親友にカミングアウトされた私が伝えたいこと。
今月は #pridemonth ということで、ギリギリ6月中にセクシャルマイノリティー(以下、セクマイ)についての記事を書きました。
私の興味分野のメインは児童福祉ですが、セクマイの支援にも興味があります。
異性愛者の私がセクマイへの差別について問題意識を持つようになった、親友にカミングアウトされた経験について書こうと思います。
(※本人から許可を取って書いています)
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カミングアウトされたときのこと**
大学1年の後期、寮のルームメイトのインド人、スワちゃんと仲良くなってよくスワちゃんの部屋でおしゃべりしていました。
(その当時は英語で会話してましたが、ここでは日本語に訳して書き起こします。)
12月末のある日、いつものように話していたら、
「かすみちゃん、秘密を教えるね。絶対誰にも言わないでね」と言われました。
そして、
「私は彼女がいるの。私はバイセクシャルなの」と打ち明けられました。
私は驚きました。
「親友」と私に話していた子が、実は彼女だったのです。
私はもちろん差別するつもりはなかったし、スワちゃんのことが本当に大好きだったので、絶対にスワちゃんの味方であろうと思いました。
2017年12月当時、インドでは同性愛が非合法であったため、親にも言えなかったそうです。
(昨年、その法律は撤廃されました)
そして、日本では法律で禁止されてはいないものの、まだ偏見とかが残っているのでみんなの前では言えない、とのこと。
なので「好きな人いる?」とか聞かれると(本当は彼女がいるけど)「いない」と答えていたそうです。
次の日、「昨日はありがとう」ってLINEが来て、バイトの前に泣きそうになりました。
カミングアウトされて、自分も人に言えない秘密を抱えることになってしまい、すごく心苦しく、どうしていいか分かりませんでした。信頼してくれたのは嬉しいけど、とても複雑な気分でした。でも本人はもっと辛いんだろうなって、今までの苦しみを想像して、夜に1時間以上1人で泣いてました。笑
結局その数日後に家族に打ち明けて、ちょっと家族喧嘩になったものの、和解したみたいでした。
年末年始は私は帰省し、スワちゃんは東京に旅行に行ってました。
年が明けてお互いまた福岡に戻ってきてから、私は手紙を渡しました。
その内容を紹介します。
勇気を出して話してくれてありがとう。
正直戸惑ったし驚いたけど、ネガティヴな感情は一切なかったから、安心して。
周りに言えなくてきっと辛かったよね。
私も秘密を守らなければならない責任あるからそれがちょっと苦しいと思ったよ。
でも、スワちゃんが心から私のことを信頼してくれて嬉しい。
私はLGBTの人を差別する気持ちはなかったけど、特に気にかけてはいなかった。でも、無意識なバイアスはあったかもしれない。
身近にいなかったからちょっと他人事のように考えていたかも。
あなたのおかげで、当事者のことを気にかけることができるようになったよ。
無意識のうちに不適切な発言でスワちゃんを傷付けていた可能性があることを謝りたい。
私はあなたの味方だよ。
どんなスワちゃんも大好き。
この手紙の通り、私は今まで、セクマイの差別などの問題に対して、積極的に差別するつもりはなくても、多少は偏見を持っていたし、特に気にかけることはありませんでした。
しかしこの出来事をきっかけに、日本では「男と女がカップルになることが当たり前」という価値観が浸透していること、日本では同性婚ができないこと、パートナーシップ制度を導入してる自治体が少ないことがおかしいと感じるようになり、差別するような発言を不快に感じるようになりました。
英語の授業でLGBTについてのプレゼンをしたこともありました。
そのときにクラスメイトに「どうしてこのトピックに興味出たの?」って聞かれて、本当の理由を答えられず適当にごまかして、嘘をついたことに罪悪感があり、本当のことを言えないことが心苦しく感じました。
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実は意外と身の回りにいるセクマイ**
杉田水脈氏の問題発言には「おかしい」とTwitterやFacebookで意見しました。
すると、とある知り合い(外国人)から、自分はトランスジェンダーだと打ち明けられました。
アンケートの協力をお願いしたとき、見た目は男性なのに性別を「女性」と答えていたので、薄々気付いてはいましたが、ニュースに対して意見したことによって、私になら打ち明けていいと信頼してもらえて嬉しかったです。
その後も、さらに2人に打ち明けられたことがあります。
その2人は割とオープンでした。
サラッと言われて、拍子抜けしました。笑
その後、ちょっと驚いてたら「あれ?言ってなかったっけ?」みたいな感じでした笑
そのとき、最初にスワちゃんからカミングアウトされたときのような重苦しさはありませんでした。
ちなみに、イベントでゲイだと公表してる人にお会いしたこともあります。
このように、私の知り合いには把握しているだけでも5人のセクマイさんがいるのです。
日本人の13人に1人がセクマイだと言われています。
これだけの割合なら、気付いてないだけで、周囲の人間がセクマイである可能性は高いです。
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これらの経験で気付いたこと**
①セクマイであることを打ち明けられたとき、当事者がオープンにしてるかしてないかで、カミングアウトされた側の負担がかなり違うということ。
②セクマイは思ったより身近にたくさんいる。しかし、公にしていない人が多いため、自分には関係ないことだと思いがち。
将来は、「カミングアウト」という概念がなくなればいいと思っています。
異性愛者以外のセクシャリティーが「普通でない」から、カミングアウトという概念がある。でも、カミングアウトはすごく重大なことを打ち明けるニュアンスがあります。
ただ、性自認が実際の性別と違うとか、恋愛対象が異性とは限らないとか、それだけなんです。
私が自分を女性と認識し、男性を恋愛対象とするのと同じように、当事者にとってはそれぞれのセクシャリティが自然なことなのです。
セクマイの割合は左利きの割合と同じぐらいらしいです。
わざわざ、左利きであることを隠そうとする人とか、「私、実は左利きなんだ」と深刻な感じで打ち明けたりはしませんよね。
(右利き重視で作られているものが多いとか、左利きから右利きに矯正させられたとかいう問題もありますが、ここでは追求しません)
右利き左利きのように、セクシャリティーが人それぞれ違うことが当たり前のように認められていけばいいと思います。
セクシャルマイノリティーへの偏見をなくすことで、当事者だけでなく、カミングアウトされた側にとっても救われた気持ちになるのです。
セクマイへの偏見の意見を見ると、大切な友達が批判されている気がして悲しい気持ちになります。
最後に
この文を読んでくださっている皆さん、セクマイの人は思ったより身近なところにいます。
もしあなたの大切な友人が、セクマイだったら?
無意識に差別的な発言をしていないか、気付かないうちに人を傷付けていないか、
あなたの言動を振り返ってみてください。
このnoteを書くきっかけになったのは、本人がYouTubeで、不特定多数の前でカミングアウトしたからです。本当に勇気ある行動をしたと思うし、私も周りに堂々と言えるようになったことに嬉しく思いました。
全部英語ですが、よかったら見てみてください。