でも選ばれた、古い街並みの残る紺屋町で計画中の14階建てマンションの建築によって懸念される点と経緯をまとめています。

  • 盛岡街歩き

    盛岡市河南地区に住む筆者が周辺の街歩きの様子を紹介するマガジンです。

最近の記事

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レーベン盛岡紺屋町(盛岡市紺屋町の14階マンション)建設計画に対する懸念

盛岡市紺屋町に建設予定の14階建てマンション、レーベン盛岡紺屋町に関しては、既にいろいろな情報が出されているようですが、概要をざっとつかむことができるサイトは今のところないようですので、こちらにまとめたいと思います。なお、私は盛岡市の河南地区(中津川南側の紺屋町を含むエリア)に居住しており、建設予定のマンションは徒歩圏内にあります。2024年2月9日の住民説明会には参加していないため、その内容は主に伝聞に基づいていますが、なるべく正確なニュアンスが伝わるように記載しているつも

    • 40年前も今も思いは同じ

      最近、京都新聞編『京都・町並散歩 町のかたちを楽しむ』という本を読んでいます。これは、京都の街を形づくる様々な造形を写真と文で紹介する本です。 この本の前書きには、次のような文章があります。 たしかに、ある程度の大きさの街ではこういうことがたくさんありそうです。 話はさらに続きます。 これもどこからともなく聞こえる話です。 続いて、本書は、街並み保存の重要性について訴えます。 私が住む盛岡市でも、紺屋町のマンション建設計画などで同様の事態が生じているので、とても耳

      • 新興住宅地出身者のジレンマ

        はじめに このnoteでは、盛岡市紺屋町に建設予定のマンションについても触れてきましたが、 最近、岩手山と岩木山を取り違えた事例により一躍注目されることとなりました。以下は、自分も含め、このニュースに怒っている人の気持ちを代弁するつもりで書いた記事です。 一方で、このような状況に対して、地元の方からも「山を取り違えたくらいで騒ぎすぎじゃない?」という意見を聞きます。実は、自分もその気持ちを良く分かります。一つの理由は、自分が新興住宅地出身だからだと思います。 1. 新

        • 「岩手山」と「岩木山」を間違えただけで怒っている訳ではない

          はじめに 盛岡市紺屋町の14階建てマンション、レーベン盛岡紺屋町については、このnoteでも2024年2月から継続して注目しています。 このマンションですが、先日、広告で「岩手山」と「岩木山」を取り違えながら「岩手山ビュー」を謳うという前代未聞の事態が発生してしまいました(以下の記事は、この件について従来から丹念に取材してきた河北新報さんのものです)。 これで、このマンションの建設計画に注目が集まり、今回の件を初めて知った方を含め、多くの方がディベロッパーの姿勢に疑問

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        レーベン盛岡紺屋町(盛岡市紺屋町の14階マンション)建設計画に対する懸念

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        • 盛岡街歩き
          8本
        • 盛岡市紺屋町マンション建設計画
          8本

        記事

          街歩きの友に最適!『もりおか歴史散歩【旧町名編】』

          こんにちは。今回は盛岡中心街の街歩きに最適な書籍の紹介です。 その名は『もりおか歴史散歩【旧町名編】』です。著者は文化地層研究会会員として活躍されている真山重博さん。もともとは、東北堂さん発行のミニコミ誌「アップル」で連載されていていた記事を書籍としてまとめたもののようですが、旧三戸町、旧生姜町、旧上田三小路など、旧町名で表される地域やその周辺を地図と一緒に裏話を紹介している本です。特に、エリアごとの概要図があるのは便利です。 初版発行は2009年ですが、前書きには「近年

          街歩きの友に最適!『もりおか歴史散歩【旧町名編】』

          「盛岡の水路跡を歩く」というすごいサイトを見つけた!

          興奮冷めやらず、今回は、すごいサイトの紹介をさせていただきたいと思います。 盛岡の古い街を歩いていると、ところどころに不自然なほど細い通路があったり、下に水が流れていると思われるコンクリートの歩道(暗渠)があったり、と、古い小川や水路の跡と思われるような場所がいくつかあることに気がつきます。 実際、八幡町にも「桜川跡」という昔の川があったことを表示する掲示がありますが、多くの場合は、言い伝えにとどまり、具体的にどこにどんな川が通っていたかはなかなか知る機会がありません。

          「盛岡の水路跡を歩く」というすごいサイトを見つけた!

