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ADHDの私が一人暮らし8年目で初めて家事が習慣化した話


始めに

初めまして。fujiと申します。
エンジニアをしております。北の大地で震えながら暮らしています。

さて、タイトルに、ADHD(注意欠如・多動症)と書いておりますが、病院で診断を受けたわけではなく、自己診断です。
自己診断は参考程度にしかなりませんので、ADHDの心当たりがある方で、かつ、お薬や、その他の支援が必要な方は病院を受診をされた方が良いかも知れません。
(参考:https://works.litalico.jp/column/developmental_disorder/010/)

ADHD(と思うに至った)エピソードもこの記事の中に書こうかしらと思ったのですが、それだけで一つの記事になりそうだったのでそのうち別でADHDエピソード兼自己紹介記事を書こうと思います。

今回、何か新しいことを始めたいなあという思いから、最近やっと家事が習慣化した経緯についてを発信しようと思い立った次第になります。
生きづらさを感じている誰かに届いたら嬉しいです。

家事を習慣化するまでの経緯をかなり細かく書いてしまったので、経緯は興味ない、実際の対策だけみせてくれ、という方は「作成した家事表の紹介(★結果だけ気になる方はこちらから)」のセクションまでとんでください。

家事が習慣化するまで

家事ができない毎日

さて、私は大学進学と同時に一人暮らしを始め、実に7年。常に床が見えないような部屋でずっと生活をしておりました。
社会人にもなったというのに、やらなければやらなければという焦燥感のみが募り、体が動かない。
そんな状態で7年がすぎておりました。

『家事ができない』

いつしか、これは私の中で大きな大きなコンプレックスとなり、朝起きて散らかった部屋を見るたびにそのコンプレックスと向き合わなくてはいけない毎日でした。

発達障害関連の書籍を参考にし、周りの支援を受け、対策を講じてきました。
しかし、一週間ほどは頑張るものの、ついに家事が"習慣化"することはありませんでした。
(ただ、習慣化の決め手にはならなかったものの、家事の習慣化に一役買っている対策はあるので、この後の「補足」パートで紹介します。)

なぜ家事ができないのかを調べる

こんなに周りにも助けてもらっているのに、あまりにも家事ができない自分が嫌いになりそうでした。

ふと、なぜ私はこんなに家事ができないのだろう、と、その原因部分が気になりました。
思えば今まで、ADHDの行動の特徴や、対策ばかり調べていて、そもそも「なぜ」できないのか、について調べる機会はありませんでした。

そう考えた一人暮らしも8年目、2024年の10月、衝動的に(これも発達障害によく見られる行動ですね)深夜2時ごろ、暗闇の中スマートフォンに手を伸ばしていました。

調べている中で一つの説に辿り着きました。

ADHDは神経伝達物質の出方が不安定で、前頭前野がうまく働かない

https://ikeda-iin.net/%E6%B3%A8%E6%84%8F%E6%AC%A0%E5%A6%82%E3%83%BB%E5%A4%9A%E5%8B%95%E7%97%87%EF%BC%88adhd%EF%BC%89

私にとって初めての、そして衝撃の事実でした。
2X年間付き合ってきた自分の脳みそについて何も私は知らなかったのです。

もちろんこの説も、数ある説の中の一説に過ぎません。
ただ、この記事の中で紹介されている以下の例えに、自分は心当たりを感じました。

例えば、授業や宿題をするとき、ドーパミンが出て集中できればよいのですが、ADHDでは、これがなかなか出ないので集中できない。

一方で、ゲームや遊びのときはドーパミンが出すぎて集中しすぎてしまう。(結果、声をかけられても聞こえていない。次の行動に移れない。)

過去、母の日にプレゼントしようと、実家で飼っていたデグーのマスコットを作成しようと思ったことがあります。
ある休日、午後12時過ぎごろから作成作業を始めました。
夢中で作成していると気づくとなんと翌2:00。実に14時間、飲み食いなど全くせず、ただ作業に没頭しておりました。

このように、自分が楽しい、と感じられる刺激に対しては、神経伝達物質が過剰に分泌され、逆に、家事などの楽しくないことに対しては神経伝達物質がなかなかでない。そう考えると今までの自分の行動の傾向に理由がつく気がしました。

当時母の日にプレゼントした手作りマスコット

原因はわかった。さあどうしよう。

神経伝達物質の分泌が原因らしい。というところまで辿り着けました。
さあここからどうしましょう。

神経伝達物質は、分泌が不安定ではあるものの、出ないわけではないのです。私はここに希望を感じました。

つまり、どうにかしてドーパミンが出るような、自分がワクワクできるような状態・刺激を作り出せばよいのではないか。

と思い、対策を考え始めました。

少しでも”ワクワク”するために

ここまで考えて、過去に見た一つの動画が私の中に浮かんできました。

「あんの遊びチャンネル」。子どもと楽しめる遊びや手作りアイデアを発信しているチャンネルなのですが、卓越したアイデアとセンスに2X歳児の私も、いつもワクワクしながら拝見しておりました。

