医療を支える!迅速・高感度免疫血清検査薬の必要性
由風BIOメディカルでは、現在、イークラウド株式会社の第39号案件として株式投資型クラウドファンディングを公開しています。受付開始24時間で目標額の約2倍(1,950万円)に到達!
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当社の主要な研究開発案件である体外検査薬関連のプロジェクト「迅速・高感度免疫血清検査薬の製品開発」について紹介します。
■背景
予防医学の推進に伴い、潜在的な疾病リスクを数値化する生化学検査(一次予防)や、免疫血清検査による疾病の早期発見・治療(二次予防)の市場が拡大しています。その一方で、生化学検査と免疫血清検査は異なる検出機序の検査機器を用いるため、医療機関は複数の検査機器を準備する必要があり、結果としてコストが増大するとともに検査効率が低下してしまっています。このことが医療財政を圧迫し、国民生活への影響が懸念されている状況です。
※生化学検査とは:例えば健康診断で調べるγGDPのように疾病そのものではなく「このまま放置しておくと疾病につながるかもしれない」リスクを数値化する検査です。
※免疫血清検査とは:疾病そのものの確定、重症度の判断、再発検査などに用いられる検査です。
■免疫血清検査の課題
1つ目は、産業構造上の課題です。
現在、生化学検査装置の国内シェアは日立ハイテク、旧東芝メディカル(現キヤノンメディカルシステムズ)、日本電子の3強で占められており、グローバルでも前記2社が大きく躍進しています。しかし、免疫血清検査装置および免疫血清検査用体外医薬品の国内シェアのほとんどを海外企業に奪われてしまっている状態です。世界情勢が目まぐるしく変化していく中、免疫血清検査を海外勢に完全依存する状況は、好ましいとは言えません。
2つ目は、医療コストと医療機関&患者さん視点の課題です。
背景に記載した通り、生化学検査装置と免疫血清検査装置の同時運用は、検査効率の低下にともなう医療コストの増加を招いています。また、1項目5分で完了する生化学検査に対し、免疫血清検査では1項目20分を要します。この検査時間の大きなずれは、検査行為の歩留まりを低下させ、医療機関には煩雑さを、患者さんには検査結果のフィードバックの遅れを強いてしまっています(検査結果のフィードバックが数週間後ということだと「早期検査」の有用性が減じられてしまいます)。
■課題解決に向けた潮流
生化学検査装置をベースに、生化学検査と免疫血清検査を1台の検査機器(ハイブリッド検査機器)で迅速かつ安価に提供しようという動きが加速しており、私自身、このようなハイブリッド型検査装置が、今後、スタンダードになることが期待しています。
しかし、このようなハイブリッド型検査装置が「当たり前」として受け入れられ、グローバルに広がっていくためにはクリアすべき大きな課題があります。それが、生化学検査薬と免疫血清検査薬の作用機序の違いです。特に、現在、免疫血清検査薬として使用されている「ELISA法」という方法は、検査感度に優れるものの検査の迅速性に課題があり、1項目5分でデータ取得を完了する生化学検査装置で運用することができません。
生化学検査装置の迅速性に対応でき、その上、現状の生化学検査装置を改造せずにそのまま搭載できる免疫血清検査薬の方式に「ラテックス凝集法」という方法があります。但し、「ELISA法」に対して検査感度が大きく劣っており、確定検査で運用するには現実的ではありません。逆に言えば、ラテックス凝集法でELISA法並みの検査感度を実現することができれば、ハイブリッド検査装置の市場投入が加速していきます。
このことから、ラテックス凝集法に基づく免疫血清検査薬の開発競争が過熱しており、その感度向上の肝になる「キーマテリアル(鍵になる原料)」であるナノ粒子をナノバイオロジー視点から高度に設計し、設計事項を具現化する技術力のある当社のような企業が注目されています。
■研究開発の波及効果
1つ目は、患者さん視点での効果を例示します。
免疫血清検査を受ける場合、現状の「ELISA法」に基づく免疫血清検査薬だと検査結果を得るまで時間がかかるため、「検査実施日」と「検査結果のフィードバック日」が別日程で設定されるのが一般的です。一方、「ラテックス凝集法」に基づく免疫血清検査は1項目5分で完了するため、即日検査結果のフィードバックを受けることができます。このことは、疾病の早期発見・早期治療につながるだけでなく、複数回の通院による患者の心身負担が軽減されます。当社が本店をおく沖縄県においては、別切り口でのメリットもあります。車移動が中心の沖縄県では、医療機関周辺で大げさではなくごく普通に患者さんの通院に起因する交通渋滞が発生します。患者さんの通院回数が減ると道路事情の改善にもつながります。
2つ目は、医療財政視点での効果を例示します。
高齢化社会や高額先端医療の保険適用が進む中、国の医療財政は深刻に逼迫しており、国民皆保険の維持が危ぶまれています。公的医療保険の持続可能性の確保は喫緊の課題です。2023年国内医療用医薬品売上において、「体外検査薬」は全体の22.4%と全体の約1/5を占めており、この部分を圧縮することができれば医療財政の健全化に対するインパクトが大きいです。現状、生化学検査と免疫血清検査はそれぞれ異なる検査機器を用いる必要あり、検査効率の悪さも相まって医療コスト増大の要因になっています。これに対し、「ELISA法」に検査感度で匹敵する「ラテックス凝集法」に基づく免疫血清検査薬が実現できれば、生化学検査と免疫血清検査を1台の検査装置で迅速かつ安価に実施できるハイブリッド型検査装置の市場浸透が進み、将来的な医療コスト削減に大きく寄与できます。
3つ目は、経済視点での効果を例示します。
現在、免疫血清検査装置および免疫血清検査薬の国内シェアのほとんどを海外企業に奪われてしまっています。これに対し、「ELISA法」に検査感度で匹敵する「ラテックス凝集法」に基づく免疫血清検査薬が実現できれば、生化学検査装置ベースのハイブリッド型検査装置の市場浸透が進みます。そして、生化学検査装置は、国内外において日立ハイテクや旧東芝メディカルをはじめとする日本メーカーの独壇場です。このことは、予防医療において重要な検査機器および体外検査薬の国内回帰が進むということです。経済視点で、外需依存から内需主導型に転換することによって8倍も効率的な経済成長が見込めるとされており、我が国の経済成長の促進に寄与することになります(消費が増え、物価が上昇し、給与が増えてくれると、2.6%の金利高時代に借りてしまった私の住宅ローン「フラット35」の前倒し返済にも大きく貢献してくれます!)
■最後に
当社では「ラテックス凝集法」に基づく免疫血清検査薬の研究開発をグローバルでも有名な医療メーカーをパートナーとして推進しています。特に、「キーマテリアル」であるナノ粒子について、既に開発の最終段階である生産検討を1品目完了しており、さらにナノ粒子4品目の研究開発に着手しています。
様々な潜在課題の潜む検査医療の業界が良い意味でのゲームチェンジしていく過程に、当社は、ナノバイオロジー領域におけるナノ粒子技術によって貢献していきます!
冒頭の繰り返しで恐縮なのですが・・・
由風BIOメディカルでは、現在、イークラウド株式会社の第39号案件として株式投資型クラウドファンディングを公開しています。受付開始24時間で目標額の約2倍(1,950万円)に到達!
申し込み締め切りの2024/09/25に向け、引き続きの応援をどうぞよろしくお願いいたします。
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