なぜお酒好きのぼくがノンアルコールスタートアップで挑むのか
先日、資金調達、並びにPairingTeaの予約販売リリースを出させていただきました。YOILABOの播磨です。
以前はもっぱらビジネススキル系の記事を書いていたのですが、これからはそういったことも引き続き発信しつつ、ちょくちょく弊社、YOILABOとしての思想を綴っていこうと思います。
ノンアルを売るが、ぼくはめちゃくちゃ酒を飲む
今回「ノンアルコール・クラフトドリンク」と銘打ってリリースを出しました。
が、そもそもぼくは普通にお酒を飲みますし、なんならめちゃくちゃお酒が好きです。
ただお酒の「どこ」そして「なに」が好きかと問われたとき、そこには2つの好きが内在しています。
【お酒の「味」が好きだから?】
いいお酒はとても美味しいです。そこそこお酒の銘柄も知っていますし、お酒が美味しいから。という理由で飲食店を選ぶこともしばしば。
ぼくは特にクラフトビール、日本酒が好きなのですが、お酒自体の味、のどごしが好きで飲んでいます。高揚感はついでと言えばついでです。
ただ最近ノンアルビールを一日2本ずつくらい消費(Amazonで箱買い)しているので、もしかしたら炭酸しゅわしゅわしてて少し苦ければなんでもいい説もでてきています。
【「味」以上にお酒の「場」が好き】
もちろん特別美味しいお酒を飲むときはお酒そのものが目的になることもあるのですが、大抵の場合人とカジュアルにおしゃべりをするための、もしくは美味しいご飯を食べたくて人を誘う、口実・手段であることがほとんどです。
なので別にお酒がなくてもいいんですよね。人とお話できる口実があればなんでもいいし、そこに美味しいご飯があればなおよし、という感じ。
集まってみんなで楽しくおしゃべりをする。ときにはビジネスの難しい話、ときには下ネタまじりの恋愛トーク。そういうのが大好きなんです。
そして生じる酒飲みと下戸の溝
ぼく、すっごいカジュアルに「飲み行きましょう!」って言っちゃうんですよ。
でもこれ、お酒を飲まない、飲めない人からしたらめちゃくちゃ嫌な言葉らしく、それを初めて聞いたとき目がまんまるになりました。
お酒を飲む人って、何気ない一言でめちゃくちゃお酒が飲めない人を傷つけているんですよね。
そしてお酒が飲めない人って、実は日本人の半分くらいいるんです。それなのに令和のこの時代に、未だに不遇な扱いを受けているんです。
【酒飲みが誘ってもこない下戸。そりゃそうだ】
甘いのが苦手な人に、「ケーキを食べに行こう!」
辛いのが苦手な人に、「火鍋屋に行こう!」
そう、お酒が飲めない人に「飲みに行こう!」 と誘うのは、つまり上のセリフと同じこと。
そりゃあ行くわけない。そんな当たり前のこと、みんな知ってるはずなのに、便利な定型文「飲みに行こう」がつい口から発せられ、悪意なく飲めない人を悲しい気持ちにしてしまいます。
【とある原体験からYOILABOは生まれた】
原体験厨ではないので正直原体験があろうがなかろうがどっちでもいいんですが、YOILABOは私の体験から誕生しています。
ぼくは前述したとおり、すっごいカジュアルに人を飲みに誘います。
最近はバタバタしてそこまでですが、一時期までは一度も誘いを断ったことがないし、めちゃくちゃ人のことも誘ってました。
【ご飯に誘うも断られる。ぼくが悪いのか、酒が悪いのか】
ただ創業前、結構断られることがあったんですね。
それはもちろんぼくの誘いを疎ましく思っていた方もいると思います。悲しくなってきた。
ただ口実として「自分、飲まないんで大丈夫です」みたいな断られ方が多かったんです。
【はたして誘い方が悪いのか】
でもこれって「飲みに行こう」って誘い文句が悪いんでしょうか。
そうだとしたら、「ご飯に行こう」だったら、誘ったみなさんは来てくれたのでしょうか?
実際言葉を「ご飯行きましょう」に変えても、「自分、お酒飲まないんで大丈夫です」と断られていました。ぼくは悪くなかった。
みなさん、お酒が原因で食事の誘いを断ったこと、ありませんか? 飲まない人を誘いづらかったりしたこと、ありませんか?