その中で紹介されていた、持ち物チェック表の動画をふと思い出したのです。動画を見るだけでワクワクできるんだ。これを家事表に使えばワクワクしながら家事ができるのでは、と。

さて、ものは試しです。上記の動画を参考にして家事表を作成しました。

作成した家事表の紹介(★結果だけ気になる方はこちらから)

お待たせしました。今回、家事を習慣化するに作成した「オリジナル家事表」がこちらになります。

自分が使っている家事表

我ながら…
めちゃくちゃ可愛い。

…コホン。家事表について紹介をしますね。

今回、家事表を3つに分類しました。
画像左から

  • Daily家事表

    • 毎日こなす家事を書いたもの

  • Weekly家事表

    • 週1~3回こなしたい家事を書いたもの

    • 曜日ごとにこなす家事を決めている。

  • Monthly家事表

    • 月1くらいやればOKな家事を書いたもの

    • Weekly家事表と違い、やる日は特に決めていない。

です。この辺りの3つの分類や、何曜日に何をやるか、などの細かいタスクの組み替えは日々家事をこなしていく中で自分により合うようにブラッシュアップしていっています。

そして、あんさんの動画であった使い方と同じで、家事をこなせたら、ビーズを左から右に動かすことで家事の実施・未実施を管理しています。

家事表を運用してみて

家事表を作成しましたが、実際どうなのでしょうか。
今までできなかった家事ができるようになったのでしょうか。

結果….

現時点で家事の習慣が2ヶ月続いています。

自分にとってすごいことなんです!本当に!
床の障害物を避けて歩かなくてもいい、部屋の中を真っ直ぐに歩ける毎日に感動しています。

以下に、運用してみて良かった点と悪かった点をまとめました。
ぜひ、家事ができなくて困っている方は参考にしてみてください。

  • 良かった点

    • 自分が好きなデザインで作成できるため、ワクワクできる。

      • 私の家事表は、ひたすら自分が大好きな「キラキラ」「可愛い」を意識して作成したのでいまだにみるたびにテンションが上がります。

    • すでにやることが決められているため、ADHDが苦手な「段取りを立てる」をしなくてもよい。

    • アナログのチェック表のため、アプリなどでタスク管理する場合に比べ、「アプリを起動する」という一手間を省くことができる。

    • ビーズを動かす、という行為がシンプルに楽しく、達成感を感じることができる。

    • アナログながら、ホワイトボードシートで作成しているため、タスクの組み替えが容易で、自分に合った状態に常に内容を更新できる。

  • 悪かった(改善が必要な)点

    • 最初だけ、家事表の作成に時間がかかる。

    • やる日を決めていないMonthlyの家事に、なかなか取り組めない。

補足

私が家事を習慣化するまでのエピソードはこれで終わりになります。

ここでは補足として、家事表を運用する前に家事を頑張るために、対策を講じて、実際良かったものを紹介します。

  • 家事のハードルをできるだけ下げることに投資する。

    • 乾燥機能付きドラム式洗濯機を購入し、洗濯物を干す手間を減らす。洗濯物をするにあたっての重い腰が上がるようになりました。

この対策は借金玉さんの「発達障害サバイバルガイド」を読んで実行したものになります。

今回あげた「家事のハードルを下げる」は”家事”に目的をフォーカスしたものになりますが、この本には、家事だけでなく、人間関係をうまいことやっていくため、やメリハリをつけて生き抜くための術がたくさん書いてあり、実際に私も多数実践しています。

おすすめの本なので気になった方はぜひお手に取ってみてください。

終わりに

「発達障害サバイバルガイド」は、今読み直してみると、作業の一覧化にホワイトボードを推奨していたり、タスクのルーティン化を提唱していたり、今回作成した家事表に通じることもたくさん書いてありました。

…ではなぜこの本を読んで対策を講じた当時の自分は、家事の習慣化がうまくいかなかったのでしょうか。7年という時を経ずとも、すでにヒントは転がっていたはずです。

その原因は、「ADHDへの万能の対策がない」から、ではないかと考えています。
当時本を読んでいた頃の私は、とにかく本に書いてあることをそのまま実践しようとして、定着せず、ということを繰り返していました。
間違いなく、この本には、発達障害の人間が生きていくためのヒントがゴロゴロ転がっています。しかし、細かい方法論という話まで突っ込んで考えると、それは、人によって、適する場合と、そうでない場合があるかなと思います。
特に発達障害の人間にとっては、少しでもピンとこない部分があると続かない、ということが往々にしてあるのではないでしょうか。

ですので、発達障害で生きづらさを感じている皆様には、世間に転がっている対策(本記事も例外でない)を鵜呑みにせず、ヒントとして捉え、「自分にあったやり方」を追求することをおすすめしたいです。

長い長い記事を読んでいただき本当にありがとうございました。
最後に「発達障害サバイバルガイド」の帯に書いてある言葉をお送りしてお別れしたいと思います。皆様に幸せがあらんことを祈っています。

普通じゃなくていい、生き抜こう。

https://www.diamond.co.jp/book/9784478108925.html


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