「夏の四国あちこちきっぷ」で巡る四国旅 (3日目 その3 [終]): 旅の締めくくりは定番観光地で
前回のあらすじ
高知→香川→愛媛と一周して高知県に戻ってきて、地元のうなぎ屋さんで豪華ランチ、そして高知市内の市場で鰹のタタキと地元グルメを満喫しました。最終日3日目の夕方、これから最後の観光地に向かいます。
高知の超定番スポット・桂浜
高知の観光地といえば思い浮かべる方も多いと思われる、坂本龍馬像で有名な「桂浜」。高知市街からバスに30分ほど乗って行きます。
桂浜といえば、やはりこの像でしょう。
Webの観光ガイドには、この岩場(龍頭岬)の先端まで行けるという情報もありましたが、現在はご覧の通り立入禁止となっていました。
もう日も傾きかけていますが、夕暮れの風景もよいものです。
岬の先端にある海津見(わたつみ)神社まで行ってみます。海や漁業の神様です。
一段高い所から見る海も綺麗です。海の底のほうが少し透けて見えます。浜辺に打ち寄せる波の音も含めて大迫力でした。
一通り散策したら、足早にバスで桂浜を出発します。桂浜水族館などはまた今度。
交通渋滞もあって10分ほど遅れて高知駅に戻ってきましたが、乗りたい列車には間に合いました。
この時間から「乗り鉄」してみる
もう最終日の夜。この時間まで高知にいると、東京方面の最終の飛行機には間に合いません。特急で岡山まで行っても、東京行きの最終の新幹線に間に合いません。ということで、帰りは夜行バスです。
高知駅からバスに乗っても帰れますが、せっかく鉄道の乗り放題チケットを持っているので「乗りつぶし」をしておこうと思いました。今回は、乗ったことのなかった「徳島線」を使って徳島まで行き、そこから高速バスに乗ります。高速バスより特急のほうが座席が快適なので、なるべく高速バスに乗る距離を減らしたいという動機もあります。
特急車内で駅弁でも食べようと思ったのですが、夜になると何も残っていません。駅構内のセブンイレブンの売店にあった普通のお弁当になりました。
高知駅の改札を入ります。この旅で自動改札機を見たのは、結局ここだけだった気がします。
高知駅の改札を入ると、「アンパンマン列車ひろば」なるジオラマが設置されていました。
『アンパンマンのマーチ』のメロディとともに、駅の発車案内放送が流れます。これから乗る特急は、またも赤いアンパンマンでした。最後の最後までアンパンマンにはお世話になりました。アンパンマン列車の百万人あまりの乗車実績に対して、3日間で5人分の貢献をしたことになるはずです。
高知を出て最初の特急停車駅が、1日目に訪問した後免(ごめん)。これでついに四国の西半分を一周したことになります。
最後の最後に最大の危機?
しかし何やら途中から様子がおかしい。信号待ちで長い時間止まります。おそらく対向列車が遅れていて、交換待ちをしたのでしょう(単線 [線路が1本しかない] の路線なので、専用の設備のある駅でしか行き違いを行うことができません)。徳島線への乗り換え時間は時刻表だと4分なのですが、乗っている列車は10分遅れに。ああ、終わったか。
しかし、これは覚えておいて損しません。JRの場合、このような本数の少ない地域では、列車に遅れが出た場合でも、乗り換えできるように乗り換え先の列車が待ってくれることが多いです。乗換駅(阿波池田駅)の1つ手前の駅を出発したところで、接続を取りますという放送がありました。おそらく大丈夫かなと分かっていても、案内が流れるまではヒヤヒヤしていました。
無事乗り換えに成功。出発を待ってもらっているので、駅や列車を悠長に記念撮影している暇はありません。さっさと乗ります。
今までの特急列車は割と新しいものばかりでしたが、この徳島線の特急の内装は打って変わって古めかしい雰囲気。調べると国鉄時代にできた車両のようです。
この徳島線は吉野川に沿って走っていて、車窓から川の景観を楽しむことができ、四万十川と同じくトロッコ列車が走るそうです。ただ、外はもう真っ暗で何も見えませんでした。
何人かの方と一緒に徳島方面に乗り換えたのですが、駅に止まるごとに人は減っていき、気づけば同じ車両には他に誰もいなくなりました。初めて来た場所で、窓の外は真っ暗、周囲には誰もいません。少し心細い気分でしたが、年配の車掌さんが阿波弁で話す車内アナウンスがとても温かく感じられます。
無事に徳島駅まで来ることができました。
さよなら四国
3日間で約700km、四国を大移動する旅になりました。13000円の乗り放題チケット、元は十分に取れています。2万円分以上は乗ったはずです。
高速バスに乗り込み、翌朝東京に到着。2泊「4日」の旅が無事に完結となりました。
初日の飛行機の遅れに始まり、最終日の特急の遅れに終わる。最初から最後までドタバタでしたが、旅程崩壊の危機も何とか切り抜けました。無事に帰宅できれば、何事もいい思い出になるでしょう。終わりよければ全てよし。<完>