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築70年古民家のリフォームをした話

弊社では、古民家のリフォームの依頼相談をよく頂きます。
「古民家」と言われる住宅の定義としては、一般的に築50年以上と言われています。弊社では、築50年以上のお家の工事をさせてもらう事が多いです。(築100年とか当たり前にあります。)ありがたいことです。
なので築40年のお家は、まだ新しく感じてしまう程です。
工事の内容は様々で、小さな修繕から大規模改修工事となる古民家再生まで。そこで、今回は一例として築70年程の内装リフォームを紹介します。


1.着工前

着工前

お客さんの依頼内容としては、この和室を洋室にしてほしいとの事。
弊社としても比較的要望の多い工事ですが、古民家リフォームの難しい所は、「どこまで工事するのか?」です。
「どこまで工事するのか?」の意味ですが、例えば既存の床、壁、天井や構造体に傾きや損傷、劣化などが見られない状況だと、表面上だけを綺麗にすれば良いので、比較的簡単な工事で費用も抑えられます。
しかしながら、このような都合の良い事になっている古民家に私は出会ったことがありません。
なので、現状を把握する為、床下から天井裏まで自分の目で見てしっかり確認します(確認できる範囲)。そして、改修が必要な箇所を判断します。
それでもやはり実際に解体してみないと分からない事もあります。
和室を洋室にするというよくある工事ですが、思わぬことから難易度が上がってしまう事があるので注意が必要です。

2.施工

天井解体

天井を解体しました。天井の構造材には立派な梁が使われていることが多く、築年数が古ければ古いほど黒ずんでいます。それは、古民家には囲炉裏があり、昔はその囲炉裏を使用していたため、その囲炉裏からでる煙や煤で梁が燻されて黒くなります。それがまたカッコいい。
今では囲炉裏は使われなくなっている事が殆どで、床下に隠れていることが多いです。
今回の物件は、40年ほど前に一度改修工事をされており、梁も黒ずんでませんでした。そして、やはり断熱材は入ってませんでした。

天井断熱
床断熱

元々、断熱材は入ってなかったので、しっかり断熱材を充填しました。
断熱材や施工方法にも様々な種類があり、弊社でも10年以上前から高気密高断熱住宅の設計施工を行っています。
本来は、こうした古民家リフォームもきっちりと断熱気密工事を行う事が最良ですが、色々な事情があり、必ずしも全ての住宅で施工できる訳ではありません。
お客さんからの要望はなくとも、弊社ではできる範囲で最良の提案、施工をさせてもらっています。

3.完成

完成

今回の工事の内容は、和室から洋室へのリフォームでした。建具に和室感は残りますが予算や隣の部屋とのバランスを考えて、このように施工しました。ちなみに、隣の部屋は和室です。
内容として、天井と壁は解体してやり替えて、窓には内窓を使用し、建具もふすま紙の張替えをしてあります。リフォームをしたこの部屋のみですが、以前よりも冬は温かく、夏は涼しくなり、エアコンも設置したのでより快適になりました。

最後に

古い建物でも、リフォーム、修繕すれば快適に住むことができます。
場合によっては新築と同等、もしくはそれ以上にすることも可能です。(予算次第ですが。汗)
古い住宅を解体して、新しく建て直そうと思っている方は、一度プロに見てもらっても良いかもしれませんね。
私は古民家大好きなので、近場で相談されればいつでも現調行きます!w 
以上!


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