【この溝を埋めることがYOILABOの使命】
”世界からお酒の不公平をなくす”
これは弊社のミッションであり、使命になります。
弊社がやりたいことというのはとどのつまり、この両者間の橋渡し。コミュニケーションのハブになることを目指しています。
「飲みに行こう!」と誘われて断る人は、単純に「お酒を飲む場」にいいイメージがないから断ることがほとんどです。
それはもちろんお酒を飲む人たちのマナーのこともあるとは思います。例えば
・飲まないことで変な気を遣われる
・飲むことを強要される
そして、場や状況に不満を抱えている人
・ノンアル飲料の品揃えが少ない
・安いソフトドリンクだけで飲んだ人と同額を払わされる
もかなり多い印象です。
「飲みに行こう!」という言葉ではなく、飲みに行った先に大きな不満がある、というのが現状です。
変えなければならないのは言葉以前に、この状況。
飲みたい人は飲めばいいし、飲みたくない人は飲まなければいい。そんな当たり前のことができてない、今のアルコールをとりまく状況がつまりは異常なんです。
なぜ「ノンアルコール」という手段なのか
それではなぜ、異常な状態をどうにかするための手段が、ノンアルコール・クラフトドリンクというプロダクトを作ることなのか。
それは最も事業性があり、かつサスティナブルなものであり、拡張性が視えた手段だからです。
【体(たい)を成さない思いは徐々に薄れていく】
どれだけ下戸の不遇をぼくが訴えようと、下戸の方たちが訴えようと、その思いは体を成さない限りどんどん薄れていきます。
人の思いはとても儚く、移り変わるもの。
その時感じた怒り、悲しみは徐々に呆れに、ついにはあきらめてしまいます。。
それを形として留めるためには、何かしらの「体(たい)」をなす必要が。
その体となりうるのが、私はひとつのプロダクト、ブランド、ないしは企業だと考えます。
そしてその継続的な体を成すために必要なのが、事業性。つまりはサスティナブルにその体をなし続けるための性質だと考えます。
【では「場」や「サービス」は選定外なのか】
もちろんそういった場やサービスを作ることでもひとつの体をなし、思いを留め、そこから変革を起こすことはできるでしょう。
現に弊社に株主として入っていただいている藤野さん(著名な投資家の方です)はフェイスブックグループで「ゲコノミスト」という、下戸が集まって情報交換をしていくグループを運営しており、今では3,500人もの下戸の人が集まっています。
ですがそれは藤野さんの力があって初めてできること。ぼくみたいな若輩には到底真似できません。
【いまぼくが、ぼくたちがこの世界を変えうる、最上の手段】
今ぼくが、YOILABOができる最高のアプローチは何か。この不遇にまみれる状況を改革するには何をすればいいのか。
そう考えた時に、最もペインを抱えている人の問題を解決でき、かつサスティナブルであり、その先の道筋、5年後、10年後の拡張性がある。
そういったあらゆるポテンシャルを確認できたのが今選択しているノンアルコール・クラフトドリンクのD2Cという事業形態だったというわけです。
ただいずれは場やサービスの方にも手を出していく予定ですので、楽しみにお待ちしていただけるとうれしい限りです。
【そして作った、ノンアルとは一線を画す Pairing Tea】
飲まない人の不遇を解消する簡単な方法があります。それは酒よりイケてるものが食事の場にたくさんあればいい。
ただ現状では、食中における飲めない人の選択肢が全くといっていいほどないんです。
藤野さんの言葉をお借りするなら、烏龍茶がぶ飲み大会なわけです。
【ノンアルビールはビール好きしか飲まない】
現行のノンアルコールはお酒のイミテートで作られているものがほとんど。
ただしそれはお酒を飲む人が喜ぶものであり、ビールを嫌いな人がノンアルコールビールを好きなことなんて、まずありえません。
そして定番のオレンジジュースやコーラ。確かに美味しいんですが、どうしてもチープ。こどもも楽しめるものなので、安っぽさが出てしまう。
この辺は昨日ご掲載いただいたTechCrunchにいい感じにまとまっているので、よろしければぜひご覧ください。
【嘆くよりも、プロダクトで殴る】
だったらそういう状況をどうにかするしかない。
オトナが特別な時間に楽しめる、最高に雰囲気があって、美味しくて、そして誰にとっても意義のあるものを作ればいい。
飲酒を強要したりするようなダサいやつを探し出して思想を啓蒙していくよりも、そういうやつらが「逆にダサくなる」ようなプロダクト、ないしカルチャーを作っていけばいい。
そんな無茶をひとつずつ形にし、プロダクトに落とし込んだ。なんとか落とし込めた、第一弾のブランドが「PairingTea」というわけです。
6月には家庭向けの新商品も…!!
というわけで、YOILABO株式会社は「飲まない人のスタンダード」となるべく、ガンガンやってゆきますよ。
今回はB向けプロダクトのリリースでしたが、次はすぐにC向けプロダクトのリリースです。
気になる方は10秒で終わるので、コーポレートサイト、B2C BRANDSからメールアドレスをご登録いただいて案内をお待ちください!(メールをご登録いただいた方から優先案内となります。)