プロマネは料理で例えると上手くいく
「プロジェクトマネジメント」というと、エンジニアが作業工程を管理するものだと思いがちですが、むしろ非エンジニアこそ徹底すべきものだと思います。
社内、及びチームに向けて参考になる資料を探したのですが、どうもネット上に転がっているものはエンジニア向けの難しいものばかりだったので、自分でまとめてみました。
その名も「料理で例えるプロジェクトマネジメント」
社内で使用したスライドも使って、簡単に説明していきます。
プロマネは誰がやるのか
主にマネージャークラス、責任者クラスの人が該当するように思えますが、実際のところそうでもありません。
例えば弊社の直近の事例をあげると、「魚の臭いに効くハンドソープを作ってよ」と言われた際に、任された人は何をどういう手順で行っていくかといったところですね。
これはマネジメント経験がない人でもいきなり任せられる可能性があるので、まぁぶっちゃけいうと全員知っておいて損はないです(弊社は実際に営業の社員がプロジェクトを担当しました)。
プロマネは料理と一緒
みなさんが「カレーを作れ」という指示を受けた場合、どういった作業をどういった手順で行いますか?
じゃがいもを買って、にんじんを買って、カレールーを買って…
じゃあこれが「カリーアヤムを作れ」という指示だった場合はどうしますか?
その、「カリーアヤムを作る」作業こそが、プロジェクトの進め方、いわゆるプロマネに昇華できるのです。
プロマネ手順1:ゴールと必要リソースを調べる
【ゴールが何かを調べる】
ここからは全てカリーアヤムを作るものとして説明をしていきます。
上司から指示された「カリーアヤム」を作らなければならない。さて、みなさんは始めに何をするでしょう。
大体の人はまず、カリーアヤムが何者、もしくは何物なのか、調べます。
これはプロマネでいうゴールの状態を調べる作業に該当します。GoogleでもYahooでも何でも構いません、検索エンジンを使って調べましょう。
【最低限必要なリソースを調べる】
ゴールが何か分かったら、今度はカリーアヤムを作るのに必要な材料、道具を調べて洗い出します。じゃがいも、にんじん、カレールーがいる、大きな鍋もいるな。といった具合にです。
これに関してはコツがあるので、コツはスライドにまとめています。
プロマネ手順2:最低限必要な作業を洗い出す
これは先の「最低限必要なリソースを調べる」と同時並行、もしくは逆の順序で行われる場合もあります。
まぁ料理で例えるならこの順番が正しいでしょうね。
【最低限の作業を洗い出す】
じゃがいもとにんじんを買いに行く必要があるな。調理のときも、まずは下ごしらえ→炒める→煮込むといった具合に、作業をひとつひとつ洗い出していきます。
【作業からタスクへとブレイクダウン】
先に説明した作業には「タスク」というものが内在します。
例えば「下ごしらえ」というひとつの作業には、
・包丁とまな板、ざるを用意する
・じゃがいもとにんじんを用意する
・じゃがいもを洗う
・じゃがいもの水気を切る
・じゃがいもの皮を剥く
・じゃがいもを一口大に切る
・切ったじゃがいもをざるにいれておく
・にんじんを洗う
・にんじんの水気を切る
・にんじんの皮を剥く
・にんじんを一口大に切る
・切ったにんじんをざるにいれておく
という複数のタスクが内在しています。
※じゃがいもとにんじんのみとした場合。実際はもっと具だくさんです
このタスクの洗い出しは粒度を自ら決めておくことが必要で、バラバラの粒度にすると後から苦労します。
粒度はプロジェクト全体の工数などから決めるといいでしょう(長ければ粗く、短ければ細かく)。
プロマネ手順3:何に重きを置くかを決めておく
次に、もしくは一番最初でも構いませんが、どんなカリーアヤムを作るかを事前に決めておきましょう。もしくは、指示をした人に聞いておくようしましょう。
【最大限使用できるリソースは把握しておく】
ここで必要なことは、最大限使用できる経営リソースを把握しておくことです。
経営リソースとは、経営上必須となるリソース「ヒト・モノ・カネ」のことを言います。
これらをあらかじめどの程度使えるのかによって、どこに重きを置くか、もっと精確にいうとどこに重きを置けるかが決まってきます。
【QCDを意識しよう】
生産管理の用語で、生産時に重視される項目の頭文字をとった「QCD」というものがあります。
これらは
Q=Quality→品質
C=Cost→価格(費用)
D=Delivery→納期(スピード)
で、最大限使用できるリソースをベースにして、どこに重きを置くかを決めておきます。
例えば、お金はいくらでも使っていいから(最大限使えるリソースがカネ)とにかく早く作ってくれ(Dを最速に)、となった場合の有効な手段について考えてみましょう。
