全世界株か米国株か
主にインデックス投資家たちの間で無限に議論されていることとして、「全世界株か米国株か」というのがある。読んで字のごとく、投資する株価指数として全世界株と米国株どちらがよいかというもの。
これについて、自分は「全世界株」派である。そして実際オルカンにフルインベストメントしている。
米国株派の言うことも割と納得できるし、確かに自分としても生きている間は米国株の方がパフォーマンスが高そうな気はしている。
しかしながら、そのような予想・分析……「読み」をなるべく排除するのがインデックス投資だろう、というのが自分の思想としてある。
米国株が全世界株をアウトパフォームし続ける場合、確かに全世界株への投資は機会損失となるが、だから何だというのか。
そもそもインデックス投資というのは、(レバレッジを考慮せずとも)全ての銘柄が全く同じ変動率でない限り必ず機会損失が発生する手法である。
機会損失上等。そんなに機会損失が嫌なら(レバレッジをかけつつ)株なりFXなりコモディティなり超短期でガチャガチャトレードしまくればいい。
「"近年の実績がより良かったから"全世界株ではなく米国株に投資する」というのは、ここのところ勢いがあるからといって個別銘柄に投資するのと本質的には大きな差がないように思う。観点がインデックス投資家のそれではない。
やはり自分としては、「より大きな市場の時価総額加重平均型インデックス」という基本に忠実でありたい。全世界株に投資するコストがあまりにも嵩むのなら考えものだが、米国株と遜色ないどころか商品次第では全世界株の方が優秀まである(オルカン等)。
全世界株も構成比率的に結局米国株みたいなものでは、というのも詮無きこと。
全世界株が米国株とそれほど変わらない=全世界株の大半(現状60%程度)を米国株が占めているのはあくまで結果論であって(ついでに、近年米国株の方が全世界株より良い上昇率なのも結果論)、なにも「米国株を約60%とする」ことが決まっているわけではない。
他国株が相対的に大きく上がったり米国株が相対的に大きく下がったりした場合、全世界株に占める米国株の割合は当然に下がる。
全世界株とはそういうものであり、現状における国や地域の構成比率……米国株偏重であることなどは、時価総額が正確に反映されている限り批判に値しないし、どうでもいい。
米国株と他国株のどちらが勝っても、全体として上がっていれば恩恵を受けられる……全世界株はそういうポジションである。他方、米国株にのみ投資した場合、他国株との相対的な立ち位置などの関係(あまり現実的でないが、逆転される等)でどうしても「読み」が発生してしまう。
なお、少なくとも自分の場合、全世界株の方が米国株よりも上がると予想しているわけではない。
自分はオルカンに投資しているが、例えば今後米国株のアウトパフォームが続いたとしても、その場合は「そういうオルカン」になるだけ。リバランスで順次適応していき、結果的に米国株99%になろうが(逆に1%になろうが)それ自体は何の問題もないし、「読み」も対応も必要ない。
※全世界株派の利益が米国株派を上回るのは他国株のアウトパフォームというパターンだが、現状の構成比率的に、米国株派だけでなく全世界株派にとっても米国株の上昇こそが最も利益につながる。
基本に忠実に、「読み」を排除し、一貫したシンプルな投資行動を——。そんな考えから、自分は全世界株に投資している。