          盛岡街歩き2024年4月~桜編

          Xの街歩きをまとめてみます。まずは、桜から。 まず、盛岡の桜というと石割桜。地元の方、観光客の方などたくさんの人が楽しんでいました。 つづいて、盛岡城跡公園(岩手公園)の桜。 桃源郷っぽい穏やかな雰囲気です。 枝垂桜もきれい。 夕方ライトアップ開始直後。まだ空が明るいです。 盛岡八幡宮にも桜が。

          盛岡街歩き2024年4月~桜編

          見慣れた風景がなくなるのはいつも一瞬

          まると@イワテライフ日記さんのポストで、若園町の立花テレビ商会さんが更地になったことを知りました。 この辺りは、私も散歩で良く通り、営業自体は止めているお店も多いものの、味わい深い通りだと思っていました。街が生きている限り、新陳代謝があり、土地が別な形で使われることはむしろ喜ばしいことかもしれませんが、形を大きく変えてしまったと聞くと、やはり一抹の寂しさがよぎります。 私が今の家に引っ越してきてから、自分が良いと思った街並みは(歴史的街並みでも、近代あるいは戦後の建築でも

          見慣れた風景がなくなるのはいつも一瞬

          KAGAYA「星空の世界展」

          岩手銀行赤レンガ館で開催されている「星空の世界展」を見に行ってきました。SNSへの写真撮影OKとのことで、いくつか印象に残った写真を紹介します。 会期は2024年4月7日(日)までとのことで、興味を持った方はぜひご覧ください!

          KAGAYA「星空の世界展」

          忘れがたきエンドーチェーン盛岡中央店

          自分は1970年代生まれで、多感な時期を盛岡で過ごし、しばらく東京にいた後、また盛岡に戻ってきました。そんな自分にとって、忘れがたい盛岡の思い出というと、エンドーチェーンです。 1. エンドーチェーンとは?エンドーチェーンは、仙台に本社を置く企業です。従来はデパートなど小売業で良く知られていましたが、現在は、仙台駅前のイービーンズの運営など、不動産業が中心になっています。 残念ながら、現在の盛岡からは店舗が消えていますが、ピーク時には、中心である盛岡中央(肴町)店、飛島さ

          忘れがたきエンドーチェーン盛岡中央店

          盛岡市長からの返信(紺屋町マンションについて)

          紺屋町の14階建てマンション建設について、下の記事でも書いたように、「市長への手紙」で景観計画との整合性について質問していました。 各部署との調整が必要ということで、少し時間がかかりましたが、先日市長から返信をいただきました。広報もりおかなどで公表される場合もあるようですし、特に公開を禁じるものでもなさそうなので以下に掲載します(ほぼ実名のアカウントですが、一応個人情報は削除しておきます)。 少なくとも、①今回のマンション建築計画が現行の法令や景観計画等に適合していること

          盛岡市長からの返信(紺屋町マンションについて)

          新興住宅地から盛岡市河南地区に引っ越して

          こんばんは。今日もお疲れ様です。 以前も少し書きましたが、私は盛岡北部の新興住宅地出身です(今は河南地区に住んでいます)。今日は、そんな自分にとって盛岡がどんな街であったか、それが今どう変わったかを書いてみたいと思います。 1.引っ越す前 自分の子ども時代(1970年代終わり~1980年代)は、週末の楽しみというと、家族で(古くからの商業の中心だった)肴町に買い物に行くことでした。当時の親世代は、肴町周辺に行くことを「盛岡に行く」と言っていましたが、当時の盛岡市民にとって

          新興住宅地から盛岡市河南地区に引っ越して

          茶畑・神子田(宮古街道)の底力

          先日新たに気づいたこと。 私の自宅の近くには、十六羅漢という「羅漢」像があり、その周辺は「茶畑」と呼ばれています。この地名の由来は、江戸時代に茶畑があったことから来ているようで、羅漢像がある、らかん児童公園には、それを記念して茶が植えられています。 ある日、ふと思い立って、十六羅漢の向こうの茶畑や神子田のあたりを散歩してみたのですが、そこには想像を遥かに超えた街並みが広がっていました…。 下の写真は、旧宮古街道沿いにある商家の1つ。これだけではなく、この通りにはこのよう

          茶畑・神子田(宮古街道)の底力

          大手ディベロッパー2社の織りなす好対照

          14階建てマンション、レーベン盛岡紺屋町の建設計画に関して、住民説明会の報道以来沈黙を守ってきた岩手日報さんですが、昨日「紺屋町まちづくりの会」が盛岡市長に要望書を渡したことについては報道してくださっているようです。 報道によると、BOOKNERD(ブックナード)店主の早坂大輔さんは「盛岡の景観を守ることは今まで互いの気遣いや性善説で成り立ってきたが、暗黙の了解が通用しないフェーズ(局面)に来ている」と述べていらっしゃるとのことですが、個人的には全く同感です。 これまでは

          大手ディベロッパー2社の織りなす好対照

          紺屋町マンションのディベロッパーに効果的に意見を伝える一つの方法

          1.はじめに 先日、盛岡市紺屋町のマンション建設計画に関する問題点などをnoteでまとめました。 この件については、地元FM放送局のラヂオもりおかの番組内で市民の声が取り上げられるなど、少しずつ表舞台で意思表明が行われるようになってきましたが、建築主である株式会社タカラレーベン側に住民の意思を効果的に、かつ正々堂々と伝える方法がないか私なりに考えてみました。 2.ディベロッパーに効果的に意見を届ける一つの方法一つの方法は、株主になることです。タカラレーベンは、2021年

          紺屋町マンションのディベロッパーに効果的に意見を伝える一つの方法