闘う人を見てまたしてもお腹が空いた日(2023年8月27日、プロレスリング・ノアを観戦して思ったこと)
今年5月にNOAHを初観戦してから、動画配信サービスでちょこちょこと試合を観るようになり、少しは知識を得たこともあって、この日はとても楽しみだった。
会場に入ったら、リングサイドで丸藤選手がツーショット撮影会をしていて驚いた。
今日の見所を語る実況席音声に続いて、リングアナウンサーのジーマン氏が場内を盛り上げていく。
さあ試合開始、と思いきや、静かに選手たちが次々と入場し、リングサイドに整列した。リング中央には丸藤選手がテリー・ファンク氏の遺影を手に立ち、つい先日亡くなった氏を追悼セレモニーが行われた。
闘う人を見て、見続けていくと、こうして見送るということもある……そんなことを思った一幕だった。
第1試合のタッグマッチから、大原はじめ選手と吉岡世起選手が場外へ飛び、YO-HEY選手も華麗に技を決めていく。
続くシングルマッチの数々は、N-1 VICTORYリーグ公式最終戦。フロントネックロックで5分近くクラッチを放さないティモシー・サッチャー選手が印象的だった。
ジュニアタッグのタイトルマッチ前哨戦、お祭り感満載の10人タッグマッチ(櫓の上で歓声を浴びるというより、神輿担ぎで張り合うようなお祭り感)を経て、N-1 VICTORY各ブロック1位が決まるシングルマッチへ。
Bブロック公式戦、イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr. vs 征矢学。気がつけば、どんなに追い込まれても折れない征矢選手を応援している自分がいた。
Bブロック公式戦、潮崎豪 vs 中嶋勝彦。アクシズは2人とも入場からほどよく健康的な色気があってカッコいい。決着つくのだろうかとハラハラした対決を制したのは潮崎選手だった。
この時点で、征矢選手と潮崎選手のリーグ戦績が同点。前日の直接対決戦が引き分けだったので、メインイベントの後にBブロック1位決定戦を行うとのアナウンスが入った。
本当にこんなことあるんだ……とびっくりした。
Aブロック公式戦、ジェイク・リー vs 拳王。こちらは勝った方がブロック1位となる試合。体格差をものともせずぶつかっていく拳王選手、ジェイク選手に蹴りを避けられて鉄柱にヒットしたダメージに耐えて戦う姿がカッコいい。
見事勝利した拳王選手のマイクも楽しみだったけれど、次の試合があるためお預けに。
Bブロック1位決定戦、征矢学 vs 潮崎豪。ここまで来たら征矢選手に勝ってほしい。応援にも熱が入る。序盤から畳み掛けていく征矢選手。闇雲に仕掛けているわけではないのは、徐々に潮崎選手の苦しげな表情や首周りを気にする様子をみせ始めたことからわかった。プロレスは頭脳戦でもあるんだなぁ、と改めて思う。その後は腕攻めで反撃する潮崎選手が段々と主導権を握り、勝利を収めた。
全11試合が終わり、余韻冷めやらぬ中で感じたのは心地良い消耗と空腹感だった。
観客の身でも体力は消耗する、という感覚はわかっていたけれど、終盤でもう一試合追加されてテンションが上がり、思いがけず消耗したようだ。観客の私よりも征矢学選手と潮崎豪選手の方が、間違いなく消耗しているだろうけど。
会場を後にしてから空腹を満たし、夏の最後に数々の熱戦を観られてよかったなぁと思った。
さて、次はどんな試合を観られるかな。