![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138631715/rectangle_large_type_2_565d8d58c99298d31a4d089bf4b17c76.png?width=1200)
赤ちゃんについて考える
世界中のすべての赤ちゃんを愛することはできない。
守ることはできない。
でも、自分のたいせつなひとが「ママ」になるのなら
できるかぎり「ママ」を励ましたいし、助けたいし、
その赤ちゃんを愛して、守りたい。
5月に赤ちゃんが2人産まれる。
どちらの子も私にとって、
初めての感情が芽生えるきっかけになった子たち。
2年前に職場で出会った、25歳の子。
この子は今まで私が出会ってきた中で、
まったく違う。
言ってしまえば、無条件で愛しい存在。
それなのに、守ってあげるほどか弱くもなく、
踏み込んでほしくないところを見極めてくれる。
そして、「いいよ、ノマさん」と言うときは、他人事だからではなく
私の思いを汲んで背中を押してくれる。
大好きで、尊敬できる。
そんな子に出会ったのは、初めてだった。
その子が妊娠して、つわりを乗り越えて、
会うたびお腹が大きくなって
胎動がぽこぽこと感じられるようになり
エコーを見て泣いてしまった。
彼女が「ママ」になるんだ。
そして彼女が懸命に大切に育てている、
世界でいちばん大切な存在が、今一生懸命大きくなっているんだ。
こんなに「赤ちゃん」を心待ちにして、
会うだけで幸せになれることがあるんだな、と。
私がこんなに大切に思える彼女に、そんな彼女が大切にしている「赤ちゃん」に、
関われることを幸せに思う。
3歳上の姉。
私は姉が世界一だいすきで、世界一かわいいと思っているくらいのシスコンなのだけれど
姉は「子供は産まない」とずっと言っていた。
その強い意志は、一緒に育ってきていたから、強く感じていた。
その姉が妊娠した。
正直、複雑だった。
手放しで喜べない。
結婚して、家族の関係が変わり、子供が産まれたら、もう私たちは家族じゃない。
姉の家族は義兄とその子供だ。
そんなのは、私だって同じ。
結婚もしたいし、子供だってほしい。
当たり前のことなのに「怖い」と思った。
「いらない」と言っていたのに、なぜだろう。
妊娠したくないのなら、なぜしたのだろう。
喜べなかった。
今も正直、嬉しいかと言われたら、どこか夢のようで
実感はなく、他人事だ。
お腹が大きい姿を見ても受け入れられない。
けれど、姉が今でも受け入れられていないこと、
不安と「子供のことしかまわりは考えていない」「喜ばれていることへのプレッシャー」を抱えていて
その中でも姉はきっと私の複雑な感情に気づいている。
私は姉の前では、いくら取り繕ってもただの妹で隠し事はできないし、敵わないから。
ただ、姉が「元気に産まれてきてほしい」と願い、
お腹の中で大切に育てているのなら
私は姉が大好きで大切だから、大切にしたい。
世界中のすべての赤ちゃんを愛することはできない。
守ることはできない。
でも、自分のたいせつなひとが「ママ」になるのなら
できるかぎり「ママ」を励ましたいし、助けたいし、
その赤ちゃんを愛して、守りたい。
そして、願わくばすべての「赤ちゃん」が元気に産まれてきてほしい。