この場合もっとも有効な手段としては、アウトソースでの人海戦術でしょう。品質と費用にはこだわりが無いため、とにかくカリーアヤムを作れる人材を片っ端から集め、作らせるといった具合でしょうか。
このように、最大限使用できるリソース×QCDの注力箇所は、プロジェクトを進める上での共通認識として必ずもっておきましょう。
ここの認識が共有されていないと、齟齬が生じてマズいカリーアヤムが最速でできてしまったり、いつまでたってもできあがらない、ましてや予算が尽きてしまう、という事態が起こりかねません。
くれぐれも気をつけましょう。
プロマネ手順4:プロジェクトの全体像を見積もる
【全体にかかる時間、工数を見積もる】
リソースとタスクの洗い出し、QCDのどこに重きを置くかが決まったら、最後にプロジェクト全体にかかる時間及び工数を見積もりましょう。
こればっかしは予測が介在するのですが、各タスクにどの程度の時間がかかるのか、なるべく論理建てて見積もっていきます。
この時に気をつけたいことは、各タスクが複数人によって同時並行された場合の重複排除や、個々の能力値による時間の伸縮はある程度把握しておく必要があるということです。
【全く予想がつかないタスク及び作業は、フェルミ推定】
前例がなく、全く想像もできないようなタスクに対しての工数や費用感の見積もりには「フェルミ推定」が便利です。
フェルミ推定とは、物理学者のフェルミさんが提唱した、通常知り得ない数値や結果を、知りうる情報を駆使することで導き出す計算方法のことを言います。
これを使うと、東京都のマンホールの数なんかも計算できちゃいます。すげえ。
スライドでは軽く解説していますが、ここで解説すると2万行くらいいきそうなので割愛します。ググってください。
【必要コストの算出】
ここまでできて、ようやくプロジェクトの全体像がつかめます。きちんと工数、コストがつかめたら、プロジェクトの全体像(作業内容等も含む)を上司に報告しましょう。
上司からGOがでたら、ようやくプロジェクトスタートで……ではありません。
あなたが行うのはマネジメント。ここからは「プロジェクトメンバー」をマネジメントする必要があります。
プロマネ手順5:マイルストーンの設定
プロジェクトメンバーのマネジメントは、非常にセンシティブなものです。不測の事態はもはやつきもの。
なるべくそういった事態が発生しても素早く対処できるよう、行き当たりばったりでプロジェクトを進めるのでなく、予め決められることは決めておくのが無難です。
そこで、プロジェクトにも共通して決めておくことができるのが「マイルストーン」です。
マイルストーンとは、物事の進捗を管理するために、節目節目に設ける報告のタイミングのこと。
ようは、ホウレンソウのタイミングを意図的にマネジメント側で設けてやるのです。
これを設定しないとどうなるかと言うと、例えば作業が9割終わった段階で確認したら全く違うものができていたとか、もうすぐ作業が終わると思っていたらまだ2割程度しか進んでいなかった。という事態になりかねません。
そうなった場合、部下やプロジェクトメンバーにも非はありますが、一番の責任は進捗を管理できていないマネジメント側にあります。
そうならないためにも、プロジェクトを開始する前にマイルストーンは必ず設けるようにし、進捗にズレが生じた場合は修正を随時行うようにしましょう。
プロマネラスト:ここまでやって、やっとキックオフ
ここまでの作業が終わり、ようやくキックオフ(プロジェクトスタート)です。
ですが、キックオフ後もチームの統率やズレの修正、プロジェクト終了後もきちんと内容を振り返り、報告書にまとめ、チーム、そして組織のナレッジとして共有する必要もあります。
今回はプロマネのキックオフまでの流れを重点的に説明しましたが、何が言いたかったのかというと「準備はとっても大事」というところですね。
きちんと準備をしておくことで、たとえ準備にそれなりの時間がかかったとしても長期のプロジェクトであれば必ずそれ以上の時間の短縮が可能です。
逆に気をつけてほしいのは、あまりにも短期のプロジェクトでここまで細かくやると、若干スピードが落ちてしまうということです。
飽くまで2週間以上を要するような、中長期間のプロジェクトをマネジメントする際に今回の内容を意識するようにしてください。
今回の内容を簡単にスライドにまとめていますので、気になる人は続きにリンクを貼っていますので、そちらからダウンロードしてください。
今回紹介しきれなかったコツやらなんやらもまとまってます〜
投げ銭スタイル
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https://www.slideshare.net/secret/ipy7IzEBgFPOJp
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