闘う人の心からの叫びに震えた日(2023年10月22日、ガンバレ☆女子プロレスを観戦して思ったこと)
ガンジョ!
この日のガンジョは全4試合。
第1試合はリアラ vs 稲葉ともか。
開戦前の握手に応じない稲葉選手に、リアラ選手は「耳ないんか」と髪を引っ掴んで詰め寄って打ち掛かり、ゴングが鳴った。
一撃必殺の時を見極める冷静な稲葉選手と、自己プロデュース力も武器にして熱く挑んでいく「ガンジョの当たり屋」リアラ選手、どちらも自分の様式を貫き通す者同士のぶつかり合いという印象で、観ている私のテンションも上がる。
第2試合はタッグマッチ。
私にとってはディアナ初観戦以来約1年ぶりに美蘭選手を見られて眼福(中学生の成長は早い)。ひたすら可愛く軽やかな美蘭選手と、かっこいい姉貴風のななみ選手の連携が微笑ましい。
対するバニー及川選手とアレックス・リー選手も容赦ない。「中学生に負けるな」というアレックス選手のつっこみも見事だった。
第3試合は長谷川美子 vs 鈴芽。
東京女子プロレスの鈴芽選手がガンジョに参戦。グラウンド攻防から足攻めしていく長谷川選手と、巧みなロープワークと俊敏さで対抗する鈴芽選手。双方の持ち味をたっぷり見せてくれて、どちらも勝ちでいい! と思ってしまうくらいだった。
メインイベントはYuuRI vs 夏すみれ。
野性味のある色気を纏う薔薇なYuuRI選手と、セクシーモンスターというか魔女というか妖花な夏選手の対決は、まさに一大エンターテインメントの印象。
YuuRI選手のパワーが勝るか、夏選手の知略手管が勝るか、ギリギリまでわからない。場外での駆け引きを仕掛ける夏選手からふわっと良い香りがしてきたことも忘れ難い。
この日の試合、ガンジョ勢3人は黒星という結果に終わった。
メインイベント後のマイクで、YuuRI選手が叫ぶ。
「ガンジョ全員負けちゃった。YuuRIが引っ張っていかなくちゃいけないのに……。もうどうしていいかわかんないよ!」
「何わかんないわかんない言ってんだよ、YuuRI!」
YuuRI選手を上回る声量でリングに上がってきたのは、まなせゆうな選手兼GM。
「負けたから何なんだよ! 私は今な、負けることもできないんだよ!
YuuRIがずっと今、闘ってるでしょメインで。
その姿見て、私が今どんだけ頑張れてると思ってるんだよ!
何泣いてんだ! 別に泣いてもいいけどさ、下向いてんじゃねえよYuuRI!
今負けてもな、明日勝てばいいんだよ!」
まなせGMの叱咤激励を受けて、泣いていたYuuRI選手も笑顔で「ガンジョの未来は明るい!」と締めてくれた。
「私は今な、負けることもできないんだよ!」
膝のリハビリのため、試合は欠場中のまなせGMの言葉が、私の心に強く残った。
随分昔に、負け組と言われたことがある。
私はその時、そもそも何と勝負しているのかもわからなかったので、唐突に負けを宣告されて戸惑った。
闘ってすらいない。闘い方を知らない。闘いの場を見つけていない。
たぶん私は、人生に戸惑っていたのだと、今は思う。
生存、という意味では生きていたけれど、「人を生きる」「人間として生きる」という意味で、どうしたらいいのかわからず、日々をやり過ごしていたのだ。
正直、今もまだ戸惑いはある。それでも朧げながら「どうしたいか」は考えられるようになった。
プロレスを知って、闘う人の姿を見たおかげである。
私はこれからも、プロレスを見て生きていくだろう。
そんなことを思った試合だった。
さて、次はどんな試合を観られるかな。
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