【ライター必読】平仮名、かたかな、カンジの使い方
みなさん、日本語の三大表記であるひらがな、カタカナ、漢字を上手く使い分けられますか?
これらはそれぞれ「文字」としての性質を持っており、伝えたいことがあるとき、使い分けによって相手に与える印象をガラッと変えてしまいます。
目次
1. 各表記の特性を知る
2. 「可愛い」はかわいくない
3. 「綺麗」なのか「キレイ」なのか
1. 表記の特性を知る
【平仮名じゃないし、カンジじゃない】
まずそれぞれの特性について。
本記事のタイトルをひと目見たとき、恐らく大抵の人は違和感を覚えたのではないでしょうか。
- 「ひらがな」という字をカタカナで書いたり、漢字で書いたりする人は少ないと思います。
- 「カタカナ」という字をひらがなで書いたり、漢字で書いたりする人は少ないと思います。
- 「漢字」という字をひらがなで書いたり、カタカナで書いたりする人は少ないと思います。
それは何故か。
人は無意識のうちに自分がよく目にしている表記を正しい表記として思い込み、三大表記の選択において利用する文字を、無意識下でマジョリティの利用シーンによせてしまうからです。
詳しくは後述しますが、それはマジョリティに伝える文章としては圧倒的に正しい文章と言えます。
【ひらがなの特性】
みなさんはひらがなを見た際、どのような印象を受けるでしょう。
「きょうは、いいてんきです」
この文字面を見て、かわいらしいと思った方は決して少なくないはず。
それには2つの理由があります。
1つ目は「ひらがなは三大表記の中で一番最初に習得する文字」だということ。
上記の文を読んだとき、小学生が書いているような印象を受けた方は正しい環境で教育を受けて育った方です。
人は連続したひらがなを見ると自然に幼子を連想し、そこからかわいらしい印象を受け取ってしまいます。
そして2つ目は「単純に丸みを帯びている文字面が多い」ということ。
後に述べますが、他の三大表記と比較してひらがなは全体的に丸みを帯びており、ソフトな印象を読み手に与えます。
私たちはこれらのことから「ひらがなはかわいらしい」というステレオタイプを、深層心理のレベルで刻み込まれているのです。
【カタカナ、漢字の特性】
逆にカタカナや漢字というのは、字の中に角度がついているものが多く格式張った印象を私たちに与えます。
漢字は特に固い印象を読み手に与えるので、法的な文書や少し強めの印象を相手に与えたい際は漢字の多用が有効になることもあります。
強さのレベルで表すと、漢字が一番強く、ひらがなが一番弱い、その中間にカタカナが位置しているイメージです。
ただ全てがこのルールに当てはまるわけではなく、例えば和製英語はカタカナにしたほうが読みやすいなどの制約も存在します。
以下ではそのルールや制約からはみ出るような、「与える印象」が表記ごとに異なる面白い言葉を紹介しましょう。
2. 「可愛い」はかわいくない
【かわいいのか、可愛くないのか】
・あの女の子は可愛い
・あの女の子はかわいい
上記2つの文、どちらが本当にかわいいのでしょうか。
文を書く際、読み手には2つのことを伝えなければなりません。
それは「意味」と「印象」です。
上記の2文では読み手に伝わる意味は同じですが、読み手に伝わる印象はガラリと変わってきます。
【かわいさを表す言葉はひらがな表記が吉】
飽くまで1つの手法、1つのパターンにはなるのですが、かわいさを表す文を書くときはひらがな表記にすることが望ましいです。
「可愛い」と「かわいい」では、後者のほうがかわいい印象ではないでしょうか。
これは飽くまで読み手に対する印象操作にはなるのですが、こういった気遣いを文の1つ1つに対して行えるかどうかによって、相手に与えようとしている印象の伝わり方が大きく変わってきます。
他にも例を出してみましょう。
【ゆうこすはかわいい】
かわいいの伝道師。モテクリエイターの「ゆうこす」さんをご存知でしょうか。
彼女、名前からしてかわいいですよね。これが例えば
「ユウコス」
だったらどうでしょう。
何かスピリチュアルなものを感じるようになりました。占い師界隈にいそうですね。それでは
「モテクリエイター裕子」
だとどうでしょう。
田舎のヤンキーみたい?しっくりくる表現が見つかりませんが、少なくともそこまで人気は出なさそうです。
ゆうこすさんは「ゆうこす」だからこそかわいく、正義なのです。
3. 「綺麗」なのか「キレイ」なのか
【綺麗だ 綺麗だ 目を見て言うよ】
少しゆうこすさんの話で熱くなってしまったのでここでクールダウンします。
「きれい」という言葉について、最近話題になりましたよね。
「きれい」という言葉にはいくつか同音の意味があり、ひらがなで使うことは少なく、どちらかというとカタカナや漢字で使うことの多い言葉だと思います。
ではこの「きれい」の使い分け方について、例文を見てましょう。
・君の脚はとてもキレイだ
・お風呂を掃除したので、とても綺麗だ
この2つの文を見て違和感を覚えた人はかなりセンシティブな人ですが、その違和感を少なからず覚える人が必ずいます。
それは各文字が使われているシーンが脳に刷り込まれているからでしょう。
【整った「綺麗」】
「綺麗」という漢字表現は、どちらかというと造形美、そのデザイン性を賞賛する際によく使用される表現です。
なので
・このお皿はとても綺麗だ(形や模様が美しい)
・この彫刻はとても綺麗だ(形や模様が美しい)
といった風に使われます。
これを
・このお皿はとてもキレイだ(洗った結果清潔になった)
・この彫刻はとてもキレイだ(他の彫刻は汚いけど、この彫刻だけ手入れされているイメージ)
とカタカナ表記にすると、このように全く違った印象が読み手に伝わってしまいます。
【清潔感を表す「キレイ」】
逆にカタカナ表現の「キレイ」というのは、清潔感を表す際に多用される表現です。
なので
・このトイレはとてもキレイだ(清掃が行き届いている)
・うちの床はキレイにしている(清潔感を保っている)
などといった表現で使われることが多いです。
この表現を先ほどのように
・このトイレはとても綺麗だ(なんかすごいトイレ)
・うちの床は綺麗にしている(大理石などで見栄え良くしている)
とすると、また少し意味合いが変わって読み手に伝わってしまうわけです。
【ゲシュタルト崩壊しました】
ここまで文を書いてきて、完全に脳がゲシュタルト崩壊を起こしてしまいました。
なので今回はここまで。
正直今回紹介したテクニックは、日常的に使えるようなテクニックではないのでそこまで意識する必要もないかと思います。
が、専門のライターや編集者は意識して当然のテクニック。
相手に意味だけ伝わるだけでなく、その情景が伝わってこそ一流の編集者と言うものでしょう。
まぁ私はまだまだ3流くらいなんですけどね。
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