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ファッションを楽しんでいる?

北海道の田舎で育ち、仲の良い友達はそれぞれ札幌に進学。私も江別の短大に入り、キラキラ都会の生活とまではいかずとも週末は友達と楽しい時間を過ごし、田舎の価値観から逃れて自由を満喫していた。

私は年相応にオシャレをしてたものの、地元から一緒に来た彼女たちはとてもオシャレを楽しんでいて、かなりの頻度でショッピングに繰り出していた。とはいっても学生が洋服にかけられるお金はたかが知れている。だからこそなのか、その情熱は凄まじく、お気に入りのショップへ足繁く通い、そのシーズンに買う服を慎重に吟味していた。今はなくなってしまった札幌駅の迎えにあった西武デパートから始まり、パルコ、三越などなど、大通りまでをデパートを巡りながらくまなくチェック。ヘタレな私は3cmヒールの靴でも足が痛くて仕方がなかったけれど、友達は倍はありそうなハイヒールを履きこなし、涼しい顔でショップを見て回っていた。私の「もう歩けない」という泣き言が、ウィンドウショッピングの終わりの言葉だった。


短大卒業後は芸大で勉強するためにイギリスに留学し、おしゃれな人とわんさか出会った。愛読のファッション誌があり流行の最先端を追いかける人。ロンドンのオシャレスポットにあるマーケットで古着を物色するのが趣味という人。永遠に60年代を生きている人。HipHopが大好きなBガールなどなど。

オシャレのベクトルは違えど、みんなファッションを楽しんでいた。そして、どんな着こなしが良いのかを日々探究している結果、みんなとても素敵だった。

自分の好きなスタイルと生まれもった個性やキャラクターをうまく合わせて、一番素敵に見えるような方法を知っているという感じ。

ファッションコンシャスな彼女たちとは疎遠になってしまったけれど、今でも同じようにファッションを楽しんでいるのだろうかと想像してみる。私のように、結婚をして子供が生まれてからヒールを履くのは冠婚葬祭のみになってしまっただろうか?着るのも手入れも楽なことが最優先だろうか?などなど想像してみたけれど全然しっくりこなかった。

彼女たちの様に素敵になりたいと思うけれど、なかなか難しい。そこまでの情熱と美意識を持ち続けることは困難だ。

母親が何処かから「もったいないから〜」ともらってくる服を平気で着ている私には、超えなくてはいけないハードルが山ほどある。

では、一般的な人たちはどんな感じなのだろうとリサーチしてみた。
するとネット上には「似合う服がわからない」、「何を着ていいのかがわからない」という声が多い様に感じた。

消費者庁の「サステナブルファッションに関する意識調査」によると、「何を着るか」と向き合っているとは到底思えない調査結果。予想はついていたけれど、みんなも洋服が最優先事項ではないということがわかってホッともした。

衣服の購入動機は「暑い・寒いとき、気に入った服を目に したときやバーゲンなどが購入動機 で、計画性はない」が50%を占めている。「購入した衣服の中で、ほとんど着ることがなかったものはありますか」という質問に7割の人が「はい」と答え、着なかった理由は「サイズが違っていたため」、「似合わなかったため」、「着心地が悪かったため」と回答した人が多い。


素敵な服が目に入って、しかもバーゲンで定価より安くなっていてお買い得だから買ってしまったけれど、家に帰ってきてみたら思っていたのと違った…という感じだろうか。せめて試着してみたら、買わずにすんでいたのではないのだろうか?とも思う。

一緒にショッピングに繰り出していたファッションコンシャスな友人たちは、気になる服があれば必ず試着していた。それはもう、取っ替え引っ替え、待ちくたびれるほどに。

ちなみに「サステナブルファッションに関する意識調査」でサステナビリティを意識している人は、やっぱりマイノリティーだった。

「気に入った服があったらとりあえず試着してみる」という様な小さなアクションで無駄な買い物を減らすことの方が、サステナブルファッションについて説教じみた話しを広めるよりも環境負荷を抑えられるかもしれない。大量生産・大量消費からの脱却はファッション業界の構造を変えなくてはいけないことはもちろんだけれど…


そして、ファストファッションが台頭してくる前でも彼女たちは確実にファッションを楽しんでいた。ファッション業界の一番多い問題である大量生産・大量消費を加速させているファストファッションがなくても、みんな幸せなファッションライフを送れると思う。



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